オゾン活用技術
塩素の代わりにオゾンで水を消毒する「オゾナイザ」
水処理のここが困る!
- ■水源から汲んだ水や廃水には、塩素などでは消毒できない物質が含まれることがある
- ■河川や湖沼の水質悪化で、飲み水のかび臭に悩まされる自治体もある
- ■塩素自体がトリハロメタンなどの有害物質を生じる(いわゆるカルキ臭の原因)
酸素原子3個から構成される気体「オゾン(O3)」は、塩素を超える強力な殺菌力・酸化力を持った物質です。一方で、放っておけば酸素に戻るため、有害な化合物が生成されたり、大気中などに残留して環境負荷を生じる心配が少ないことでも知られています。 細菌・雑菌やカビに対して即効性のある消毒剤として利用できるほか、臭いや色のもととなる物質も分解するので、脱臭・漂白にも効果を発揮します。当社の「オゾナイザ」では、このオゾンを水処理に活用することで、塩素などを用いる従来方式よりも安全・安心でおいしい水を提供できるようになりました。
上下水道での活用
当社のオゾナイザは1968年に日本で初めて開発・製品化し、国内の上下水道分野を主なターゲットとして、国内外で1,800台以上の装置を納入してきました。オゾナイザを導入した施設では、活性炭による処理などと組み合わせてオゾン処理を行うことで、上水・下水の臭いを消し、安全性を高めています。
この技術の普及を通して、安全・安心でおいしい水を世界に提供しています。
水族館での活用
当社は、社会に欠かせない「水」というインフラを長年支えてきたオゾン処理技術をもっと広い分野で活用できないかと考え、新しい用途の開拓に取り組んできました。
その一例が水族館での活用です。2009年には、三重県の鳥羽水族館で、アフリカマナティーの水槽向けにオゾナイザを納入しました。大量のエサを食べるアフリカマナティーの水槽では、放っておけばすぐに水が濁ってしまいます。そうなれば見通しが悪くなることはもちろん、アフリカマナティーの健康に影響が出ることも考えられます。そこで、オゾナイザを使い、薬品を使わずに水の透明度を保てるようにしたのです。これにより、生きものの健康にも配慮しながら、観察しやすい環境を保つことが可能になりました。
製薬・化学プラントなどでの活用
オゾナイザは工業分野でも活躍しており、例えば製薬・化学プラントでの排水処理でも、シアンやフェノールなどの有毒物質の分解、水質向上、脱色などに役立てられています。また食品分野でも、食材や容器の洗浄でオゾナイザが活用されています。