従業員一人ひとりの知見を結集し、
さらなるサステナビリティ・
イノベーションに挑戦

経営方針に掲げるサステナビリティを根幹に据えた経営を更に発展させ強化するため、関連部門・プロジェクトが結集し、2024年度、「サステナビリティ・イノベーション本部」を新たに設立しました。同本部が中心となり、社会課題解決と事業成長を同時に成し遂げる「トレード・オン」事業の創出と、経営基盤の強化を通じて、三菱電機グループのサステナビリティ経営を総合的かつグローバルに加速させることを目指しています。

上席執行役員
サステナビリティ・イノベーション本部長
小黒 誠司

社会課題解決と事業成長を両立する「トレード・オン」事業の創出

気候変動、資源枯渇、生物多様性の損失をはじめとした様々な環境問題に直面する今、地球に生きる一員として、私たちには未来を創る選択をすることが迫られています。このような状況の下、三菱電機グループでは、地球規模の社会課題解決と事業成長を両立させる「トレード・オン」の活動を加速しています。

中でも、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブを掛け合わせた領域に三菱電機グループのビジネスチャンスがあると考えています。自然資本の損失を食い止め、回復させることに主眼を置いた「GIST※1プロジェクト」を2023年度に立ち上げ、他社との共創、産官学でのオープンイノベーションも視野に、事業創出を図っています。

そして、この事業創出を支える上で欠かせないのが「循環型 デジタル・エンジニアリング」によるイノベーションです。三菱電機グループがこれまでに幅広い分野で培った技術力や知見をはじめとする多様なデータの利活用を基に、サステナビリティに資する新しいソリューションを提供することで、様々な社会課題解決に貢献するとともに、収益性の向上にもつなげられると考えています。

※1Global Initiative for Sustainable Technology

経営基盤の強化

事業創出に向けた挑戦と合わせ、経営基盤の強化も必須となります。まず、2050年のバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を見据え、2030年の自社カーボンニュートラル、2035年の廃プラスチック100%有効利用等を目標に掲げ、グループ内でのカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーを着実に推し進めています。また、事業活動の基盤である従業員はもちろん、ステークホルダーとして関わるあらゆる人を尊重すべく、国際規範に則った人権の尊重やDE&Iの促進にも取り組んでいます。さらに、CSRD※2、CSDDD※3、ESPR※4等を始めとした、日々更新されるサステナビリティにに関する国内外の各種法規制への対応や、非財務情報の経営管理プロセスへの統合、対外開示も重要な課題です。こうした動向に常にアンテナを張り、的確に対応していきます。

サステナビリティに関する活動を行う部門が一つの本部に統合され数カ月が経ちますが、三菱電機グループがサステナビリティ経営の両輪としている「事業創出」と「経営基盤の強化」の活動がより包括的に推進しやすくなったと感じています。この体制の下、専門性を携えた従業員一人ひとりの知見を結集し、さらなるサステナビリティ・イノベーションに挑戦してまいります。

※2Corporate Sustainability Reporting Directive。欧州における企業のサステナビリティ情報開示に関する法令

※3Corporate Sustainability Due Diligence Directive。欧州における企業の持続可能性デューディリジェンス実施を義務化する法令

※4Ecodesign for Sustainable Products Regulation。欧州市場に流通する製品を対象とした、持続可能性要件を含む環境配慮設計に関する規則