宇宙食が「福袋」にまで登場するようになってしまった。2003年初売りのそごうの福袋。800円相当の宇宙食と、メールが宇宙から届く「スターメール」がセットになって8000円。おせち料理に飽きたころ、宇宙食は新鮮と言えるかも。おせち≒伝統と対極にある食だから。でも「数日で飽きる」「日常の食事とはかけ離れている」という点では共通?
ところが実際の宇宙食は日常の食事にどんどん近づきつつある。毛利飛行士の宇宙飛行メニューを参考に、シャトルの食生活をチェックしてみると・・・。
宇宙に行く日は「ケーキ」からスタート。ミッションパッチをデザインしたケーキを前に、クルーが打ち上げ前の記念撮影をするのが慣習。かつてはステーキも食べていたらしいが、宇宙に行って2~3日は乗り物酔いに似た「宇宙酔い」になるので、毛利さんは「グレープフルーツジュース1杯だけ」。
そしていよいよ打ち上げ。宇宙到着直後はチキンコンソメスープやクラッカーなど軽めのメニューで。でも日本茶を2杯、さらにグレープフルーツジュース2杯と水分はたっぷり。翌日、仕事が本格化したところで昼食に出てくるのがトルティーヤ。飛行期間が短く仕事量はめいっぱいのシャトル飛行では食事の時間も惜しいほど。そんな時、片手で食べながら仕事ができるトルティーヤは便利。毛利さんもほぼ毎日トルティーヤを食べ続けた。
1日の仕事を終えた夕食は豪華に。シュリンプカクテル、スパイシーチキンサラダなど、ピリッとした味のものを1品。メインディッシュはポテトグラタンやビーフストロガノフなど。そしてデザートにプリン。チョコレートプリンやバタースカッチプリンなど5種類のプリンから毎日変えてみたりして。スィーツはやっぱりお楽しみだよね。
ミッションが終わり帰還する前には、地上で急に血液が移動して貧血になるのを防ぐため、塩のタブレットとかなりの量の水を飲む。塩では味気ないと毛利さんは梅干しをかじった。「ケーキ」で始まったシャトル飛行が、「梅干し」で締めくくられるなんて意外・・・。
帰還した宇宙飛行士たちが「帰ってきたゾー」と実感するのは、一杯の水を飲むとき。シャトルの水がまずいだけに、それはそれは美味しくて、心からホッとするんだって。 |