コラム
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2003年 5月分 vol. 2
「宇宙メダカ」を六本木に泳がせよう
宇宙メダカがやってきた。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi

向井さんと一緒に宇宙へ飛び立つ前日の「初代」宇宙メダカ。名前はコスモ、元気、未来、夢。(提供:NASDA)  今、話題の「六本木ヒルズ」の池で7月、宇宙メダカの子孫1万匹をみんなで放流しませんか!? 「宇宙メダカ研究会」が放流までの約2ヶ月間、メダカを育ててくれる育ての親1000人を大募集中! 締め切りは5月20日(火)。

 「初代」宇宙メダカ4匹は1994年7月に向井千秋さんとともに宇宙飛行。約15日間の飛行中に、せきつい動物で初めて産卵。43個の卵と8匹の赤ちゃんメダカが誕生した。その後も宇宙メダカの子孫はふえ続け1000匹を超えてしまった。実験を行った東京大学の井尻憲一助教授が「宇宙への夢を広げて欲しい」と1994年9月から子孫たちを全国に配布した。

 そして約9年たった今、宇宙メダカのネットワークは「宇宙メダカ研究会」となって活動が続いていた。本部は関東、全国に6つの支部があり会員は約200名。2001年にはドイツ・カイザースラウテルン市の日本庭園に宇宙メダカ約300匹を里子に出すため、井尻先生を含む32人がドイツまで訪れている。フットワークが軽く遊び心いっぱいの会のようだ。

 今回の放流もひょんなことがきっかけ。「宇宙メダカ研究会」のメンバーに建築事務所の社長がいた。彼が六本木ヒルズの設計を担当している友人と雑談するうち、ヒルズ内の毛利庭園の池がメダカに適していることがわかった。さっそく研究会が森ビルに放流を提案したところ、社長が乗り気に。さらに再開発組合の理事長は江戸時代から続いた金魚屋さんだった・・といろいろな巡り合わせもあって話は決まった。そこで「たくさんの人に参加してもらい『楽しいお祭り』にしたい」と育ての親を1000人募集することになった。

 育ての親(1人5~10匹)を希望する人は往復はがきに住所、電話番号、氏名、年齢を書いて、〒274-0818、船橋市緑台2-10-3-504「宇宙メダカ研究会事務局」まで。 「すでに応募がどんどん集まっています」と事務局長の説田克志さん。7月25日の放流式には宇宙飛行士の毛利衛さん、宇宙メダカ実験の生みの親・井尻憲一先生も参加の予定。

 実は私、94年に宇宙メダカ3世4匹を譲り受けたものの、うまく子孫を残せなかった。でも今度はがんばってみようかな。六本木ヒルズで自分が育てたメダカが泳いでる、と思うだけでワクワクしてくるものね。