9月29日(以下現地時間)の1回目に続き、2回目となる10月4日、米国カリフォルニア州モハベ砂漠を飛び立った「スペースシップワン」は、高度100kmを超え「宇宙」に到達。民間資金のみで開発した3人乗りの宇宙船で、2週間以内に2回飛行し高度100kmを超えること、という国際コンテスト「アンサリXプライズ」の条件を一番でクリア。1000万ドルの賞金を手にする。で、次はいよいよ私達? いつごろ宇宙に行けるの?
そんな高まる期待に、絶妙のタイミングで登場したのが英国ヴァージン・グループの会長、サー・リチャード・ブランソン。ヴァージンアトランティック航空、ヴァージンメガストア(CDショップ)、ヴァージンシネマ(映画館)など32以上の関連会社をもつヴァージン・グループの創始者で、熱気球による世界初の太平洋、大西洋横断を成し遂げた冒険家でもある。
9月27日に発表された内容によると、ヴァージン・グループはスペースシップワンを保有するモハベ・エアロスペース・ベンチャーズ社(マイクロソフトの創始者の一人ポール・アレンの会社)と契約を結び、スペースシップワンの技術供与を受けて、民間宇宙船「VSSエンタープライズ」を5機開発。2007年の初飛行を目ざし、最初の5年間で3000人の宇宙飛行士を送り出す。費用は3日間の事前トレーニングと高度100kmまでの約2時間の宇宙旅行で2000万円以上になる見込み。宇宙船には5人の乗客が搭乗できる。
宇宙旅行のために作られた新会社「ヴァージン・ギャラクティック」のウエブサイトでは、同社の提供する宇宙旅行のイメージを動画で見ることができる。翼を広げたカワイイ機体で飛び立ち、どんどん丸みを帯びていく地球が見える。無重力だって体験できる。ムービーの最後に「What
next?」というメッセージが表れたかと思うと、宇宙に浮かぶホテルが! ブランソン会長は「自分の生きている間に、宇宙の『ヴァージンホテル』も見たいね」との野望を抱いているらしい。Wao!
17歳で高校を中退し、オピニオン雑誌「Student」を創刊。20歳でレコード通販会社を、34歳で航空会社を設立したリチャード・ブランソンは2000年にエリザベス女王からナイトの称号を授かっている。「僕は世界を変えていく」という自著のタイトル通り、例えばヴァージンアトランティック航空のアッパークラスには、バーカウンターやビューティーセラピーもあり、業界の常識に囚われず新しいサービスを提供し続ける。商業宇宙飛行の実現には法的な環境整備などの課題はあるものの、彼ならそういうハードルをクリアして、宇宙旅行に魅惑的なサービスを提供してくれるだろう。 嬉しい想像が膨らみますね。
ヴァージンギャラクティック社(英語)
http://www.virgingalactic.com/index.html
アンサリXプライズ(英語)
http://www.xprize.org/
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