コラム
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2005年 1月分 vol.4
1000個目の彗星を見つけるのはいつ?
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi


太陽観測衛星SOHOがとらえたブラッドフィールド彗星。中心部、丸いところが太陽で、太陽を隠して観測するためにコロナだけでなく、彗星が観測できる。
(提供:SOHO/LASCO、ESA,NASA)  1995年に打ち上げられた太陽観測衛星SOHO(※)は、彗星ハンターとしても有名。太陽の中心を隠してコロナを観測する装置LASCOが、本来の目的ではないのだけれど、太陽近くに接近する彗星もとらえてしまうためだ。2005年1月までに900個の彗星が発見されている。今年の夏には1000個目の彗星が見つかるかもしれない。そこでSOHOが1000個目の彗星を観測する日時を当てようというコンテストが行われている。

 「The SOHO 1000th Comet Contest」は、SOHOが観測する1000個目の彗星が最も太陽に近づいたとき(近日点)の日時を世界標準時で予想し、専用ウェブサイトの応募フォームに書いて送信するだけ。(ただし、これまで観測されたことのない彗星であること)。彗星の数が960個になった時点で応募は締め切られる。応募は1人1回のみ。もっとも近い日時を予想した人は、名前が発表されるほか、太陽観測関連のグッズ(DVDとかTシャツとか太陽を見るためのグラスとか)がもらえる。

 でもいきなり、日時を当てろといわれても、困ってしまう。参考までに、これまでSOHOが彗星を発見してきた年月を100個ごとに見てみると・・・

100個目
2000年2月4日
 
600個目
2003年4月29日
200個目
2000年8月31日
 
700個目
2003年12月2日
300個目
2001年3月25日
 
800個目
2004年6月11日
400個目
2002年2月26日
 
900個目
2005年1月15日
500個目
2002年8月14日
     


 100個見つけるのにだいたい半年から8ヶ月といったところ。記念すべき1000個目はいつ? 時間を当てるのはややハードルが高いけれど、イベントを楽しむつもりでチャレンジしてみるのも面白そうだ。

 SOHOの観測画像からこれらの彗星を見つけた人たちの多くはアマチュア天文家の方たち。SOHOのウェブサイトから観測画像をダウンロードし、彗星を丹念に探索していく。見つけた彗星は、太陽に飛び込んで消滅してしまうような小さいものも多いが、未知の天体を見つける喜びは彼らを虜にするようだ。それにしても約半年で100個とは、彗星って実は宇宙をたくさん飛び交っているんですね。


※SOHOはNASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)の太陽観測衛星。

The SOHO 1000th Comet Contest
http://soho.nascom.nasa.gov/comet1000/