9月18日は中秋の名月ですね。月を愛でる文化をもつ日本人にとって、月は特別な天体。それだけに、9月6日の産経新聞朝刊の全面広告はインパクトがありました。月が新聞紙面いっぱいに広がっていて、真ん中に「月の旅はJTBまで」という文字。JTBの月旅行では、こんなに大きく月が見えるのでしょうか。
国内大手旅行会社JTBがスペースアドベンチャーズ社の宇宙旅行商品を日本で独占販売をするという記者会見が開かれたのは8月18日(木)。その会見の目玉商品は「月旅行」だった。ソユーズ宇宙船に月へ行くためのロケットを地球低軌道でドッキングさせて、月へ向かう9日間の旅と、国際宇宙ステーションに数日滞在してから月へ向かう9日~21日の旅を検討中で、旅行代金は110億円。月をぐるっと回って、地球からは決して見えない「月の裏側」を見るのが売り(ただし着陸はしない)。月周遊クルーズ旅行だ。
22億円の国際宇宙ステーションの旅行でも「高いなぁ」と思っていたら、今度は110億円。もうそこまで行くと、いくらでも同じ「雲の上」的感覚だ・・・内心思っていたら、先日「月に110億円で行けるって安いよ」という方に初めてお会いした。ホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫さん(映画「私をスキーに連れてって」の監督さん)だ。あるラジオ番組の収録でお話したのだが、かなりの宇宙好きで「人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げから12年で月に行けたのに、いまだに火星に行ってないのはおかしい!」と宇宙旅行に興味津々だった。
で、月旅行だ。産経新聞の広告によると、ツアープラン9日間では、1日目~3日目に月ロケットとのドッキング、3日~5日目は宇宙船泊(船内自由行動)、6日目は月面見学(約10分~35分)、6日目~8日目は再び宇宙船泊(船内自由行動)、9日目帰還。ツアーポイントには「わずか100~200キロの距離から月面を鑑賞」とある。10分~35分だから、心して見ないと「あっ」という間に通り過ぎちゃうぞ。船内ですごす自由時間のほうが長いけれど、国際宇宙ステーションと違ってソユーズ宇宙船は狭い。だが、遠ざかりながら小さくなっていく地球、逆にどんどん大きくなっていく月を見たり、月の周りを回って「アースライズ(地球の出)」を見る体験は、やはり魅力的だ。
東京お台場にある日本科学未来館では「未来館でお月見!2005」を9月14日(水)~19日(月)に開催し、様々なイベントが行われる。通常は地球の観測データを表示しているシンボル展示「ジオコスモス」に月の観測データを投影。月の裏側をじっくり観察できる。また9月17日には「民間宇宙旅行最新情報―月への誘い」と題して、スペースアドベンチャーズ日本事務所の横山龍宏さんのお話が聞けるので、月旅行の「気になるところ」をどしどし聞いちゃいましょう。
日本科学未来館「中秋の名月―未来館でお月見!2005」
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/event/2005/0919_plan_01.html
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