アメリカでは、11月第4週の木曜日は「サンクスギビングデイ(感謝祭)」の休日。だから11月24日(木)は宇宙ステーションも休日。NASAのウェブサイトでは、ウィリアム・マッカーサーとヴァレリー・トカレフの二人の飛行士が、サンクスギビングディナーを動画で一つ一つ紹介している。七面鳥、インゲン、マッシュポテト、クランベリーとりんごのデザート。また、新作映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を地上から送ってもらい、楽しんだそう。
大型バス二台ぐらいのスペースがある宇宙ステーションは、二人で暮らすにはかなり広い。米国人一人、ロシア人一人のクルーは、作業はそれぞれ自国のモジュールですることが多く、食事は大切なコミュニケーションの時間でもあるからだ。サービスモジュールにはダイニングテーブルがあって、きちんと時間をとって食べる。
今年の夏に宇宙ステーションを訪れた野口飛行士は、「無重力だからテーブルはいらないように思えるけれど、食卓を囲むのは宇宙でも大事」と話していた。シャトルでは忙しくて、トルティーヤ(メキシコの薄焼きパンで具をまいて食べる)を片手に持って食べながら仕事をしたりするけれど、宇宙ステーションで食卓を囲めば話も盛り上がって、団欒のひと時となる。野口さんも飛行中「日本食パーティー」を主催。お抹茶と羊羹のお茶会から始まり、カレーライス、ラーメン、ストロベリーチョコと大好評だったとか。
日本食がけっこう宇宙に進出してますね。実は、お寿司を食べた宇宙飛行士もいるそうだ。2003年の4月から10月、宇宙ステーションに滞在したエドワード・ルー飛行士は、「カリフォルニアロール」を食べている。宇宙飛行士が訓練するNASAジョンソン宇宙センター(ヒューストン)の近くにあるお寿司さん「Tokyo Bowl」の人気メニューを真空パックにしたものだとか。私もそのお店にいって食べてみた。具はアボガドとカニかまとキュウリ。巻き寿司の内側に海苔、外側に白ゴマ。アボカドがトロのようで、美味しい! ちなみにこのお店、宇宙飛行士に人気で壁には宇宙飛行士の写真がたくさん。日本人飛行士の皆さんの写真もサイン入りで飾られていました。
2005年11月2日で宇宙ステーションに人間がくらし始めて5周年になった。これまで97人10カ国ものお客さんが訪問し、12チーム29人の宇宙飛行士が長期滞在をしている。今後さらにさまざまな国の訪問客が増えそうで、宇宙食のバリエーションが増えることに期待。
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