ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を初めて宇宙に向けてから400年。ガリレオは口径4cmの望遠鏡を自作したが、今や口径10mを超える大型望遠鏡が世界の果てからやってくる微かな光をとらえる。そして宇宙に飛び出した望遠鏡も多数。地上と宇宙の望遠鏡80台の観測現場をインターネットで次々に生中継でリレーしていき、24時間で世界一周する空前絶後のイベント「望遠鏡80台世界一周」が4月3日午後6時(日本時間)にスタートする!
これは世界天文年2009の世界企画の一つ。ジュール・ヴェルヌの小説「80日間世界一周」にならい名付けられたが、80台のラインナップが豪華。世界の望遠鏡が集まるハワイ・マウナケア山頂のすばる望遠鏡をはじめとした大望遠鏡群、口径8.4mの望遠鏡2台を並列に配置した巨大双眼望遠鏡LBT(アメリカ・グラハム山頂)など最新大型望遠鏡はもちろん、1948年に完成後長く世界の天文学をリードしたパロマー山天文台など由緒ある天文台も参加。可視光だけでなく南米チリに建設中の電波望遠鏡群ALMA、重力波望遠鏡、宇宙のエックス線天文衛星やガンマ線観測衛星などの管制室も結んでしまう。
日本もすばる望遠鏡(3日18時20分)、野辺山宇宙電波観測所(同21時40分)、群馬県立ぐんま天文台(同22時)、岡山天体物理観測所(22時20分)、太陽観測衛星ひので(4日7時40分)などが参加する。
世界天文年2009日本委員会事務局長の小野智子さんによると「これだけの規模で世界の観測現場を生中継で結ぶのは史上初」とのこと。中継の内容は? 「各天文台の持ち時間は20分。前半は紹介ビデオ、後半はキー局であるヨーロッパ南天天文台の本部ドイツ・ガルヒンからナビゲーターが各地の天文学者と会話して、観測現場の今を伝えます」。基本は英語だが、日本の中継では日本語のコンテンツも用意される予定だ。
小野さんによると「80台の天文台ではあわてて準備中でなかなかリハーサルができない状況。日本の中継地のトップはすばる望遠鏡で、観測者の家正則さんがインタビューに答える予定ですが、彼はエンターテイナーなので心配していません」とのこと。
さっそく国立天文台ハワイ観測所広報室の布施哲治さんに、お忙しい中準備状況をお伺いしたところ「月一回の頻度で同じような遠隔中継を行っていて、慣れているが故に準備の大変さや実行の難しさを知っています。今回、世界中の天文台をつなぐ意義は非常に大きい」そうだ。本番が楽しみだ。ところで望遠鏡のメッカといわれるマウナケア山頂では、世界天文年は盛り上がってますか? 「はい。近隣の研究所と共同でオープンハウスを行う予定など、活発に活動していますよ」いいですねぇ。
さて、世界の天文学者の観測現場を味わったら、ぜひアナタも観望会に出かけてみよう。4月5日まで「世界中で宇宙を観ようよ100時間」と題して日本各地でも100件を超えるイベントが開催される。そして星を観たら下記ウェブサイトから登録を。素敵な参加証が送られてきますよ。
世界中で宇宙を観ようよ100時間
http://www.astronomy2009.jp/ja/project/100hours/index.html
望遠鏡80台世界一周国際版(英語)中継スケジュールあり
http://100hoursofastronomy.org/webcast
めざせ1000万人!みんなで星を見よう!
http://star2009.jp/
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