2004年頃、仕事で石垣島を訪れる機会を得た。ここには既に国立天文台の誇るVERAプロジェクトのアンテナのひとつが設置されており、現在も活躍を続けている。ここに光学望遠鏡を設置することになり、その打ち合わせを行うためであった。望遠鏡ができると、一般向けの観望会も行うというので、地元の天文ファンの集まりである八重山星の会の人たちにも協力をしてもらうことになった。そこで、打ち合わせや講演を終えた後、彼らが撮影した南天の星たちの写真を拝見しながら、居酒屋で星の話に花を咲かせていた。本州では、夢また夢の「南十字星」や、「ケンタウルス座アルファ星、ベータ星」などが春になると水平線の上に顔を出す。確かに緯度が低いので、それらの星が見えるのである。話が弾むうち、ここではすべての一等星が見えることがわかった。改めて考えてみると、これはすごいことである。
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