特集論文 低圧遮断器の技術変遷と今後の展望 | The Art of Manufacturing | 三菱電機FA
Factory Automation

特集論文

低圧遮断器の技術変遷と今後の展望

2015年5月公開【全3回】
福山製作所 遮断器製造部長 竹内敏惠

要旨

1. まえがき

現代文明に不可欠と言っても過言でない電気エネルギーの発展は、“生成”“伝送”“利用”の観点から発電機、変圧器、電動機の3つの機器が発明されたためと言われるが、ここに“保護・制御”の観点から遮断器・開閉器を付け加えてもよいのではないだろうか。遮断器・開閉器は保護する電圧に応じて、SF6ガス中、真空中、空気中で接点を開閉する方式に大別される。
我々の最も身近で電気を利用する低電圧受配電やFA(Factory Automation)などの電気回路の保護には、空気中で接点を開閉する方式が採用され、短絡故障電流、過負荷電流、感電、熱、過電圧、不足電圧などに対処する必要がある。過負荷・短絡電流保護器の歴史はヒューズに始まっているが、今日では、取扱いに利点の多い低圧遮断器(Molded Case Circuit Breakers:MCCB)が主流の保護器である。MCCBは、過負荷・短絡電流保護のみならずほかの保護項目、感電保護の漏電遮断器を始め、過電圧や不足電圧の保護などにも関わりを持つようになっている。
1933年に三菱電機が国内初の“ノーヒューズ遮断器”を世に出して以来80有余年、小型化、大容量化、高性能化、高機能化を軸として、漏電遮断器、電子式遮断器、計測・表示・伝送機能付遮断器等、MCCBの発展の歴史を通じて、常にリーディングカンパニーの地位を占めてきた当社のMCCB製品及び技術の歴史、変遷について述べる。

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参考文献

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