三菱電機が掲げる「しあわせをシェアしよう。」を、実際に働くひとの想いから紐解いていくのがこのしあわせシェアマガジンです。今回はその第一弾として、「しあわせをシェアしよう。」というコミュニケーションメッセージの推進者であるリビング・デジタルメディア事業本部 副事業本部長の平岡さんにお話を伺いました。
技術者としての歩みから、同窓会のエピソードまで。平岡さんがしあわせシェアに寄せる想いをご紹介します。
01 お客様のために、我々ができることを考え抜く。
私が三菱電機に就職したのは、男女雇用機会均等法が施行されるちょうど1年前でした。入社当時、一番驚いたのは、ふだん何気なく使っていた冷蔵庫が、棚の位置まで考え抜かれて計算されてつくられていたこと。細部に至るまでの配慮に感動したことを覚えています。そこから冷蔵庫の開発に23年携わり「切れちゃう冷凍」など様々な機能の開発を担当してきました。その後、住環境研究開発センターに異動。ミッションは、まだ人々が気づいていない不便に対して、我々の技術力で世の中に新しい提案をすることでした。本当にお客様が望んでいることは何なのか?を徹底的に考え抜いた気がします。
また、量販店さんの売り場に立てたことは貴重な経験でした。冷蔵庫売り場に立つと、たくさんのことが見えてきました。購入していただくお客様が、どんなことでお悩みなのか?販売員の方が、三菱電機の製品を説明するのにどんな工夫をしていただいているのか?生の声に触れることができて、たいへん勉強になりました。例えば、冷凍機能ひとつとっても、お客様によって必要な説明が違いますよね。お弁当を作らない人に「お弁当を作るのにめっちゃ便利です!」…と説明しても全く魅力を感じません。「冷凍食品を使われますか?お弁当作りますか?」とお客様に聞いてはじめて、いい紹介ができるんです。そうと分かると、今度は販売員の方にどんな情報をお伝えすれば、売りやすいかがみえてきます。そして、店頭でそれを応用して説明してくれる。お客様のことも、そして売る人のことにも思いをはせると、開発のアイデアにもまた結び付くことがあるのです。
02 パーパスブランディング 「しあわせをシェアしよう。」
お客様がモノを選ぶときの選択基準が変わってきています。単にモノがいいとか値段が安いだけでは選んでもらえません。企業がお客様と共に、どんな社会を実現していくのか。企業の社会的存在意義(パーパス)が問われる時代です。また、三菱電機はこれまで幅広い事業領域で製品やサービスを提供してきたので、社会全体を考える価値観を常に持ち続けてきました。
そこに新型コロナ感染症の拡大という出来事が起き、お客様の生活も価値観も大きく変わりました。家族との時間を大切にする。共感しあえる仲間と想いを共有する。世の中の価値観が大きくシフトしたタイミングで、三菱電機にできることはなんだろうと考えました。
一方で、開発から営業まで、社員は、それぞれどんな思いで仕事に取り組んでいるのかを、ヒアリングしたところ「自分自身の家族が、自分が作っている商品やサービスを喜んでくれるかどうか」まずそれを考える、という声が多く聞かれました。自分のやりがいだけでなく、家族が笑顔になるイメージを持ちながら仕事をしていく。
そこで「しあわせをシェアする」というコンセプトにたどりつきました。
しあわせをシェアしよう。このメッセージは、空調・家電・電材住設事業の事業ビジョンです。「ひとりのしあわせを家族やまわりの人たちとわかちあえれば、この社会も、地球の未来も、もっとしあわせになれる。」という想いが込められています。家庭から社会までを事業領域としてきた三菱電機ならではのブランドパーパスとして宣言しました。
これまでは、「家電=量産モノ」と多くの人に向けてモノづくりをしてきました。でも、そこを変えないといけません。共感できる一部の人でいいからファンになってもらいたい。自分の生活を豊かにしてくれるものを選びたい人。自分だけではなく、家族のしあわせを考えている人。そんな人たちに、価値観に共感して選んでもらえるブランドになりたいと思っています。
余談ですが、以前同窓会で友人から言われたことが印象に残っています。「誰かのしあわせを考えて、それを製品としてカタチにできる。それって、とてもしあわせなことじゃない?」と言われて、ああ「しあわせをシェアしようの精神だ!」と思いました(笑)
たとえば、家族をもったとき。 新しいいのちが生まれたとき。 そして、この星の未来を考えたとき。 ひとは、誰かのしあわせについて考えたりします。 三菱電機は、誰かのしあわせを願うあなたの気持ちに いちばん寄り添える存在であり続けたい。 ひとりのしあわせを家族やまわりの人たちとわかちあえれば、 この社会も、地球の未来も、 もっとしあわせになれると、私たちは信じています。 さぁ、しあわせをシェアしよう。 家の中から世の中まで。今日だけでなく未来にも。 私たちは、誰もが自分らしい100年を生きる ライフソリューションを次々とお届けしていきます。
03 家電が楽をするためだけの道具になってしまってはいけない
パーパスブランディングを推進する社内活動の一環として社員のそれぞれが個人としてのマイパーパスを考えるというワークショップをおこないました。そこで私は「誰もが健康で自立した生活ができる社会を実現する」と書いたんです。会社を辞めてからの人生も、まだまだ長いし、自分が健康で人生を楽しみたいという想いも込めて書きました。家電は「自分がしたいことを自分でできる」という満足感が得られるものでありたい。きっとそれが、一番しあわせなことだと思うんです。自分で掃除をすることで健康でいられると思うし、自分が食べたいものを自分で作る。家電が楽をするためだけの道具になってしまってはいけないと思います。
04 ライフ=家にいる時間×働いている時間
「生活」っていう言葉を聞くと、家にいる時間のことを想像する方が多いと思うんですけど、本当はライフ(生活)=家にいる時間×働いている時間だと思うんです。いくら家庭の中でしあわせでも、働いている時間が不快では機嫌も悪くなる。そうすると、一緒に暮らす家族も不機嫌になる。ひとりひとりの一日の生活に目を向ければ、「暮らす」と「働く」はじつはひと続きなんですよね。いまは夫婦共働きが増えています。そうなると家事の価値も変わってきて、みんなが家事をシェアするのもあたりまえになってきます。リモートワークが普通になると家の中も、働く場所になったりもします。暮らす場所から、働く場所まで幅広い領域をカバーできるところが三菱電機の強みでもあると思っています。事業領域としては、BtoB事業が占める割合はとても大きくなってきています。さまざまな製品やソリューションを通じて、生活の質も、働く質も高めていきたいですね。
05 しあわせシェアの活動に、ご期待ください
「しあわせをシェアしよう。」このメッセージを社内外に、どんどん浸透させていきたいですね。「しあわせをシェアしよう。」とはどういうことなのか?お客様はもちろん、社会全体がしあわせをわかちあうために、三菱電機はどんなソリューションをご提供できるのか。具体的な内容を積み上げていくことが大切だと思っています。私たちの想いがお客様に届いて、一人でも多くの方に三菱電機のファンになっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。
平岡 利枝
三菱電機株式会社
リビング・デジタルメディア事業本部 ブランド戦略推進部
1985年三菱電機入社。静岡製作所 冷蔵庫製造部にて冷蔵庫の開発に23年半携わり、切れちゃう冷凍、ビタミン増量冷蔵庫、瞬冷凍などの商品を開発。
その後、住環境研究開発センターで家電を中心に研究開発に従事し、2021年よりリビング・デジタルメディア事業本部にて家電・電材住設事業の統轄及びブランド戦略に携わる。