今回、お話をお伺いしたのは、冷蔵庫開発に携わる大和さん。
モノづくりのお話から、家族の話。そして、宇宙の話までいろいろなお話が飛び出してきました。
冷蔵庫という四角い箱に、たくさんの愛がつまっている。
そんな大和さんが冷蔵庫を通して伝えたい、しあわせシェアの物語をご紹介します。
01 技術者である私は、冷蔵庫をどう変えられるだろう
もともと私は制御畑出身で、冷蔵庫の頭脳となるソフトウェアの開発に携わってきました。日本の住環境を考えると、冷蔵庫は「少しでもコンパクトなサイズかつ、中は大容量」が求められます。しかし、断熱壁を薄くするにも限界があり、実は差別化が難しくなってきています。
そして、コロナが発生しました。外食が自炊へと変わり、家族で食卓を囲むことが多くなり、普段料理をしてこなかった人までも、台所に立つようになりました。人々の食生活そのものが変わるという大きな変化の中、私のような冷蔵庫の技術者に何ができるか。これまで以上に、真剣に考えるようになりました。

02 三菱電機の基本性能へのこだわり
毎日、何度も開け閉めをする冷蔵庫だからこそ、基本性能にはとことんこだわります。しあわせをシェアする前に、カンタンに壊れてしまっては、しあわせも何もない(笑)。
三菱電機の体質というんでしょうか。奇をてらう新機能よりも、本当に必要とされる機能や強度を愚直に追い求める。冷蔵庫は故障してはいけない「家庭のインフラ」だと思うんです。それが、三菱電機のモノづくりの姿勢なんです。

03 目指すのは「家族にほめてもらえる冷蔵庫」
「みんなが冷蔵庫を使って、どう嬉しいか、どう感じるか」を考え続けることは、とても大切なことなんです。
身近なところで言えば、私の場合、どうやったら家族にほめられるか?一度、新しい三菱冷蔵庫を我が家に導入したところ「お魚のパックが、チルド室に入らないじゃない!」と怒られました。一方で、「今回のデザインは、いいんじゃない?」とほめられたり(笑)
もちろん我が家に限ったことではありません。例えば、お父さんが休日に料理をして調味料をいつもと違う場所に戻しちゃった。お母さんは、「もう!わさび、どこにいれたの!」なんて、ストレスが溜まりますよね。でも、ちょっと違うところに調味料をしまっても、簡単に見つけられるように全体を見渡せるような冷蔵庫だったら、ストレスも軽減できると思うんです。
お父さん、お母さんがストレスなく家事をすることができれば、子供も嬉しいし、家族ももっとしあわせになれるかもしれない。
でも、いただいたお客様アンケートの中には「冷蔵庫の奥に宝物プリンを隠したかったのに、そんなにスッキリされては困る」というものもあったりして、一筋縄ではいきません(笑)

04 家事全体を見つめると、冷蔵庫の新しい価値が見えてくる。
冷蔵庫は、食品を冷やして保存するというのが従来の価値ですよね。でも私たちは、スーパーで買ってきた食材を冷蔵庫にしまうところからお皿洗いまで、食事に関わる家事全体を見つめています。

例えば、「切れちゃう瞬冷凍」は、冷凍した食材を解凍なしで、すぐに使えるようにする機能です。当然、「調理の時短」につながるわけです。でも、それだけじゃない。料理をする人ならわかると思いますが「電子レンジで解凍するときのお皿一枚、洗いモノが少なくなる」わけです。つまり「料理をする人・お皿を洗う人への小さな思いやり」から「切れちゃう瞬冷凍」は誕生したんです。

05 冷凍技術で、食品ロス解決。
冷蔵庫の奥から、カピカピになった野菜が出てきた…。そんな経験みなさんもよくあると思います。野菜はたくさん摂りたい。でも、使い切れなくてしかたなく捨ててしまう。そういう声が多かったんですね。そこで開発したのが「できちゃうV冷凍」です。
例えば、使い切れずに余ったキャベツは、ざく切りにして保存袋に入れて冷凍保存。料理に使いたいタイミングで、できちゃうV冷凍の設定をすれば、冷凍したまま、手で好きなサイズに砕いて、サッと料理に使うことができるんです。包丁やまな板を使う手間が省け、家事がもっとラクになります。


しかし冷凍した野菜を砕くというのは、まだ馴染みがない調理法だと思うんです。このちょっと新しい料理のあり方を、どうしたらみなさんに受け入れてもらえるか悩みましたね。
技術を開発しただけで、満足してはいけないんです。できちゃうV冷凍の活用をサポートする機能を冷蔵庫アプリに搭載したり、どんな冷凍野菜がどんな料理にピッタリか新しいレシピを料理研究家の方と協同開発したり、便利さを伝える努力をしました。
おかげさまで、料理がラクに楽しくなったという声や、できちゃうV冷凍で保存した野菜は味が染み込みやすく煮物やシチューに嬉しいなんて声もいただくことができました。
野菜のやりくりが簡単になれば、家庭からの野菜の廃棄だって減らすことができると思います。いつかは食品ロスという大きな環境問題の解決にもつなげられるかもしれません。
06 家族のしあわせを通して、社会ももっとしあわせにできたら

また高齢社会に対しては、三菱電機のMeAMOR(ミアモール)というサービスで寄りそっていきます。これは冷蔵庫のサービス例でいうと、離れて暮らすご家族の冷蔵庫の開閉を知ることができるというもの。普段、特に意識せずおこなう「冷蔵庫の開閉」に着目し、離れて暮らす高齢の方の日々の健やかな生活を、プライバシーをまもりながら自然に感じとることができるんです。

07 「宇宙で暮らすことになっても、きっと冷蔵庫を使うだろう」
未来の冷蔵庫ですか?(笑)そうですねえ、将来、人類が宇宙で暮らすことができるようになっても、きっと冷蔵庫を使うだろうな、そんな想像をしたりします。食事が進化して、すべての栄養が錠剤でとれるようになったとしても、きっと料理をつくるたのしみとか、みんなで食卓を囲むしあわせっていうのは残っていくのではないでしょうか。
そう考えると、やっぱり冷蔵庫はただ食材を保存する家電ではないと思うんです。たのしく料理したり、おいしく食べたり、しあわせな食生活をつくっていく家電なんです。
これからもお客様の喜ぶ姿を想像しながら、理想の冷蔵庫を追い求めていきたいと思います。

大和 康成
三菱電機株式会社
静岡製作所
冷蔵庫製造部 先行開発G
2004年三菱電機入社。静岡製作所 冷蔵庫製造部にて、冷蔵庫の電気・電子設計に携わる。冷蔵庫の省エネ・メリット機能・品質改善など様々な要求の実現を、ソフトウェアや基板設計で支えてきた。近年では、冷蔵庫のIoT対応も担当し、冷蔵庫の本体だけでなく、スマホアプリやWeb動画などのサービスの開発にも携わる。現在は、先行開発グループとして、これからの冷蔵庫のあるべき姿を探求中。
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