新薬創出による持続的な価値創造に向けてデジタル技術の活用を進める中外製薬株式会社は、サイバーセキュリティー対策を強化するためゼロトラストネットワークを構築しました。三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)の支援を受けながらSDP※(Software Defined Perimeter)化、セキュアウェブゲートウェイ、システムに対する認証認可の仕組み等を段階的に導入し、マルチクラウド環境におけるセキュリティー・ガバナンスの強化と効率的な運用を実現しています。
SDP(Software Defined Perimeter):ネットワーク全体へのアクセスをユーザーに許可するのではなく、業務上必要な情報資産だけに接続させる新しい接続方式
がん領域の医薬品やバイオ医薬品で国内トップクラスのシェアを誇る中外製薬。現在、2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」のもと、「世界最高水準の創薬の実現」と「先進的事業モデルの構築」を柱にヘルスケア産業のトップイノベーターを目指しています。「TOP I 2030」の実現に向けたキードライバーの一つであるDX戦略「CHUGAIDIGITAL VISION 2030」では、デジタル基盤の強化、すべてのバリューチェーンの効率化、デジタルを活用した革新的な新薬創出を基本戦略としています。
2023年1月から2024年3月までの第2フェーズでは、オンプレミスのインターネットゲートウェイをZscaler Internet Accessに移行。社内20システムを対象に、認証・認可に基づいたアプリ制御を開始しました。さらに、社外のみならず社内ネットワークにもZscaler PrivateAccessを導入。会社標準のPCに加えスマートフォンのゼロトラスト接続を実現し、海外2か国目として台湾へのゼロトラストネットワークを拡大しました。
2024年5月からは第3フェーズを開始し、2024年12月の終了を目処に認証・認可に基づいたアプリ制御を200システムまで拡大し、さらにマルチクラウド環境のCCIについてもセキュアゲートウェイの導入を拡大する予定です。国内の工場や研究所で利用している会社標準以外の業務用PCに対しても対象デバイスを拡大し、国内と欧米で利用するすべてのデバイスをZscaler Internet Accessで管理してガバナンスの統一を図ります。