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発電所・変電所等の社会インフラから産業用設備や住宅用設備まで、幅広い領域で電気設備の設計・施工、保守・点検などを手掛ける株式会社弘電社。従業員用PCを毎年約200台入れ替える同社では、PCの初期設定からアプリケーションのインストールなどの作業を株式会社メルコテクノ横浜(以下、MTY)に委託しています。これにより繁忙期における情報システム部の作業負荷は3分の1に軽減され、社内ユーザーへのサービス向上など、本来対応するべき業務に多くの時間を充てることが可能になりました。

情報システム部 部長 鈴木 晃之氏(左)、
情報システム部 システム課 主事 東郷 隼斗氏(中)、
情報システム部 システム課 主事 齋藤 優樹氏(右)

年間200台のPC入れ替え作業で情報システム部員の負担が増加

1910年の創業以来100年を超える歴史を持つ弘電社は、内線事業、社会インフラ事業、送電事業、販売事業を展開しています。2024年にコーポレートメッセージを「Create the bright future」に刷新し、100年以上にわたって培った信用と技術力により、お客様に新たな価値を提供する方針を打ち出しています。

2027年度を目標とする中期経営計画では「カーボンニュートラル」「安心・安全・快適な社会作り」の2つを重点課題に掲げ、高付加価値ソリューションの提案・提供に取り組んでいます。

従業員数625名(2024年4月時点)、全国に支店を置く同社では、毎年約200台のPCの入れ替え作業が発生します。作業は情報システム部の部員4名が担当し、PCを利用する従業員それぞれの用途にあわせて設定やアプリケーションのインストールなどのキッティングを行ったうえで配付しています。

作業は、毎年1月~3月の3ヵ月間に集中するため、繁忙期になると部員への負担が増加します。その結果、情報システム部が本来担当するべきシステムの開発・運用、ネットワークシステムの環境構築・運用、情報セキュリティ対策などに割く時間が削られてしまうことから、同社はアウトソーシングによる工数削減を検討しました。アウトソーシング導入の背景について、情報システム部 部長の鈴木晃之氏は次のように語ります。

「キッティングの環境整備を進めてきたものの、繁忙期の3ヵ月間はやはりキッティング作業に多くの人的リソースは必要です。そこで、本来業務に集中するために、キッティング作業のアウトソーシングを決断しました」

三菱電機グループの信頼と実績、
セキュリティを担保した専用線敷設を評価

複数のアウトソーシング先候補を比較検討した結果、2018年末にMTYを選定し、2019年1月~3月にかけて更新する約200台のPCのキッティング作業を委託しました。MTYを選定した理由は、セキュリティを担保した形で専用回線の運用ができることに加え、三菱電機グループ企業としての信頼と実績にありました。

「PCの入れ替えに伴う各ユーザーの個別設定の手間を省くため、当初から弘電社のドメイン環境とアウトソーシング先を専用回線で接続し、個別設定自体も委託することを想定していました。しかし、専用回線で外部と接続することは、情報セキュリティ上の懸念があります。その点、三菱電機グループの厳しいセキュリティポリシーが適用されているMTYであれば、安心して任せられると判断しました。当社自身が三菱電機グループの一員でもあるため、同じグループ内のキッティング実績があることも決め手の一つとなりました」(鈴木氏)

マスターPCの作成・検証からクローニング、個別設定、予備品管理、PC廃棄まで、PCのライフサイクル全般を支援するMTYのキッティングサービスにおいて、同社がMTYに委託している作業の領域は以下の通りです。

更新するPC約200台分の調達とMTYへの配送手配、マスターPCの作成・検証までは同社が行います。MTY側ではPCへのクローニングと個別設定を行い、指定された拠点への配送を手配します。弘電社のケースでは、MTYが担当する業務のリードタイムは約2週間です。キッティングを行ったPCが同社の各拠点に到着した後、旧PCから新PCへのデータ移行や、CADなどの特殊なアプリケーションのインストールはユーザー側で行います。PCの利用開始後の予備品の管理や故障対応なども同社の情報システム部の担当です。

「基本的には当社が作成したマスターPCと個別設定用の指示書をMTYに送ってから作業が始まる流れです。まずはマスターPCからPC1台へのクローニングと個別設定を行い、検証用PCを作成していただきます。こちらで問題がないことを確認した段階で全てのPCへクローニングを行い、ユーザーごとの個別設定を実施していただきます。設定が完了したPCは、当社が指定したスケジュールにあわせて配送事業者の手配をお願いしています」(鈴木氏)

弘電社サーバーとメルコテクノ横浜キッティングラインの接続ネットワーク図

作業負荷が3分の1に軽減され本来業務への対応時間が増加

同社は2018年度以降も継続的にキッティング作業をMTYに委託しています。キッティング作業の終了後には毎回2社間で作業手順に対する考えを共有し、作業を効率化するための振り返りミーティングを行っています。

「当初は個別設定を細かく分けて、機器販売部門のPCから工事系アプリケーションを省いたり、工事部門のPCから販売系アプリケーションを省いたりしていましたが、毎年実施する中で、できるだけ共通化することで設定を簡略化し、双方の負担軽減を図っています」(鈴木氏)

振り返りミーティングでの情報交換で、相互の対応可能範囲への理解が深まり、同社がMTY側に切り出せる作業項目も増え、品質改善も進んでいます。振り返りミーティングの効果について、情報システム部 システム課 主事の齋藤優樹氏は次のように語ります。

「ミーティングの中で出てきた課題に対して、個別設定用のファイルの保管ディレクトリを変えてもらったり、ユーザーからの要望に対応いただいたり、リース用ラベルの貼り付け位置を変えていただいたりと、細かいことにも対応いただいています。当初は自社で対応していたPCに貼る持ち出し許可シールや緊急連絡先シールの作成も途中からMTYに委託することができ、私たちの負担軽減につながっています」

MTYのキッティングサービスを導入して以降、繁忙期における情報システム部の作業負荷は導入前の3分の1に軽減されました。その結果、情報システム部が本来対応するべき情報システムの計画策定や導入・展開・運営・保守などに対応する時間が増加しています。キッティングサービスの導入効果について、情報システム部システム課 主事の東郷隼斗氏は次のように語ります。

「負担軽減により、私がメインで担当している工事会計システムの改修にも集中することができました。情報システム部では、1人が複数の領域を担当しているため、IT機器の調達など、その他の業務にも時間を充てることが可能になりました」

マスターPC作成業務とサポート業務のアウトソーシングを検討

現在弘電社では、同社内で実施しているマスターPCの作成業務をMTYにアウトソーシングすることを検討しています。さらに将来的にはPCの故障対応やエンドユーザー向けサポートについてもアウトソーシングを検討しており、MTYからの支援に期待を寄せています。

「全てのサポート業務をアウトソーシングすることは難しいものの、スピーカーなどのデバイス設定といった標準的な問い合わせ対応や、簡単なQA対応などは、MTYにお任せしていきたいと思っています。引き続き、他の三菱電機グループ企業向けのアウトソーシングで培った知見・ノウハウを活かした提案を期待しています」(鈴木氏)

弘電社は、電気を「つくる」から「つなぐ」「つかう」までをトータルサポートするエンジニアリングカンパニーとして、安心・安全で快適な未来を創っていきます。

  • キッティングサービス

    PC端末の導入にあたり、OS、ドライバー、ツールを組み込んだマスターPCの作成、マスターイメージ作成、クローニング及び予備品管理・故障対応サービスを、短期小ロットから長期大規模展開までお客様のご要望に合わせてご提供します。

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株式会社 弘電社

所在地 東京都中央区銀座五丁目11番10号

創業 1910年

https://www.kk-kodensha.co.jp/