GXとは?

はじめに、GXの概念や基本方針、混同されやすい「カーボンニュートラル」「脱炭素」との違いについてみていきましょう。
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● GXの概念
GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、化石燃料中心の現在の経済・産業構造を、太陽光や風力などのクリーンエネルギー中心の構造へと転換すること、またその取り組みを指します。
これまで環境保護と経済活動は、一方を優先すると他方が犠牲になるトレードオフの関係と捉えられてきました。しかし、GXでは環境対策を単なるコストとしてではなく、新たな成長の機会として捉え、環境保護と経済成長の両立を目指しています。
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● GXの基本方針
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」や、脱炭素社会の実現を目標としています。これを達成するため、2023年2月には今後10年を見据えたロードマップとして「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。
「GX実現に向けた基本方針」では、主に以下2点の取り組みを進めるとされています。
- エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取り組み
- 徹底した省エネの推進
- 再生可能エネルギーの主力電源化(2030年度の電源構成で36~38%を目標)
- 原子力の活用(2030年度の電源構成で20~22%を目標)
- 水素・アンモニアの導入促進(2030年度の電源構成で1%を目標)
- 「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行
- GX経済移行債を活用した先行投資支援
- カーボンプライシング※によるGX投資インセンティブ付与
- 新たな金融手法の活用
- 国際戦略・公正な移行・中小企業等のGX支援 など
- エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取り組み
- 徹底した省エネの推進
- 再生可能エネルギーの主力電源化(2030年度の電源構成で36~38%を目標)
- 原子力の活用(2030年度の電源構成で20~22%を目標)
- 水素・アンモニアの導入促進(2030年度の電源構成で1%を目標)
- 「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行
- GX経済移行債を活用した先行投資支援
- カーボンプライシング※によるGX投資インセンティブ付与
- 新たな金融手法の活用
- 国際戦略・公正な移行・中小企業等のGX支援 など
- ※カーボンプライシング:企業などが排出するCO2 (二酸化炭素)に価格を設定し、排出量に応じた金銭的な負担を課す仕組みのこと
- 参考:「「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました」2025年3月 経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210002/20230210002.html)
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● カーボンニュートラルとの違い
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」や、脱炭素社会の実現を目標としていると述べましたが、GXとカーボンニュートラルは異なる概念です。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスを吸収・除去して「排出量を差し引きゼロ」にした状態のこと。温室効果ガスの排出量をゼロにすることは難しいため、排出した分を森林による吸収などで除去することで、実質的なゼロを目指します。
つまりGXが温室効果ガスの排出削減と経済成長の両立を目指す社会全体の変革を指すのに対し、カーボンニュートラルは、GXにより到達を目指す「状態」と表現できます。
ちなみにカーボンニュートラルと似たような意味を持つ言葉として「脱炭素」が挙げられます。一般的にカーボンニュートラルとほぼ同じ意味で使用されることが多いものの、明確な定義があるわけではありません。