クラウドセントリック株式会社は、クラウド技術にフォーカスした新しい会社です。三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)と株式会社スカイアーチネットワークスの共同出資により、2023 年4月に設立されました。大規模プロジェクトのマネジメントに多くの実績があるMDISとクラウド技術や人材獲得・育成に強いスカイアーチネットワークスという2社の長所を融合することにより、最先端のクラウド技術を活用して、新たな顧客価値を創出します。
目次
プロフェッショナル人材によるクラウドインテグレーション企業
クラウドセントリック社は、ハイレベルのクラウド技術者集団としてお客様のクラウド関連事業やプロジェクトへの対応力強化を担うために設立されました。
取締役社長CEOの浅井浩司氏は、事業内容について次のように語ります。
「クラウドセントリック社はクラウドを駆使した新たなサービスやビジネスの創出において、アーキテクチャの設計やシステム構築を担当します。
私どもが目指す“トップレベルの技術者集団”とは、オールラウンドに活躍できるフルスタックのクラウド技術者の集まりです。クラウドシステムの提案、設計、構築において高い技術力を持つことはもちろん、それぞれの役割において責任を持って推進できることが重要です」
クラウドセントリック社の設立の背景には、企業のDXへの取り組み強化に伴うITシステムの急速なクラウドシフトがあります。取締役COOの小林敦氏はクラウドにフォーカスした新会社設立の意義を次のように語ります。
「MDISは常にお客様の視点で考え、ビジネスに貢献することに注力してきました。一方で、クラウドを活用したビジネスのスピードに追従するためには、最新の技術に立脚した提案型でお客様に貢献するスタイルが求められます。クラウドセントリック社のように最先端のクラウド技術に軸足を置いた会社が存在することで、より高いレベルでお客様に貢献できると考えています」
技術提供の形としては「お客様との関係性は、発注者と受注者という関係ではなく、ビジネスを一緒に進めていくパートナーを目指していきたい」と浅井氏は話します。
取締役CSOの高橋玄太氏はクラウドビジネスでは技術者と営業担当が緊密に連携することが重要だと語ります。
「クラウドにおけるシステム開発はリードタイムが短く、スモールスタートすることが多いため、技術者が商談の上流から参加して、素早く具体的な提案をすることが受注率の向上につながります。そこで、MDISの営業力とクラウドセントリック社の技術力が連携することで良い結果につながると考えています」
2社の強みを受け継ぎつつ新会社ならではの独自性を追求
クラウドセントリック社では、MDISとスカイアーチネットワークスがこれまで培ってきた実績や知見を継承していきます。
MDISは大手金融機関や製造業、流通サービス業に向けた大規模なシステムインテグレーションを得意とする会社です。大規模かつ高度なプロジェクトをマネジメントするための豊富なノウハウと人材を有しています。
スカイアーチネットワークスは、日本でいち早くアマゾンウェブサービス(AWS)ビジネスに参画したクラウドインテグレーターです。高い技術力を裏付ける数多くのAWS認定を取得しています。近年は、国内初のAWSに特化した人材採用会社である株式会社スカイアーチHRソリューションズを立ち上げ、Amazonトレーニングパートナーの認証を取得するなど、高度なクラウド人材の採用や育成でも多くの実績を積んでいます。
MDISとスカイアーチネットワークスは2021年からクラウド分野で提携関係にあり、クラウドセントリック社はそれをさらに発展させる形で設立されました。
浅井氏はこうした両社の強みを引き継ぐとともに、新会社ならではの独自性を積極的に打ち出していきたいと語ります。
「MDISとスカイアーチネットワークスから引き継ぐ部分もありますが、同時にあまり多くのものを引き継ぎ過ぎないようにします。新しい会社を白紙の状態から立ち上げることから、両社とは異なる企業文化を新たに作ることが、お客様に新たな価値をもたらすと考えています」
エンジニアファーストな人事制度や企業文化を構築
現在、クラウドセントリック社が注力しているのがクラウド技術者の採用と育成です。設立から5年間で120名の採用を計画しています。採用と育成に関しては、スカイアーチHRソリューションズや同社が培ってきたトレーニングノウハウが活用されます。
浅井氏はクラウド技術の専門集団を作るために、技術者が働きやすい「エンジニアファースト」な環境を作っていくといいます。
「技術者が力を発揮し成長するためには、彼らが高みを目指しやすい組織風土や評価制度が必要です。社内にスキルアップの仕組みを作ることはもちろん、スキルアップした人が能力に見合った案件にアサインされ、実践を通じてさらなる成長を目指せるような組織にしたい。
評価制度についても、自身の技術レベルを高めれば評価も付随して上がっていくようなフェアな仕組みを考えています」
高橋氏は、専門的な人材の採用においては仕事内容に関する詳しい説明が重要だと語ります。
「専門に特化した会社では、採用時から具体的な仕事内容をはっきり伝えることが働く人の納得感を高めることにつながります。例えば、クラウドの技術者をやりたいという応募者に対して、このような部署でこのような仕事をして、将来このような人材になりますよ、というキャリアパスを示すことがとても大切です。こうして集まった集団には自然と自ら学び続ける雰囲気が形成されていきます」
また、小林氏は技術者が技術者のままキャリアアップできる環境が必要だといいます。
「目指すところは、例えば大学でコンピューターサイエンスを学んだ人が、現場のトップエンジニアとしていつまでも最先端の技術を追い続けられるような会社です。若い技術者がすぐにプロジェクト管理に追われるのではなく、技術者として活躍できる場を提供していきたいと考えています」
求める人材の要素として、浅井氏は新しい技術に積極的に取り組む意欲を挙げます。
「クラウドは進化が非常に速い分野です。次々と更新される新しい技術に意欲的に取り組む姿勢を持った方は大歓迎ですので、ぜひクラウドセントリック社の門を叩いていただければと思います」
クラウド、DX 人材不足という課題に一石を投じる存在に
クラウドセントリック社の今後の展開について、浅井氏は次のように抱負を語ります。
「この会社はまだ始まったばかりですが、急速に事業領域を確立・拡大し、三菱電機グループのクラウド専業会社として、お客様のビジネスに伴走していきます。また、外部への情報発信を積極的に行うことで市場でのプレゼンスを高めるとともに、実際のプロジェクトでしっかりと実績を積み上げ、個人と組織の相互発展につなげていきたいと思っています。クラウドやDXといった分野の専門人材の不足は、長らく日本のIT 業界の大きな課題のひとつと言われてきました。そこに一石を投じるようなインパクトのある会社を目指して、皆様の力をお借りしながら成果を出していきたいと思います」