生物多様性保全活動
生物多様性行動指針
三菱電機グループは、「生物多様性行動指針」を定め、事業活動と生物多様性への配慮の関連を示し、事業活動を通じて持続可能な社会の発展を目指します。
事業所の生物多様性保全施策
三菱電機グループは、事業所における「行動」の指針として、「生きものへの負の影響を低減する」「生きものとのより豊かな共生を目指す」「働く中で社員が自然との関係を取り戻す」の3つの活動の方向性を定めています。事業所毎に、地域固有種の保全や外来種の管理、周辺の生態系を考慮した緑地の整備などを行動計画に掲げ、着実に取組みを進めています。
3つの活動の方向性
活動の方向性 | 実行例 | |
---|---|---|
A 生きものへの 負の影響を低減する |
1. 「開発圧*1」「外来種圧*2」の抑制*3 | (1)生きものに対する影響把握 |
(2)外来種管理 | ||
2. 「希少種」「固有種」への注意喚起と保全 | (1)構内生物リストの公開 | |
(2)希少種、固有種の保全 | ||
(3)周辺の保全課題への協力 | ||
3. 農薬影響の管理や、緑地・天然資源の保全 | (1)生きもの殺傷の抑制 | |
(2)水や土壌等の天然資源への配慮 | ||
B 生きものとの より豊かな共生を目指す |
4. 機能緑地の設定 | (1)緑地管理の体制 |
(2)飛翔性生物の利用地の整備 | ||
(3)「みどり+生きもの」優先地の整備 | ||
(4)事業所周辺への「みどりの連続性」の提供 | ||
(5)事務所周辺の生物多様性保全活動への貢献 | ||
5. 緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの脱却 | (1)植生の多様化・多層化 | |
(2)植物などの特性に合致した緑地管理 | ||
(3)地域への貢献・配慮 | ||
C 働く中で社員が 自然との関係を取り戻す |
6. 生態系サービスの職場での積極的享受(休憩所、フロア) | (1)文化的サービスの享受・場づくり |
(2)供給サービスの享受・場づくり | ||
7. 「無関心」「無関係」状態から、「全員が関係ある」状態へ | (1)理解と行動促進の教育 | |
(2)職場・業務での関係創出 |
- 1 事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などの開発(サプライチェーンでの開発を含む)が生物多様性の保全に影響を及ぼすこと。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を及ぼす場合などもこれに含まれる。
- 2 その地域にもともと存在しない生きものが、建物の脇の緑地、生垣などを整備する際に地域の外から樹木や草木を導入することによりその地域に移動し、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となること。
- 3 外来生物法の「特定外来生物の飼育、栽培、保管又は運搬」に関する規定に則り活動を実施。
生物多様性ガイドライン(チェックシート)に基づく定量評価
三菱電機では、事業所の生物多様性への取組み状況を定量評価する「生物多様性ガイドライン(チェックシート)」を2020年3月に策定しました。これは全事業所必須項目の5項目と上記「活動の方向性」に基づく7つの分野(中項目)で分けた186の推進項目により活動実施レベルを定量評価するものです。各事業所の担当者がこのチェックシートを活用して生物多様性への取組み状況を自己診断し、強みや課題を把握して取組みの着実な向上を図っています。
全事業所必須5項目
- 生物多様性に関する取組みを進めるための担当者・担当する部署及び業務を設定している
- 生物多様性の活動を行っていくための中期計画がある
- 生物調査を実施している
- 生物多様性に関する環境教育を毎年実施している
- 中期計画に対するフィードバックをしている
「活動の方向性」に基づく7つの分野
- 「開発圧」「外来種圧」の抑制
- 「希少種」「固有種」への注意喚起と保全
- 農薬影響の管理や、緑地・天然資源の保全
- 機能緑地の設定
- 緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの脱却
- 生態系サービスの職場での積極的享受(休憩所、フロア)
- 「無関心」「無関係」状態から、「全員が関係ある」状態へ
2023 年度の評価結果

基準年度(2019年度)に対する評点の比率を「向上率*」と定義し、2023年度における各分野の活動実施レベルを評価しました。その結果、分野ごとの全社平均は下図のレーダーチャートに示す結果となり、全分野の向上率の平均値
は2022年度の1.35から1.42へ上昇しました。
活動の方向性に基づく7つの分野の向上率に目を向けると、2022年度に引き続き全ての分野で向上率が増加しています。特に、「7.『無関心』『無関係』状態から、『全員が関係ある』状態へ」については、過去最高となる2022年度から0.11ポイントの増加が確認できました。この結果は、各事業所が生物多様性保全活動の認知度向上のための教育や情報発信に努め、従業員の間で活動の重要度がさらに深く理解されるようになったことを示しており、継続的な取組みが徐々に成果を上げ、意識の変化を生み出している証と考えています。
引き続き、ガイドラインを活用し、生物多様性保全活動の活性化と継続的なレベルアップを図っていきます。
- 「向上率」=「評価対象年度の評点」÷「基準年度(2019年度)の評点」 で算出
