コンプライアンス

コンプライアンスに対する考え方

トップメッセージ

三菱電機グループでは、「倫理・遵法」を企業経営の基本を成すものと位置付け、グループの役員・従業員一人ひとりにトップメッセージを発信・共有し、顧客・株主・社会とのより高い信頼関係の確立に一層努めています。

コンプライアンス・モットー“Always Act with Integrity”

三菱電機グループでは、2021年6月1日に、グループの役員・従業員一人ひとりが持つべき心構えとして、コンプライアンス・モットー“Always Act with Integrity”(いかなるときも「誠実さ」を貫く)を制定しました。Integrity(誠実さ)とは、「公正であること」、「正直であること」、「真摯であること」、「自身の言動に責任を持つこと」、「相手を尊重すること」といった、「正しいこと」を貫く強い意志や姿勢を意味します。

Always Act with Integrity

また、コンプライアンス・モットーの制定に併せて、自身の行動・判断が正しい選択かどうか迷った場合に、立ち止まり、自身の行動・判断の是非を考えるためのヒントとして、6つの問いかけ「Integrityのセルフチェック」を定め、三菱電機グループの全役員・従業員への周知徹底を図っています。

Integrityのセルフチェック

1 あなたの行動・判断は、法令、社内規則、契約、行動規範に反していませんか?
2 あなたの行動・判断を家族や友人に自信を持って話すことができますか?
3 あなたの行動・判断が報道されたり、ソーシャルメディアに採り上げられたりした場合、それに胸を張れますか?
4 利益や効率性をコンプライアンスより優先させていませんか?
5 「少しだけなら問題ない」、「見つからないはずだ」、「会社のためだ」、「昔からやっている」、「先輩もやっていた」、「上長から指示された」などと言い訳して、自分の良心をごまかしていませんか?
6 上長からの指示に従う前に、それが行動規範に反しないか確認していますか?

三菱電機グループ 行動規範

「三菱電機グループ 行動規範」とは、三菱電機グループの役員・従業員一人ひとりが事業や担当業務を遂行するに当たって遵守・尊重すべき法令や社会規範を整理し、まとめた統一的な行動規範であり、日常行動における指針となるものです。1990年に制定し、その後の法令の改正や社会の規範意識の変化などを反映しながら改訂を重ねており、直近では2024年4月に最新版を改訂発行しています。

日本語のほか、英語、中国語、タイ語など全23言語版をそろえ、国や地域を問わず共有できる内容としており、全世界の三菱電機グループの役員・従業員一人ひとりが実践すべき規範となっています。

三菱電機グループのコンプライアンス推進体制

三菱電機グループでは、「コンプライアンス推進は、事業推進と一体不可分」との認識の下、三菱電機執行役社長をコンプライアンス推進の最高責任者とし、三菱電機の各部門及び国内外の関係会社各社が主体的にコンプライアンスを推進する体制としています。また、急速に拡大する新たなリスクへ確実に対処していくためには、リスクベースアプローチによるリスクの重点化とともに、経営陣主導の意思決定に基づく機動的なリスク制御が重要であることから、2024年4月1日付にて企業行動規範委員会を改組し、重点リスクとその対処方針等を審議・決定する「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を設置しました。

三菱電機グループ コンプライアンス推進体制 三菱電機グループ コンプライアンス推進体制

コンプライアンスの周知徹底/教育

コンプライアンスの周知徹底

三菱電機グループのコンプライアンスに対する考え方は、社長をはじめとする経営幹部が、繰り返し様々な場面で役員・従業員に直接メッセージを発し、浸透させています。

また、コンプライアンス・モットー“Always Act with Integrity”(いかなるときも「誠実さ」を貫く)の内容を記載したポスターの各職場への掲示、携行カードの従業員への配布などによっても周知しています。

「三菱電機グループ 行動規範」は、海外も含めた三菱電機グループの全ての役員・従業員に展開しています。併せて、この行動規範の内容をQ&Aやケース紹介などを交えて解説した「三菱電機グループ 行動規範ハンドブック」も展開し、研修や職場ごとの読み合わせ会などを通じて、理解・浸透を図っています。

ポスター ポスター
携行カード 携行カード
三菱電機グループ 行動規範 三菱電機グループ 行動規範

多様な手法を駆使したコンプライアンス教育

三菱電機グループでは、事業遂行に必要な各種法律や、三菱電機グループのコンプライアンスに対する考え方について、講習会、eラーニング、マニュアル配布など様々なツールによって浸透を図っています。その内容は、事業別、階層別、職種別、地域別(海外)など対象に応じて最適なものを作成しています。

三菱電機グループには、各社・各部門が独自に実施している教育のほか、全社横断的に行う教育もあります。主要な法令や三菱電機グループのコンプライアンスに対する考え方をまとめた教育は、eラーニング、集合教育、通信教育などの方法で事業を行う世界各国の役員・従業員が受講しています。2023年度の三菱電機におけるコンプライアンスeラーニングの受講率は100%です。

コンプライアンスリスクへの基本的な取組み

公正な競争(独占禁止法違反防止)

三菱電機グループは、過去に国内外において独占禁止法違反に対する高額な罰金や制裁金を科されるなど厳しい処分を受けた反省を踏まえ、独占禁止法を最重要法令の一つと掲げ、グループを挙げて再発防止・風化防止に継続的に取り組んでいます。三菱電機グループ全体を対象とした社内規則の整備と運用、独占禁止法に特化した内部監査などの取組みを強化したほか、eラーニングと対面式を組み合わせた従業員教育も重点的に行っています。

国内では、三菱電機及び国内関係会社の役員・従業員を対象とするeラーニングの実施に加えて、2013年度から各事業の特色を反映した実践的な研修を毎年継続的に実施しています。さらに、海外においても、eラーニングと対面式を組み合わせた教育を通じて、地域の特性に応じた独占禁止法の教育を展開しています。

今後も日常の事業活動や社内規則の運用状況に対する定期的なモニタリング、取引実態にあわせた実務的な教育など、再発防止・風化防止のための更なる取組みを図っていきます。

汚職防止(贈収賄防止)

三菱電機グループは、2017年4月1日に「三菱電機グループ贈賄防止ポリシー」を制定し、以後、グループを挙げて贈賄防止に取り組んでいます。

また、国内外の公務員などへの対応について社内規則の整備と運用、内部監査や自己点検などのモニタリングを実施し、贈賄防止の対策を講じています。代理店、コンサルタント、エージェント、販売業者などのパートナーと新たに取引を行う際は贈賄リスクをチェックするための事前審査を行い、かつ、締結する契約書には厳格な贈賄禁止条項を規定する等、パートナーによる贈賄を防止する取組みも実施しています。

さらに、公務員などと接触する機会のある三菱電機及び国内関係会社の役員・従業員を対象としたeラーニングと対面式を組み合わせた教育を実施しています。海外においても、eラーニングと対面式を組み合わせた教育を通じて、地域の特性に応じた贈賄防止教育を展開しています。

今後も、グローバルレベルでの事業拡大に対応すべく、各地域の取組みを一層充実させるとともに、汚職に巻き込まれるリスクが特に高い国や取引を抽出し、効果的かつ効率的に対策を講じていきます。

なお、贈賄に関連した罰金・罰則等が科された事例はございません。

政治活動への支援対応

三菱電機グループでは、政治活動への支援を行う場合は各国の法令などを遵守するとともに、企業理念に照らし、社会的立場を十分考慮しています。

例えば三菱電機において国内の政治寄付を行う際は、政治資金規正法に則り人事総務部が全件内容を審査するなど、社内手続きを厳守することとしています。また、公職選挙においては、公職選挙法に抵触しないことはもとより、健全な社会常識から逸脱することのない対応を心がけています。

輸出管理

三菱電機グループは、国際的な平和及び安全の維持を目的として「安全保障輸出管理規則」を定めています。これに基づき、すべての取引について、輸出規制品目の有無や、仕向国、顧客、用途、取引条件に安全保障上の懸念がないかを審査し、法令に従った厳格な管理を行っています。国内・海外の関係会社に対しても、三菱電機グループの方針に則った管理を行うように標準規則(日本語・英語・中国語・タイ語)を提供し、各社の規則制定、体制整備、教育、社内監査などの指導を行っています。

2023年度は、国内ではeラーニング教育や実務者向けオンライン教育を実施しています。海外関係会社にも欧米、アジアの主要言語のeラーニング教材を提供し、各社で教育を実施しています。

反社会的勢力との関係遮断

三菱電機グループでは、「三菱電機グループ 行動規範」に次の内容を明記し、取り組んでいます。

  1. 私たちは、反社会的勢力(犯罪組織、テロリスト、麻薬密売人を含む)とは一切関係を持たず、取引を行いません。反社会的勢力から要求を受けた場合、私たちはこれを毅然と拒絶します。
  2. 私たちは、マネーロンダリング、汚職、反社会的勢力に関する法規制を遵守します。

また、日本では三菱電機グループ全体で反社会的勢力から不当要求があった場合に対応するため、暴力団排除条項の契約書への導入を推進し、暴力団対策法に定められている不当要求防止責任者の選任を各事業所及び各関係会社単位で進めるとともに、取引先が反社会的勢力であると判明した場合には、警察や外部専門機関*、弁護士と連携して速やかに関係を遮断するよう努めています。

  • 警視庁管内特殊暴力防止対策連合会、全国の暴力追放運動推進センターなど

コンプライアンス監査/内部通報制度

コンプライアンス監査

三菱電機グループにおいて、各社・各部門は、各法令・倫理分野に応じた複数のチェックシートなどをもとに自社・自部門のコンプライアンスの自己点検を年に複数回、様々な形で行い、コンプライアンス遵守状況の確認及び是正をしています。

また、三菱電機グループの業務の適正な遂行のために必要な社内規則・体制などを定め、その運用状況について三菱電機の監査部が主体となり、コンプライアンスの内部監査(倫理・遵法、財務管理、人事管理、技術管理、品質管理などの監査項目)を行っています。監査の結果、是正が必要と思われる会社・部門には改善指示を行うとともに、監査担当執行役を通じ、監査結果を定期的に監査委員会及び社長へ報告しています。

内部通報制度

三菱電機は、不正・違法・反倫理行為を速やかに把握して、自浄作用を働かせることを目的に「倫理遵法ホットライン」(内部通報制度)を設けています。その通報窓口は、社内に加えて社外にも窓口(弁護士事務所)を設置しています。倫理遵法ホットラインでは、匿名通報にも対応し、また、通報者に対する不利益取扱いの排除及び氏名の守秘などは、社内規則において明確に規定しています。なお、三菱電機が関係する取引などについては、取引先及び関係会社からの通報も受け付けています。

個々の通報に対しては、内容に応じて調査実施のためのチームを編成し、事実関係の確認を行います。その結果、法律や社内規則の定めに沿っていないおそれのある行為などに対しては、ルールの見直しや説明会を行うことによる正しい理解の促進・浸透に取り組んでいます。違法行為及び社内規則違反などを確認した場合は、該当者に対する処分や該当部門への改善措置を実施します。

この「倫理遵法ホットライン」の仕組みは、三菱電機の全従業員に展開している「三菱電機グループ 行動規範ハンドブック」に掲載するとともに、ポスターを社内各部門・各事業所に掲示しているほか、社内窓口・社外窓口の連絡先などを記載した携帯カードを全従業員に配布しています。また、三菱電機グループのイントラネットにも掲載し周知を図っています。

三菱電機グループの国内外関係会社においても、各社に内部通報制度を設けています。