安全衛生

基本的な考え方

三菱電機グループでは、トップの強いリーダーシップのもと、グループ全体で安全衛生活動や健康づくり活動に取り組んでいます。

「従業員の安全と健康を守ることをすべてにおいて優先する」ことを基本方針として、次の二点を目指しています。

  • 安全衛生管理は経営管理の根幹であり、いかなる社会・経営環境にあっても安全・健康を最優先する風土を確立する
  • 従業員エンゲージメントを高める経営施策の主軸の一つとして、健康経営の確立を図り、誰もが心身の健康を維持し、いきいきと働ける職場環境を実現する

三菱電機ではこれらの基本方針に立脚した全社安全衛生5カ年計画を策定し、年度ごとに具体的な活動を推進しています。また、国内外関係会社では、「全社安全衛生管理方針」に基づき、各国の法令や各社の課題に即した安全衛生管理活動を推進しています。

推進体制

全社安全衛生管理体制

全社安全衛生管理体制

三菱電機グループは、三菱電機と国内外関係会社が連携して、安全衛生に関する情報交換や教育活動、各種対策を行っています。また、労働組合との協議会や安全衛生委員会などを通じて、従業員との意見交換を行い、安全衛生水準の向上に取り組んでいます。

労働安全衛生マネジメントシステム

三菱電機では、2009年より「労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS*)」を導入・運用しています。本制度では、事業所構内の方針策定や事業所長が担う総括安全衛生管理者をトップとする管理体制整備、リスクアセスメントを始めとした災害発生未然防止活動、従業員の安全衛生管理意識向上のための教育など、基盤管理及び個別管理事項について三菱電機グループの安全衛生管理のあるべき姿を要求事項として示し、内部監査の実施を通じ各事業所単位で安全衛生活動のPDCAサイクルを構築しており、全社的な管理水準のスパイラルアップを図っています。一部事業所においてはJISQ45001の外部認証を取得済みです。

このような取組みの結果として、同一業種の中においても低い労働災害度数率や強度率(延べ労働時間100万時間当たりの死亡・休業災害による死傷者数、1千時間当たりの労働損失日数)を達成しています。

  • Occupational Health and Safety Management System

リスク管理

三菱電機では、次のような場合にリスクアセスメントによって危険度を抽出し、リスク低減措置を実施しています。

労働災害度数率(100万時間当たりの休業災害件数)の推移

労働災害度数率(100万時間当たりの休業災害件数)の推移

設備の新規導入や設備に変更があるとき
新規作業や作業に変更あるとき
化学物質を取り扱う作業があるとき

労働災害が発生した場合は、発生部門で即座に安全対策を講じるとともに、安全管理状況の点検、災害事例の分析を行い、対策内容を三菱電機グループに水平展開することによって、類似災害の発生防止に努めています。

安全衛生教育の徹底

三菱電機グループでは、法で定められた教育のほか、階層別教育、職種別教育など、事業特性や社会環境に応じた安全衛生教育に積極的に取り組んでいます。

グループの共通教育として、三菱電機と国内関係会社では社内eラーニングを利用した安全衛生教育も展開しており、毎年10万人を超える従業員、管理監督者に対して、安全衛生に関する考え方や基本的事項についての理解促進を図っています。また、「安全の部屋」を設置するなど、従業員に対する危険体感教育の展開も強化しています。

Topics

三菱電機 神戸製作所・電力システム製作所の「安全の部屋」

安全の部屋

安全の部屋

神戸製作所では、「安全と健康第一!全てに対して安全と健康を優先する真の文化を築きます」、電力システム製作所では、「仲間を守る!その為に妥協の無い安全・健康施策を確実に実行します」のスローガンのもと、関係会社を含めた構内全従業員(約5,000名)を対象に危険体感を含めた安全教育を実施しています。体感機のリニューアルやVR体感機の導入、インストラクターの育成・教育を行い、教育体系を確立するなど、全従業員の危険感度向上に取り組んでいます。

グループ全体での健康増進活動(MHP)

三菱電機と国内関係会社では、約10万名の従業員とその家族を対象に、会社・労働組合・健康保険組合の三者協働事業(コラボヘルス)として、2002年から「三菱電機グループヘルスプラン21(MHP21)」活動を20年間展開し、一人ひとりができるだけ早い時期から生活習慣を見直し、生活習慣病を予防して「QOL(Quality of Life)」向上と「健康経営企業」実現を図ることを目指してきました。

2022年度からは「三菱電機グループ健康経営プラン」と活動名称を改め、『MHP「いきいきワクワクACTION」』として新たな5年間の活動を開始しており、『一人ひとりが「いきいきワクワク」と日々過ごしていくための健康づくり活動を推進します』という活動理念のもと、従業員及び家族一人ひとりの主観的な「いきいきワクワク」、つまりは「健康満足度」の向上を最上位の目標に置いた活動を展開しています。

具体的には、活動理念・目的の達成を評価するために、一人ひとりの心とからだの健康に関する日々の健康満足度(「いきいきワクワク」の度合い)を表す指標として「快食」「快眠」「快便」の三つを設定しています。さらには生活習慣の指標として、「食事」「運動」「喫煙」「歯の手入れ」「睡眠」「飲酒」の6項目を設定し、ICTの利活用等により一人ひとりの健康状態を見える化する仕組みや、一人ひとりの生活習慣状況に応じた目標設定と行動変容を促す仕組みを整備することで、健康満足度の向上につながる取組みを進めています。

また、海外関係会社においても、各国の実情に合わせ、従業員の健康保持増進に向けた取組みを進めています。

MHP「いきいきワクワクACTION」活動の目標・実績<健康満足度>

目標項目 目標値(2026年度まで) 2023年度実績
快食 食欲があり、おいしく食事がとれている人の割合 90.0%以上 88.2%
快眠 気持ちよく、ぐっすりと眠れている人の割合 80.0%以上 55.9%
快便 便通がよく、おなかがすっきりとしている人の割合 80.0%以上 65.5%

メンタルヘルスケアの推進

三菱電機グループでは、メンタルヘルスケアを健康管理における重点課題と位置付け、産業医・カウンセラーを中心としたカウンセリング体制を整備するなど、従業員の日常的な仕事の悩みや家庭の悩みなどによる心の問題のケアに努めています。

国内関係会社も含めた外部EAP*による相談プログラムは、従来の電話・メール相談に加え、新たに対面相談やオンライン相談を導入するなど、従業員のメンタルヘルス不調の一次予防(未然防止)に積極的に取り組んでいます。

メンタルヘルスにかかわる課題を確認し、「心の健康づくり計画」を策定した上で、事業所方針・施策等を展開する関係者の連携の場として、事業所安全衛生委員会(心の健康づくり推進委員会)の更なる有効活用を図っています。メンタルヘルスを理由とした傷病欠勤・休職者の有無、健康福祉確保措置実施状況(長時間面談対象者数等)、メンタルヘルス関連研修計画・実績等の情報を共有し、継続的な改善活動を推進します。

ストレスチェック制度への対応に関しては、組織分析結果を踏まえ、課題のある組織の職場風土改善に繋げる取組みを実施しています。

また、国内とは職場や生活環境が大きく異なる海外出向者に対しても、ストレスチェックの実施や三菱電機本社に専属のカウンセラーを配置して重点的にケアを実施しています。

教育面では、メンタルヘルスに関する講義などを実施するとともに、管理職・従業員双方の対応力向上を図るため、ラインケア研修、セルフケア研修の講習会を繰り返し実施しています。また、三菱電機と国内関係会社では、グループの共通教育として、社内eラーニングを利用した安全衛生教育を展開しており、毎年10万人を超える従業員、管理監督者に対して、メンタルヘルス(ラインケア、セルフケア)についての理解促進を図っています。

  • Employee Assistance Program。従業員支援プログラム。メンタルヘルスをはじめ、健康、家族や会社での人間関係など幅広く相談に応じるプログラム
メンタルヘルスに関する取組み(三菱電機) メンタルヘルスに関する取組み(三菱電機)

快適な職場環境の形成

三菱電機グループでは、職場を生活の場として捉え、人に優しい職場環境の整備と、高齢者、障がい者などにも配慮した誰もがいきいきと働ける快適な職場環境づくりに取り組んでいます。

三菱電機では、空気環境やバリアフリー対応を含む施設環境などについての社内基準(職場環境基準)を独自に定め、各基準の達成を目指し、継続的な取組みを推進しています。