三菱電機株式会社は、世界で初めて、営業運転中の小田急電鉄株式会社車両にて直流1500V架線対応の「フルSiC適用VVVFインバーター装置」の省エネ効果の検証を約4カ月間行い、主回路システム全体※1 として従来比の約40%の省エネ効果を実現しましたのでお知らせいたします。
- ※1:今回のパワーモジュール開発の一部は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究として実施したものです。
実証概要
小田急電鉄の1000形リニューアル車にて、営業運転車両の主回路システム(インバーター装置・高効率全閉形誘導電動機・低損失のフィルタリアクトルなどで構成)全体での消費電力量および電力回生率を、フルSiC適用のリニューアル車とSi GTO※2 適用の従来車両で約4カ月間比較検証しました。
- ※2:ゲートターンオフサイリスタ(Gate Turn-Off thyristor)
実証結果 (数値は2015年1月17日〜5月8日に行った営業運転車両における実測値の平均値)
・ | 加速時の力行電力量が約17%減少 |
・ | 電車の走行に使用した電力量に対する、減速時の電力回生ブレーキで架線に戻した回生電力量の比率である電力回生率が従来システムの34.1%から52.1%に向上 |
・ | 全体として約40%の省エネ効果を実証 |
主回路システム全体概要
入力電圧 | 直流1500V |
主回路方式 | 大容量フルSiCパワーモジュール適用 2レベル方式VVVFインバーター(PWM方式、電力回生ブレーキ付き) |
制御方式 | 190キロワットモーター×4台並列制御×2群 |
冷却方式 | 走行風自冷方式 |
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