衛星通信地球局向けLow-Ku帯(13GHz帯)GaN HEMT
左「MGFK48G2732」(シングルキャリア通信対応)、右「MGFK48G2732A」(マルチキャリア通信対応)

三菱電機株式会社は、衛星通信(Satellite Communications:SATCOM)地球局の電力増幅器に使用される高周波デバイス「Ku帯※1 衛星通信地球局用GaN HEMT※2」の新製品として、Low-Ku帯(13GHz帯)の周波数で動作可能な出力電力70Wのマルチキャリア通信※3対応製品「MGFK48G2732A」とシングルキャリア通信※4対応製品「MGFK48G2732」との計2製品を2023年1月15日に発売します。

近年、災害時や地上通信網の整備が難しい地域での通信手段として、高速通信が可能なKu帯などを利用した衛星通信やSNG※5などの大容量通信の利用が拡大しています。衛星通信用途ではKu帯、特に14GHz帯の周波数を利用した通信システムが主流ですが、隣接するLow-Ku帯(13GHz帯)やKa帯※6を利用した通信システムの高速化も期待されています。また、これに伴い従来のシングルキャリア通信対応の電力増幅器の需要だけでなく、情報伝送量の大容量化・高速化に適したマルチキャリア通信にも対応可能な電力増幅器の需要も高まっています。

当社は現在、14GHz帯の周波数対応の「Ku帯 衛星通信地球局用GaN HEMT」計7製品をラインアップしていますが、今回、市場ニーズに対応するため、周波数がLow-Ku帯(13GHz帯)で動作可能な、マルチキャリア通信およびシングルキャリア通信に対応した出力電力70Wの電力増幅器を新たにラインアップします。製品ラインアップの拡充により、用途に応じた衛星通信地球局用GaN HEMTの提供を可能とし、さらに情報伝送量の大容量化と衛星通信地球局の小型化に貢献します。


  • ※1

    周波数12GHz~18GHzのマイクロ波

  • ※2

    Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor:窒化ガリウムを用いた高電子移動度トランジスタ

  • ※3

    音声、映像、データなどの信号を伝送する際、周波数が異なる複数の搬送波を同時に利用する通信方式

  • ※4

    マルチキャリア通信に対して、一つの搬送波を変調して通信する方式

  • ※5

    Satellite News Gathering:通信衛星を使うテレビニュースなどの放送番組素材収集システム

  • ※6

    周波数26.5GHz~40GHzのマイクロ波

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三菱電機株式会社 半導体・デバイス第二事業部 高周波光デバイス営業第二部
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