ニュースリリース

三菱電機株式会社は、当社関係会社で台湾重電大手の士林電機廠股份有限公司（所在地：台湾台北市、以下、士林電機）を通じて、台湾電力公司（所在地：台湾台北市、以下、同社）から、台湾で電力系統安定化用途としては初めて^※1、自励式静止型無効電力補償装置（以下、STATCOM：Static Synchronous Compensator）を受注しました。同社南科変電所（所在地：台南市）に新たに設置される地域社会との共生や景観との調和を目指した「STATCOM変電所」へ納入し、台湾で最大の定格容量となる±200MVA（メガボルトアンペア）を実現することで、半導体工場やディスプレイ工場などが集積する台南サイエンスパークの安定稼働にも貢献します。納入時期は2025年上期の予定で、2026年上期中の運用開始を予定しています。

台湾では、カーボンニュートラルの実現に向けて、洋上風力発電や太陽光発電などの多様な再生可能エネルギー電源の導入が加速していますが、再生可能エネルギー電源からの送電には、系統事故時も想定した安定性の向上が必要で、台湾全体での電力系統のレジリエンス強化が求められています。

STATCOMは、パワーエレクトロニクス技術で無効電力^※2の出力を瞬時に制御し、電力系統内の電圧を安定化する装置です。今回、当社製の高性能IGBT^※3を搭載したSTATCOMの高い信頼性や、士林電機による変電設備の納入・建設工事の実績など、三菱電機グループとしての活動が高く評価され、台湾初となるSTATCOMの受注に至りました。

世界的にカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速する中、気象条件などの影響を受けやすい再生可能エネルギーの拡大などに伴い、世界各地で電力系統システムの複雑化と高度化が進んでいます。今後も当社は、国内外のさまざまな地域で電力系統の安定化を支援し、多くの人々が安心して電気を使える快適で安全な社会の実現に貢献していきます。