三菱電機株式会社は、Nexperia B.V.(ネクスペリア、本社:オランダ ナイメーヘン、以下Nexperia)とパワーエレクトロニクス市場向けSiC※1パワー半導体の共同開発に向けた戦略的パートナーシップに合意しました。

当社は、自社の強みである化合物半導体技術などを適用したSiC-MOSFET※2チップをNexperia向けに開発・供給します。Nexperiaは、当社SiCチップを搭載したSiCディスクリート製品を開発します。


SiCパワー半導体は、従来のシリコンウエハを用いたパワー半導体に比べて低電力損失で、高温動作や高速スイッチング動作が可能となるため、省エネルギーや脱炭素化によるGX(Green Transformation)実現への貢献が期待されており、電気自動車分野などで市場の急拡大が見込まれます。

当社は、2010年にSiCパワーモジュールを搭載したエアコンを世界で初めて※3製品化し、2015年には世界で初めて※4新幹線向けに供給するなど、家電、産業機器、鉄道車両分野でSiCパワーモジュールの市場をリードしてきました。高い信頼性が要求される各分野のSiCパワーモジュールの開発・製造を長年続けている経験から、高性能で高品質なチップを開発・製造する技術を保有しており、今回、その技術を適用したSiCチップをNexperiaのディスクリート製品向けに開発・供給します。


Nexperiaはディスクリート半導体の開発、製造、品質保証において数十年にわたる経験があり、自動車、産業用からモバイル、民生用途まで幅広く供給する、ディスクリートデバイスの世界的メーカーであり、今後当社は、Nexperiaとのパートナーシップをより強固なものにし、脱炭素社会と持続可能な未来の実現に貢献していきます。また、高性能で高品質なSiCチップの開発・製造技術をさらに高め、独自のモジュール開発・製造技術を適用したパワーモジュールの開発に注力していきます。

Nexperia B.V. バイポーラ ディスクリート ビジネスグループ ゼネラルマネージャー 兼 シニア バイス プレジデント Mark Roeloffzen氏 コメント

「三菱電機との戦略的パートナーシップは、NexperiaのSiC事業において大きな進歩です。三菱電機は、SiCパワーモジュールのプロバイダーとして数多くの実績があり、Nexperiaのディスクリート半導体に関する実績ある専門技術と組み合わせることで、両社の強みによる相乗効果が生まれ、顧客に大きなメリットをもたらします。」

三菱電機株式会社 上席執行役員(半導体・デバイス事業本部長)竹見 政義 コメント

「Nexperiaは、高品質のディスクリート半導体において実績ある先端技術を有する業界のリーディングカンパニーです。私たちは、両社の半導体技術を活かした共同開発のためのパートナーシップに合意できたことを喜ばしく思っております。」



  • ※1

    SiC:Silicon Carbide(炭化ケイ素)

  • ※2

    MOSFET:電界効果トランジスタの一種

  • ※3

    2010年8月24日発表時点において。当社調べ

  • ※4

    2015年6月25日発表時点において。当社調べ

お客様からのお問い合わせ先

三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 パワーデバイス営業部
URL https://www.MitsubishiElectric.co.jp/semiconductors/contact/