三菱電機株式会社は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)用モーター等のインバーター駆動に用いるxEV用パワー半導体モジュールとして、小型化を実現し、SiC-MOSFET※1やRC-IGBT(Si)※2素子を搭載したJ3-T-PMを開発しました。J3-T-PMを組み合わせることで豊富なラインアップを実現し、多様なxEV用インバーター設計に対応する「J3シリーズ」計6製品のサンプル提供を3月25日から順次開始します。
なお、本製品は「第38回ネプコンジャパン エレクトロニクス 開発・実装展」(1月24日~26日、於:東京ビッグサイト)をはじめ、北米、欧州、中国等で開催される展示会へ出展予定です。
近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大・多様化する中、電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体への期待が高まっています。特に自動車分野では、温室効果ガス低減を目的とした自動車の電動化を背景に、モーター駆動におけるインバーターなどの電力変換機器に使用されるパワー半導体モジュールの需要が拡大しています。xEV用パワー半導体モジュールは、自動車の航続距離の延伸に加えて、バッテリーやインバーターの小型化を可能にする小型で高出力・高効率な製品が求められています。また、自動車は安全基準が高く、モーター駆動に用いるパワー半導体には一般産業用途以上の信頼性も求められます。
当社は業界に先駆け、1997年にxEV用パワー半導体モジュールの量産を開始後、ヒートサイクル耐性等の信頼性を向上し、インバーター小型化などの課題を解決するxEV用パワーモジュールをこれまでに多数提供し、さまざまなEV・HEVに搭載されてきました。
今回、自動車市場で多くの採用実績がある当社製T-PM※3の最新世代として、小型のモジュールサイズを実現したxEV用SiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」のサンプル提供を開始します。新たにSiC-MOSFETを搭載した製品や、RC-IGBT(Si)を同一パッケージに搭載した製品をラインアップすることで、xEV用インバーターの小型化に貢献します。また、豊富なラインアップにより、幅広い電気容量帯のインバーター設計にも対応し、EVやPHEVの航続距離の延伸や電費改善にも貢献することで、さらなる自動車の電動化の普及に貢献します。
なお、今回の製品は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究の成果の一部を活用しています。
- ※1
Silicon Carbide:炭化ケイ素
Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体製の電界効果トランジスタ - ※2
RC-IGBT(Reverse Conducting IGBT):IGBTとダイオードを1チップ化したもの
- ※3
Transfer molded Power Module:トランスファーモールド型パワー半導体モジュール
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