三菱電機株式会社は、セキュアリモートアクセス・運用管理ソリューションを開発・販売するDispel LLC(ディスペル、本社:米国ニューヨーク州、CEO:Ethan Schmertzler、以下Dispel)とOT(Operational Technology:制御運用技術)セキュリティー事業拡大に向けマーケティングおよび技術開発の協業契約を締結しました。
協業契約締結の狙い
製造業のグローバル化、製造現場のIoT化・DX化に伴い、インターネット技術を活用して遠隔地から製造ラインの監視やトラブルシューティングを行う「リモートメンテナンス」の需要が年々高まっています。
一方、製造現場のシステムに対するインターネット経由でのアクセスは、その通信経路を狙ったサイバー攻撃などのセキュリティーリスクの増大を招き、このリスクの増大がリモートメンテナンスを導入する妨げになっています。特に、大規模な製造現場では複数の装置メーカーから納入された装置が混在しているケースが多く、装置メーカーごとに専用の通信経路を用意する必要があり、結果として多数の通信経路がセキュリティーリスクに晒されています。
三菱電機は、FA制御システム機器(FA機器)のトップサプライヤーであるとともに、アセスメント・コンサルティングから対策・運用までのサービスを一貫して提供する「ワンストップOTセキュリティーソリューション」を提供しています。OTセキュリティーにおいては、通信ネットワークの安全性に加え、OT資産へのアクセス制御やトレーサビリティーにより通信を正しく管理できることが重要であると考えています。
Dispelは米国のセキュリティーベンダーで、北米を中心に電力・上下水道などの社会インフラや金融・研究機関など含むさまざまな重要施設に対し、セキュアなリモートアクセスサービスを提供しています。また、「いつ・誰が・どこに」のアクセス制御やログ・録画によるトレーサビリティー確保の技術を保有しており、従来のVPNよりもきめ細かな管理を、安全かつ簡単に実現しています。さらに、NIST CSF※1・IEC62443※2をはじめとした世界標準セキュリティー規格に準拠し、リモートアクセス環境をグローバルに提供しています。
今回の協業契約の締結により、三菱電機が提供するFA機器・OTセキュリティーソリューションと、Dispelが提供するセキュアなリモートアクセス技術とを連携させ、製造現場側で装置メーカーからのリモートアクセスを監視・制御・検証する「ゼロトラスト リモートアクセスサービス」を提供します。当社は「設計・立上げ」から「製造」、「運用・保守」までのものづくりデータを活用したデジタルマニュファクチャリングの実現を加速し、循環型 デジタル・エンジニアリング事業を強化します。
- ※1
NIST(National Institute of Standards and Technology, 米国国立標準研究所)が発行した重要インフラ向けサイバーセキュリティーフレームワーク(Cyber Security Framework, CSF)
- ※2
IEC(International Electrotechnical Commission, 国際電気標準会議)が発行した汎用的な制御システムセキュリティー標準
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- 三菱電機株式会社 インダストリー・モビリティBA OTセキュリティ事業推進部
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