波長モニタ内蔵DFB-CAN
波長モニタ内蔵DFB-CAN

三菱電機株式会社は、光ファイバー通信用光トランシーバー※1(以下、光トランシーバー)の光源として使用される光デバイス新製品として、高速・長距離伝送可能な通信方式として期待されるデジタルコヒーレント通信方式※2用では業界初※3となる小型パッケージのTO-56CAN※4を採用した「波長モニタ※5内蔵DFB-CAN」のサンプル提供を4月1日に開始します。これにより、光トランシーバーの小型化と低消費電力化に貢献します。


IoT技術の発展により、ネットワークに接続される端末の増加に加え、高解像度映像ストリーミングや生成AI技術の利用拡大により、通信量が爆発的に増大しているため、ネットワークの高速化や大容量化がこれまで以上に求められています。光通信信号が高速になると波長分散による信号波形の歪みが発生し信号伝送可能距離が制約されることから、近年では信号処理技術の適用により歪みを補正でき、従来の強度変調通信方式に比べて高速・長距離伝送可能なデジタルコヒーレント通信方式が注目されています。また、通信量の増加に伴い、光トランシーバーの利用個数も増加しており、光トランシーバーや構成する部品に対して、小型化、低消費電力化の要求も高まっています。


今回、当社が開発した「波長モニタ内蔵DFB-CAN」は、デジタルコヒーレント通信方式用の光源として業界初となる小型パッケージのTO-56CANを採用し、複数の光学部品を1チップ化した波長モニタチップとDFBレーザー※6チップを搭載しました。熱電変換素子の改良や放熱構造の最適化により消費電力1Wを実現し、また、波長モニタチップを同一パッケージに内蔵することで、DFBレーザーチップの高精度制御が可能になり、波長1547.72nmのレーザー光を出力します。これにより、普及が進むデジタルコヒーレント通信方式用400Gbps※7光トランシーバーや、OIF※8で現在仕様が検討されている次世代の800Gbps光トランシーバーの小型化と低消費電力化に貢献します。



  • ※1 光トランシーバー:電気信号と光信号を相互に変換する電子部品
  • ※2 コヒーレント通信方式:光の位相と偏波を用いて情報伝達が可能な通信方式で、大容量化が可能
  • ※3 2024年3月21日現在、当社調べ。デジタルコヒーレント通信方式用光源において
  • ※4 TO-56CAN:パッケージサイズφ5.6mmの生産性(量産性)に優れた業界標準TO-CANパッケージ
  • ※5 波長モニタ:波長の変化を電気信号強度変化として出力する機能
  • ※6 DFB(Distributed Feed-Back)レーザー:分布帰還型レーザー
  • ※7 Gbps(Giga-bits per second):1秒間に10億個のデジタル符号を伝送する通信速度
  • ※8 OIF(Optical Internetworking Forum):業界標準化団体

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三菱電機株式会社 半導体・デバイス第二事業部 高周波光デバイス営業部
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