三菱電機株式会社は、スマートメーターシステムの主な機能を担うヘッドエンドシステム※1と、スマートメーターに内蔵される通信機器およびデータ集約装置を、システムインテグレーターのGlory Technology Service Inc.(皇輝科技股份有限公司、所在地:台湾台北市)、台湾大手通信会社のChunghwa Telecom Co., Ltd.(中華電信股份有限公司、所在地:台湾台北市)経由で台湾電力公司(所在地:台湾台北市、以下、台湾電力)向けに納入しました。なお、当社製品を搭載したスマートメーターシステムの海外市場への納入は今回が初めてで、本システムは既に一部運転を開始しています。
台湾では、近年の燃料費高騰や世界的な脱炭素化に向けた動きを受けて、再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいます。安定的な電力系統運用の実現には、電力の需要と供給が常に同じになるように調整する必要がありますが、再生可能エネルギーの発電量は季節や天候、時間帯によって大きく変動するため、電力系統運用者は、電力需要の状況を随時細かく把握し、電力需給を調整することが求められます。
台湾における電力系統運用者である台湾電力は、このような電力需給運用の高度化を目的に、2018年からスマートメーターシステムの導入を進めてきました。スマートメーターシステムは、各世帯に設置されたスマートメーターと電力会社のサーバーを通信で接続し、各世帯の電力使用量やメーター本体の状態を情報収集するとともに、個々のスマートメーターに対して情報通知や制御を行い、高度な電力需給制御を実現するためのシステムです。スマートメーターは全世帯に設置されることを想定して、広域・大規模通信ネットワークが必要となる一方で、電気料金の大幅増加を回避するために低コスト・短期間でシステムを構築する必要があります。
当社は、データ収集から通信制御までを行うヘッドエンドシステムであるソフトウエアパッケージ「BLEnDerⓇ(ブレンダー)」※2と、スマートメーターに内蔵された通信機器およびデータ集約装置を台湾電力へ納入しました。無線マルチホップ通信※3を活用し、各世帯に設置されたスマートメーターをつなぐ独自のメッシュネットワークを広範囲に形成することができるため、通信インフラのコスト削減および広範囲におけるスマートメーターネットワーク構築を同時に実現します。今回、当社システムの高接続性、拡張性・柔軟性、堅牢なセキュリティー対策および日本での安定した運用実績が評価され、受注・納入に至りました。
- ※1
さまざまな通信方式に対応したスマートメーターの管理・制御を行うシステム
- ※2
当社が開発した電力取引と需給制御を総合的に扱う電力市場向けパッケージ型ソフトウエア製品のシリーズの総称
- ※3
端末同士がバケツリレー式にデータの転送を繰り返すことで、広域通信を可能とするネットワーク
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