だいち4号による初観測画像 ©JAXA

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)から受注し、2024年7月1日にH3ロケットによって打ち上げられた、先進レーダ衛星「だいち4号」(以下、だいち4号)に搭載されているフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(以下、PALSAR-3)※1の試験電波発射により初観測画像を取得したことを確認しましたのでお知らせします。

だいち4号はレーダで地球を観測する衛星で、高精度かつ広範囲の画像を取得できます。これにより広域で同時多発的に災害が発生した場合も、迅速な状況把握が可能となります。当社は2016年度にだいち4号の開発を開始し、鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)で全体の設計・製造・試験を担当してきました。広域観測と高分解能を両立させるために不可欠である「PALSAR-3」も、三菱電機が開発を担当しています。

PALSAR-3は、現在運用中の陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(以下、だいち2号)に搭載されたレーダと同等の高分解能を維持しつつ、観測幅を拡大したもので、高度約628kmから全地球規模での高分解能観測を行います。だいち4号による広域の地殻・地盤変動の観測情報は、平時・災害時における地殻・地盤変動の監視、火山活動や地盤沈下、地滑り等の異変の早期発見、森林資源の管理等に活用されます。

三菱電機は今後も、長年培った宇宙開発に関する知見を最大限に活用し衛星の開発・製造に携わるとともに、衛星データ利用を通じて社会課題の解決や豊かな社会構築に向けて、積極的に取り組んでまいります。



  • ※1

    電波を地球の表面に照射し、反射波の受信により地表面を観測するレーダ。PALSAR-3は、Phased Array type L-band Synthetic Aperture Radar-3の略称。だいち4号に搭載

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