贈呈式(2024年9月2日実施)の様子
西表島高那海岸沖に設置した保全柵

三菱電機株式会社は、ブルーカーボン生態系※1の保全をはじめとするネイチャーポジティブ※2の取り組みの一環として、沖縄県西表島において、環境省レッドリスト※3の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている海草「ウミショウブ※4」の消失危機を食い止めるための保全柵を設置し、2024年9月2日、西表島が属する八重山郡竹富町に寄贈しました。


 当社は、気候変動の大きな要因となっている二酸化炭素の削減に向けた取り組みを進めています。その中でブルーカーボン生態系に着目しフィールド調査を進める過程で、魚介類の産卵・生育の場としてネイチャーポジティブに寄与し、さらに大気中の二酸化炭素の吸収・固定源であるウミショウブが、世界自然遺産である西表島においてもアオウミガメ※5の採食などによって絶滅の危機に瀕している状況を認識しました。


 さらに状況が悪化した場合には、ウミショウブの再生が困難となる恐れがあることから、緊急的な措置が必要との認識のもと、今般、同島高那海岸沖に保全柵を約440平方メートルにわたり設置しました。これにより、ウミショウブ消失の回避とそれを主食とするアオウミガメの保護とを両立し、西表島の生物多様性の保全・回復と二酸化炭素の吸収・固定に貢献します。

採食などにより葉が短くなってしまったウミショウブの状況
採食などにより葉が短くなってしまった
ウミショウブの状況

今後は、今回設置した保全柵と当社が保有する技術を活用し、光や音を用いたより効果的かつ汎用的な保全対策の検討や、ブルーカーボン生態系の二酸化炭素固定量算出などの概念実証に竹富町と連携して取り組みます。これにより、全体最適を検討しながら海洋生物の本来の生態系バランスを取り戻すことを目指すとともに、今後はさらに対象を拡大してネイチャーポジティブの実現に貢献してまいります。



  • ※1

    沿岸・海洋生態系に取り込まれ、そのバイオマスやその下の土壌に蓄積される炭素である「ブルーカーボン」の主要な吸収源である海草、海藻や干潟の塩性湿地、マングローブ林などを指す

  • ※2

    自然資本の損失を食い止め、回復させること

  • ※3

    環境省が日本に生息・生育する野生生物について、生物学的な観点から個々の種の絶滅の危険度を評価しリスト化したもの

  • ※4

    日本では八重山列島にのみ群生し、西表島海域を国内最大かつ主要な生育域とするトチカガミ科の海草で、葉長は1メートル超となる

  • ※5

    海藻や海草を主食とし、世界各地の熱帯・亜熱帯の沿岸地域に生息。ウミショウブと同様に絶滅危惧Ⅱ類に分類される

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