当社の「受配電設備向けスマート保安」の概要

三菱電機株式会社は、工場やビル、データセンターなどに設置される受配電設備の遠隔監視とデータ活用による保守業務効率化の実現に向けた「受配電設備向けスマート保安」の社内実証を2024年10月1日から開始します。

電気設備の現場では、電気保安人材の高齢化や人手不足に加え、再生可能エネルギー設備の増加により、2030年には第二種電気主任技術者が約1,000人不足すると予想されています※1。また、1980年代から1990年代に設置された電気設備の多くは、一般的に設置後20~25年とされている更新推奨時期を超過して使用されているため、突発的な故障が起こるリスクが高く、一度故障が発生すると他の設備を含む長期的な操業停止や予期せぬ費用の発生が懸念されています。このような課題の解決に向けて、経済産業省は、IoTやAIなどを活用して、電気設備を自動で遠隔監視し、異常兆候を検出して事故を未然に防ぐ「スマート保安」を推進しています。

当社は今回、受配電システム製作所(香川県丸亀市)にて、カメラと複合センサを活用して受配電設備の遠隔監視を行い、取得したデータの活用による保守業務効率化の実現に向けた「受配電設備向けスマート保安」の社内実証を行います。従来、人手で実施していた法定点検や自主点検※2業務をオンラインで見える化し、センサから得られたデータを活用して、内在化している異常兆候を抽出・早期除去することで、電気設備の安全かつ安定的な操業の実現可能性を検証します。また、当社が保有する劣化診断技術と得られたデータを組み合わせて、電気設備の余寿命を診断し、対象機器の劣化速度を分析することで、メンテナンスや更新について、計画的かつ適切なタイミングでの実現可能性も検証します。

当社は今回の社内実証で得られる成果を活用し、電気保安人材の高齢化や人手不足および電気設備の高経年化による突発的故障リスクなどの社会問題の解決に貢献していきます。さらに、カーボンニュートラルの推進と安心・安全な設備運用、経済合理性を満たすエネルギー最適化に総合的に応えるE&Fソリューション※3の創出を目指します。



お客様からのお問い合わせ先

三菱電機株式会社 受配電システム製作所 開発戦略プロジェクトグループ 新事業創出グループ
TEL: 0877-24-8023