一部の乗用エレベーターにおける無段階終端階強制減速装置に関する
国土交通大臣認定の確認申請との不適合について
三菱電機株式会社(以下、三菱電機)と三菱電機ビルソリューションズ株式会社※1(以下、MEBS)は、三菱電機が2021年5月から2022年3月までに出荷した乗用エレベーター192台において、無段階終端階強制減速装置(SETS)※2に関し、国土交通大臣認定(以下、大臣認定)と確認申請との不適合がありましたのでお知らせします※3。
本件は指定確認検査機関からの確認申請書の記載に関する問い合せをきっかけに、大臣認定内容と確認申請内容の整合について三菱電機が点検した結果、今年3月に判明したものです。本件の判明後、三菱電機(4月以降は三菱電機のビルシステム事業を継承したMEBS)が原因調査と対策を実施し、現在は適切な大臣認定番号での確認申請を実施しております。また、国土交通省や特定行政庁、指定確認検査機関へのご報告と、お客様へのご説明を行い、適用する大臣認定との不適合を是正するべく、当該対象製品に適合した大臣認定に変更する等の是正措置を進めております。
お客様や関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることを深くお詫び申し上げます。
なお、今回不適合があった製品は別途取得済みの大臣認定(以下、従来大臣認定)に適合※4しているため、安全・機能・性能上の問題はなく、エレベーターの使用を停止いただく必要はありません。
三菱電機およびMEBSは本件を重く受け止め、再発防止に努めてまいります。
- ※1 三菱電機のビルシステム事業を、連結子会社で主に昇降機保守・リニューアル事業等を担当する三菱電機ビルテクノサービス株式会社への吸収分割により承継、経営統合し、2022年4月に設立した三菱電機の新たな連結子会社です。
- ※2 SETS:Smooth Emergency Terminal Slowdownの略。昇降路頂部寸ピット寸法、緩衝器衝程を短縮するために設ける安全装置。適用するためには国土交通大臣認定の取得が必要です。
- ※3 本件は2022年5月25日調査委員会(委員長:西村あさひ法律事務所 木目田 裕)による調査報告書(第3報)の脚注に記載された案件です。
- ※4 対象製品の一部は、SETSの構成機器のうち「緩衝器」を交換することにより適合。本対象はすべて交換済みです。
対象製品および該当する大臣認定について
対象製品は2021年5月から2022年3月までに出荷した機械室レスの乗用エレベーター192台です。該当する大臣認定はSETSに関するもので、対象の認定番号は下表のとおりです。
認定申請者 | 認定番号 |
---|---|
三菱電機株式会社 | ENNSNN-2545-1 |
ENNSNN-2546-1 |
不適合の内容と発生原因について
三菱電機では、2020年に新たに開発した機種の発売に伴い、従来機種の適用も含めたSETSに係る大臣認定を新たに取得しました(以下、20年大臣認定)。この大臣認定審査の過程において、三菱電機が審査機関に申請した「かご質量」の認定範囲が当初の申請内容から変更が生じたにも関わらず、三菱電機内の大臣認定取得担当部門から確認申請書作成担当部門へ正しく伝えられませんでした。本来であれば、従来機種の確認申請において、かご質量にあわせて20年大臣認定と従来大臣認定とを使い分けて実施しなければならなかったところ、かご質量に関わらず20年大臣認定の番号をそのまま記載、資料添付し、齟齬が生じました。
安全性及び是正措置について
当該対象製品は、かご質量を含む全ての認定範囲において従来取得の大臣認定に適合しており、安全にご利用いただけます。三菱電機およびMEBSは、特定行政庁や指定確認検査機関の指示に従い、当該対象製品に従来大臣認定を適用する等の是正措置を進めております。
再発防止策について
本件は、関係部門間で認定範囲の変更点が共有されず、大臣認定の申請範囲と製品の仕様範囲との整合確認が不十分であったために発生しました。
そのため、MEBSにおける大臣認定取得に関わる開発プロセスを見直し、大臣認定申請時と取得時の仕様範囲との差分を把握、管理、共有する「認定範囲レビュー(社内審査)」のプロセスを新たに設け、大臣認定取得担当部門及び確認申請書作成担当部門等による製品仕様の整合確認を徹底し、大臣認定と製品との確実な適合に取り組みます。
お客様からのお問い合わせ先
三菱電機ビルソリューションズ株式会社
日本事業統括本部 事業推進本部 設計統括部 昇降機設計部 技術計画課
TEL 03-3218-4110
以上