このページの本文へ

ここから本文

Voices

2024.09.02

その国の人の生活を知り、その国に最適な価値を提供するエアコン開発

  • #全国で活躍する仲間たち
  • #中部
  • #製作所
  • #全国の拠点から
  • #コツコツワクワク世界をよくする
その国の人の生活を知り、その国に最適な価値を提供するエアコン開発

三菱電機には全国に支社、支店、製作所など多くの活動拠点があり、それぞれの場所で様々な活動を行っている。各所でどのような活動を行い、そこに従事する従業員はどのような思いを持っているのだろうか。今回は、エアコンや冷蔵庫など冷凍空調製品の開発、製造を行う静岡製作所で、主にアジア向けにエアコンの設計を担当する伊藤広陽さんに話をお聞きした。

タイに1年住むことで生まれた生活者の視点

静岡製作所のルームエアコン製造部技術第二課の伊藤さん

ー 伊藤さんの所属されている静岡製作所では、どのような業務が行われていますか?

伊藤:静岡製作所では、国内外に向けてエアコンや冷蔵庫といった冷凍空調製品や、その中に入っている圧縮機という部品の開発、製造を行っています。

ー その中で伊藤さんのお仕事はどのようなものでしょうか?

伊藤:私の所属する部署では、国内向けの家庭用ルームエアコン「霧ヶ峰」をはじめとし、世界各国の家庭用エアコンを手掛けています。対象とするエリアは、ヨーロッパ、 アジア、アメリカと大きく3つに分かれていて、その中で私はアジア向けのエアコン設計を担当しています。

ー 海外向けのエアコンを作る際は、国内向けのエアコンをベースにしてそれを海外向けに仕様を変えていくのでは、と思うのですが、実際はどうなのでしょうか?

伊藤:国内向けのモデルをベースにしているわけではなく、全く違うものとして設計しています。海外向けのエアコンとして全く新しく作っているような感じです。

ー そうなんですね。仕事をする上で大切にしていることがあれば教えてください。

伊藤:それぞれの国で求められているニーズを的確に捉え、各国の人々に対して最適な製品や付加価値を提供できるように業務に取り組んでいます。例えば私が何度も足を運んだタイであれば、現地の大学と協力しタイの方を対象者として製品評価をしたり、市場調査をしたりすることで、日本人にはない、タイの方特有の感性や感覚をできる限りつかんで、それを製品に落とし込むようにしています。

ー 設計者である伊藤さん自身もタイに行って、そういったリサーチに参加するんですか?

伊藤:そうですね。あと、私は去年1年間タイに住んでいました。元々、三菱電機には海外に赴任する研修制度はあるのですが、私の部署では長らく参加していませんでしたが、「経験を積ませよう」ということで、私が選ばれてその制度に参加させてもらいました。

ー 面白い制度ですね。生活者として1年住んだことで、得た経験はどのようなことですか?

伊藤:タイに出張していた時はホテルに宿泊するので、空調のことをあまり意識していなかったんですが、実際に住んでみると、空調は生活の一部ですし、最近タイでは、特にバンコクですが、電気代が上がっていて、使い方次第で高額になってしまうこともあります。そういうことを意識してタイの人は暮らしているとわかりましたし、日本よりも暑いので、日本以上に生活における空調の影響力が大きいということを実感しました。

ー その他に、その1年の間で見えてきたことがあれば教えてください。

伊藤:例えば「アジア」と一括りに言ってもそれぞれの国で求められているものは違いますが、ビジネスとして事業を行なっている以上、共通化しなければならない部分もあり、要望一つひとつに応えることは難しい。全てに応えてしまうと製品の価格も上がってしまうこともありますので。その中で様々な国の要望にどれだけ応えることができるかというのが、これからの課題だと感じました。

東南アジアのエアコンは日本以上に生活の質を左右する、という意識

ー 静岡製作所の雰囲気はどうですか?

伊藤:他の製作所には所属したことがなくて比較できないのであくまで私の所感ですが、私の部署は20代後半から30代半ばぐらいの若い従業員が多くて、雰囲気はよく、いつもワイワイしながら働いているような職場環境です。お互いに気軽に声をかけますし、意見交換もスムーズだと思います。海外との関係も深いので、タイなど海外拠点からも学びにやってきていて、その人たちから様々な国の暮らしや感覚を吸収したりします。

ー 仕事における難しさややりがいについても教えてください。

伊藤:先ほどお話した、それぞれの国で最適解を提供できるように考えるということともつながるのですが、実際にお客さまが求めるものに対して応えていくだけではなく、お客様が求めているもの自体を探りながら、答えがない中で、自分たちでその答えを考えていかなくてはならないということがあります。調査した結果を手がかりに、人の生活やその未来を想像することが大事で、いかに想像力を働かせて、アイデアを出して、自分たちとしての答えを作っていくということが面白さだと感じています。そのためにも、直接は見えないお客様にとっての最適解を提供できるように、常に考え続けるということが醍醐味であり、やりがいだと感じています。

ー 仕事を通じて、社会や世界を良くすることに対してはどのような考えをお持ちですか?

伊藤:1年間のタイでの生活も含めてですが、東南アジアのように大きく成長している国々において、空調をはじめとした家電製品が生活に与える影響は、日本と比べてとても高いということをひしひしと感じます。私たちの手がけている製品の質がダイレクトにお客様の生活の質につながっているので、私たちの仕事が、ある意味で社会貢献の一部にもなっていると感じています。それが我々のやりがいにもつながっています。

ー これから先、どのようにお仕事に取り組みたいと考えていますか?

伊藤:現在はタイの市場で三菱電機の空調はシェア1位を獲得できています。引き続きその座を維持していくことは、今後もやらなければならないと思っていますが、そのためにはタイのニーズを今後も的確に捉えると同時に、先ほどお話したように、三菱電機が生活や市場の答えと言えるものを作っていかなければならないと思っています。そのためには、私が関わっているタイをはじめとする東南アジアの国々では、空調など家電の影響力が非常に強いのだ、という意識をしっかりと持って仕事に励んでいきたいと考えています。

掲載されている情報は、2024年3月時点のものです。

制作: Our Stories編集チーム

この記事をシェア