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2025.02.20
「自律的な成長を促す!」新しい人事制度改革への挑戦!Vol.1「Job-Net」「Career Challenge制度」
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三菱電機は2024年3月、人的資本価値の最大化に向けて人事処遇制度を刷新した。
「成長に繋がる適正評価の実現」と「自律的キャリア開発支援」を目的として、組織風土の変革を進めている。今回の制度改革の重点取組みテーマの1つが、グローバルかつ長期的な視点で従業員1人ひとりのキャリア自律と個々人の成長を促すさまざまな制度だ。
今回は、個々人のキャリア支援を目的に、会社の求人情報に対し従業員が応募する社内公募制度「Job-Net」と、従業員の立候補(PR)に対し会社がオファーする社内FA制度「Career Challenge制度」をご紹介する。人財統括部の渡辺祐介さんと元藤和也さんに制度改定の目的や経緯、今後の展望について話を伺った。
制度の概要
― あらためて、Job-NetとCareer Challenge制度の概要について教えてください。
渡辺:Job-Netは、社内イントラサイトに公開された求人情報に対し、従業員自らが手をあげて異動を実現する仕組みです。Career Challenge制度は、自身の希望するキャリアをシステムに登録・公開し、それを見た全社の管理職(マネージャー)がオファーをかける制度です。

制度の背景と経緯
― 2022年度に両制度の改定が行われましたが、その背景と経緯をお聞かせください。
元藤:両制度とも、従業員のキャリア自律を促し、自己実現を支援するために導入されました。しかしながら、以前は積極的に制度が利用されておらず、従業員のキャリア自律に寄与しているとは言いがたい状況でした。そのため、両制度について検証し、改定を図ることで、従業員の自己実現の支援をしたいという意図がありました。
渡辺:三菱電機には、多様な事業分野があり、「家庭から宇宙までそのすべてが三菱電機のフィールド」というキャッチフレーズを掲げていますが、これまでは、入社後、1つの事業分野でキャリアを積むケースがほとんどでした。しかしながら、1つの事業分野に留まらず、当社にある多様な事業分野で活躍したいというニーズもありました。これを実現するためにも、会社側と従業員側の双方向によるマッチングの仕組みを強化し、事業分野を横断した人財の流動化をめざす必要がありました。

― 具体的にどのような改定をされたのでしょうか。
元藤:1つは、制度を利用する際の心理的ハードルを下げることです。そのため、制度利用時の上長への報告および、上長自身の拒否権の行使を撤廃しました。もう1つは、制度の認知度向上です。そもそも2つの制度を認知している従業員が少なかったので、従業員宛ての通知や社内報などによる周知に力を入れました。
― 運用を始めるにあたって、制度設計の段階で特に留意された点は?
元藤:Job-Netに関しては、イントラサイトの検索性の向上に注力しました。現在は、細かい募集職種がひと目で分かるサイト設計になっています。また、求人を出す側が動画などで自由にPRできる設計にしたため、サイトにワクワク感が増したように思います。Career Challenge制度については、 オファー活性化のため、毎年1~2ヶ月間のマッチングイベント期間を設けるようにしています。マッチングイベントでは、本社から各事業所に立候補している従業員リストを共有し、気になる立候補者がいれば、一定の期間内において各事業所から立候補者に対して面談オファーを集中的に行っています。
渡辺:これまで制度がうまく機能しない原因の1つに、社内風土の問題もあったように思います。「会社側がキャリア自律を支援します」という姿勢を示すため、今まで以上に積極的に情報発信しています。

― 2つの制度の応募要件は?
元藤:基本的には全社員、全職種が対象です。ただし、入社1年目の研修生については利用対象外です。
― 2022年度がほぼゼロだった利用者が2023年度は300人に。成功要因は?
元藤:心理的ハードルを下げたことと情報発信の強化が大きいと思います。2024年度は昨年と同様か微増程度で推移しているとみています。
制度利用者の感想
― 実際に制度を利用された方からは、それぞれどのような感想や意見がありますか。
元藤:制度利用者にアンケートを実施していますが、元々の狙い通り「キャリアの幅が広がった」、「これまでの経験を評価してもらえる」などといったものがあります。また、「育児や介護により専念できるようになった」という声も出てきています。一方で、職場ごとにカルチャーがまったく異なるので、「異動後のキャッチアップに苦労している」といった意見も見受けられます。
渡辺:制度利用者のフォローアップに関しては、各職場でそれぞれ行っています。管理職が部下の成長に伴走できるよう、組織の管理スパン見直しを実施し、1人ひとりに対して、きめ細やかなケアとマネジメントを行っています。

社内制度のリアルを就活生が聞いてみた!
Job-Netによって、どのようなキャリアプランを描けたのか? 就活生が、社内異動を成功させた社員に本音を聞いてみました。
就活生にとってのメリット
― 2つの制度は、従業員の方たちや就活中の学生たちにとって、どのようなメリットがありますか。
渡辺:三菱電機は、社会で通用するビジネスパーソンに成長できる環境が整っています。 様々な事業分野や職種が当社にはある為、営業で入社したとして、Job-Netを通して、経理財務職に挑戦することも可能です。制度を利用して自らチャンスを掴めるところは、大きなメリットではないでしょうか。
元藤:三菱電機の1番の強みは、事業分野の幅広さです。社内にいくらでも輝ける場があり、チャンスもある。Job-NetやCareer Challenge制度を利用し、社内転職に近いかたちで新たな分野にチャレンジすることは、従業員としての自己実現につながり、ひいては会社の成長にもつながっていくと考えています。会社も従業員もWin-Winな制度ですね。
今後の展望
― Job-NetとCareer Challenge制度について、今後改善していきたい点や展望を教えてください。
元藤:制度を利用するハードルが下がったとはいえ、新たな分野にチャレンジすることは大きな決断だと思います。そういった課題も踏まえ、2024年10月からトライアル導入しているのが、社内副業制度「egg(Expand your work for Growth & to Gain fulfillment)」です。制度のポイントとしては、現行職務は担当したまま、社内の他の業務に兼務で取り組めるものであり、月の労働時間の約20パーセントを社内副業にあてられます。多様な選択肢の中から自分に合ったキャリア支援制度を活用しつつ、キャリア自律について考えていただきたいです。
渡辺:三菱電機にどういった事業があるかを正しく把握している人が、まだまだ少ないように思います。キャリア形成を考えるにあたって、まずは三菱電機にどのような事業分野があるかを知っていただき、そのうえで、2つの制度をうまく活用していただければ理想的ですね。

プロフィール
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INTERVIEWEE
人財統括部/グローバル人財部渡辺 祐介
2010年入社。兵庫県のコミュニケーション・ネットワーク製作所、本社・事業本部にて人事に携わる。その後、他社へ転職し人事制度企画を担当した上で、2年後にカムバック。広島県の福山製作所での勤務を経て、本社・人財統括部に異動。経営幹部層の配置を担当している。
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INTERVIEWEE
人財統括部/グローバル人財部元藤 和也
2016年入社。長崎製作所(現:伊丹製作所・長崎工場)の人事を経て、2021年にチーム創生プロジェクト※に参画。2022年より本社・人財統括部で人事処遇制度の改定などに携わる。
※全社的な組織風土改革に向けた取り組みの一環として、社内公募で選ばれた45名の若手・中堅従業員の有志メンバーからなる全社変革プロジェクト
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※掲載されている情報は、2024年12月時点のものです。
制作: Our Stories編集チーム