
宇宙・衛星通信関連事業

天文学発展や宇宙状況把握を支える望遠鏡、
身近な宇宙利用を支える地上管制システム
すばる望遠鏡、ALMAなどの大型望遠鏡は、電子通信システム製作所が世界に誇る望遠鏡技術を駆使したものです。電子通信システム製作所の望遠鏡技術は国際共同プロジェクトの次世代超大型望遠鏡TMTや、スペースデブリ観測を目的とした宇宙状況把握システムでも活躍しています。また三菱電機の衛星通信技術を活かした、ロケットや人工衛星との通信・監視体制を担う地上管制設備は、小型月着陸実証機「SLIM」等による天文学の発展や、準天頂衛星「みちびき」、気象衛星「ひまわり8・9号機」等による身近な宇宙利用に貢献しています。
総務人事担当から一言
三菱電機の宇宙事業について、人工衛星本体は鎌倉製作所が、人工衛星と通信を行うのに必須である地上側の設備やシステム、すばる望遠鏡やALMAなどの大型望遠鏡は電子通信システム製作所が担当するというような役割分担になっています。

主な製品
望遠鏡システム
-
すばる望遠鏡は、ハワイ島マウナケア山頂にある大型光学赤外線望遠鏡です。望遠鏡の心臓部である主鏡は口径8.2mの一枚鏡となっており、261本のアクチュエーター制御によりたわみを防ぐことで、天体からの微弱な光を集め、世界最高クラスの解像度での観測を実現しています。
-
スペースデブリ観測用光学望遠鏡は、岡山県にある美星スペースガードセンターにあります。宇宙空間の安全利用のため地球を周回するスペースデブリ等を把握する宇宙状況把握システムの一部をなすもので、スペースデブリの状況をより正確に把握し、人工衛星との衝突リスクを低減し、我々の暮らしに欠かせない人工衛星を守ることに貢献しています。
-
TMT(Thirty MeterTelescope)計画は、国際協力により標高4,200mのハワイ島マウナケア山に建設される、30m口径の次世代大型光学赤外線望遠鏡。高い観測性能により、宇宙や生命の起源、宇宙構造を究明することが期待されています。電子通信システム製作所は、2,000トンを超える望遠鏡本体構造やそれを精密に駆動する制御系、主鏡交換ロボットを担当し、開発・詳細設計に取り組んでいます。
-
アルマ望遠鏡は、標高約5,000mに広がるチリ・アタカマ砂漠で66台の高精度なパラボナアンテナで構成される電波望遠鏡を、日米欧が協力して運用する国際協力プロジェクトです。日本はアルマ望遠鏡全体の画像精度を飛躍的に向上させることができる16台のパラボナアンテナ(愛称「いざよい(十六夜)」)を担当し、その開発・製造を電子通信システム製作所が担当しました。
-
太陽観測衛星「ひので」に搭載されている可視光磁場望遠鏡は電子通信システム製作所が開発・製造を担当。衛星内部の機器が発生する小さな振動による撮像のぶれを防ぐ技術で高志向安定度を、軽量で主鏡の変形を極限まで抑えた構造で高分解能を実現しています。「ひので」は、世界中の研究者が利用できる、太陽の謎を解き明かす貴重な衛星として、これまで数多くの成果を挙げ、科学の発展に貢献しています。
追跡管制システム
-
静止地球環境観測衛星「ひまわり8・9号」の運用管制を行う、直径9mの送受信アンテナ及び衛星管制設備は、その設計・製造・現地据付工事から管制用ソフトウエアまで電子通信システム製作所が担当。衛星への運用指示回数を、2.5分間隔(従来は1日1回)で指示することで、台風の監視やゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の監視など即応性の高い領域ごとの観測データの取得が可能となっています。
-
準天頂衛星システム(みちびき)はナビゲーションに代表される測位サービス及び災害時の安否確認サービス等を提供する衛星測位システムで、日本版GPSと呼ばれることもあります。電子通信システム製作所はその地上設備を担当し、サービスに必要な電波を送受信するアンテナや衛星の安定・効率的な運用を行う衛星管制ソフトウエアの製造を行っており、より高精度な位置情報ビジネスの発展に貢献しています。
-
美笹深宇宙探査用地上局54mアンテナは、1984年に三菱電機が納入し、現在も臼田宇宙空間観測所にて運用中の深宇宙探査用64mアンテナの後継です。既存アンテナより口径は小さくなっていますが、鏡面精度、指向精度、受信機の性能向上等により、64mアンテナと同等の受信性能を有しています。また、大容量のデータ通信が可能なKa帯受信にも本アンテナより対応し、今後は、小惑星探査機“はやぶさ2”や水星磁気圏探査機“みお”といった深宇宙探査機のミッションを支えていきます。
衛星通信システム
-
衛星通信は広域性・同報性・対災害性に優れ、緊急時に使用できる通信手段として必要不可欠な存在です。三菱電機は約半世紀に渡り最先端の衛星通信技術により安定した通信インフラを提供し続けてきました。2013年には世界初のヘリコプター衛星通信(ヘリサット)システムを市場投入し、衛星通信の未来を開拓し続けています。
-
三菱電機では国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で、厚み3cm以下Ka帯対応航空機用電子走査アレイアンテナ(AESA)技術を開発しました。大型機から小型機まで機体サイズに左右されず搭載可能で、高緯度地域にも対応しているため、世界中の航空路で、オンデマンド動画再生など高速インターネットサービスの実現に貢献します。

RECRUIT
私たちは「大きな変革は、今日の一歩から×信頼とコミュニケーションを力に」をスローガンに、
持てる技術を駆使して社会課題を解決し、安心・安全な暮らしに貢献しています。
目まぐるしく変化していく不確実性の時代においても、仲間たちと積極的にコミュニケーションをとりながら、
どんなに小さなことでも毎日こつこつ積み重ねることが大切だと考え、たゆまぬ変革をチームワークで推し進めています。
私たちの持つ技術が今まで以上に社会から求められている中、
さまざまなバックグラウンドの方が持つ経験・知識を結集させ、社会の発展にもっと寄与していきたいと考えています。
ぜひ、さらなる飛躍に向けて、
私たちと一緒にチャレンジしませんか?