きめ細かなフォローと念入りな準備が安定した電気供給をもたらす
現代社会において、電気は欠かせないライフライン。「系統変電システム製作所」では、地球環境への配慮や生産効率など、多様化するニーズを高い技術で実現し、電力インフラの未来を創造しています。主な事業は、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)や変圧器、電力系統システムなどの開発と製造。開閉機器製造部でGISの機能設計を手がける穆雨薇に現在の業務内容からやりがいなどのお話を聞き、技術で未来の電力インフラを支える仕事に迫ります。
電力・産業システム事業本部
系統変電システム製作所
開閉機器製造部
穆 雨薇-Ura Boku-
- 2021年4月入社
- 2021年5月~
現在電力・産業システム事業本部 系統変電システム製作所 開閉機器製造部。国内GISの機能設計に従事
系統変電システムとは、各国系統電圧に対応した変電機器やシステムのこと。発電所などの電力インフラが稼働する上で、不可欠な製品です。三菱電機は、この系統変電システムの分野において、80年以上にわたり、国内外へ製品を供給し続けています。その開発・生産拠点が、系統変電システム製作所です。穆が機能設計を担当するGISは、発電所に欠かせない、安全装置の役割を果たします。安定的な電力供給に貢献する、精密な機械づくりの裏側とは——。
穆「機能設計は、生産工程の始まりに位置する、いわゆる上流部門。GISの機種選定から据付まで、案件全体を技術面で広くフォローしています。本社・支社営業からのヒアリング内容をもとに適した機種を選び、客先にGIS機器の詳細仕様を確認するのが機能設計部門の役割です。その内容を部品設計や手配業務を遂行する生産設計の担当部門へ展開します。営業部門と腰を据えて話すのは、この製作所では機能設計部門のみのため、細部まで認識をすり合わせることが大切。生産設計部門へ正確に伝達するよう意識しています。また、全体的観点を踏まえたスケジュールの調整も機能設計の担当。当初の設計通りにGISが製造されていくことが、やりがいとなっています」
機能設計の担当者は、営業と直接関わります。案件が進行してからも、クライアントの意向をくみながら、技術面でのサポートを行います。中でも重要な業務が、据付に先立った現地調査なのだと言います。
穆「GISは発電所などに取り付ける非常に大きな機器のため、現地調査はとても大切です。設置場所の確認のほか、電線の引き方はどうするか、GISという大きな機器をどの道路を経由して運ぶかなど、据付の段階で生じる問題を前もって検討します。発電所の多くは郊外にあり、中には駅から何時間もかかる場所も。図面にないものが存在するなど、現地に行かないと分からないことも多いため、見落としがないよう、丁寧に確認することを心がけています」
細心の注意を払いながら業務に励んでいる穆は、現在入社2年目。
先輩からの的確なアドバイスを受けながら、経験を積み重ねているそうです。
穆「現在の担当案件は、先輩方から引き継いだものが中心ですが、新しい担当案件も増えています。まずは先輩方と同等の専門知識をつけるため、GIS機器が作動する仕組みなど、基本的な内容から応用まで、業務を通じて幅広く学んでいます。さらに、さまざまなクライアントに対しても案件が説明できるよう、日本語も英語も勉強中。中国出身というバックグラウンドを活かし、将来は海外案件も受け持つのが目標です」
先輩方の背中を見ながら、自分の強みを活かす方法を探っている穆。マイカレンダー休暇制度(個々人が計画的に年休日を3日指定し取得する制度)を活用し、中国の春節の時期に合わせた休暇を事前に確保しているそうです。現代社会のライフラインを陰ながら支える。穆の努力が、電力インフラの未来をつくっています。
わたしたちの三菱電機オノマトペ
生産の上流部門にいるからこそ、全体の工程に対する影響を加味して、小さなミスすらも発生させないように留意しています。
図面の作成、工程管理など、細心の注意を払っています。
※記事、所属・役職及び写真は取材当時のものです。
真面目な国民性にひかれ、大学卒業後に中国から日本へ留学。
外国籍の同期も複数人おり、みんなで遊びに行くことも。