需要と供給、そして人の想いにジャストフィットする生産システムを
広島県にある福山製作所では、「配電用遮断器」や「電力管理用計器」などの製品を生産しています。聞きなじみのない名前ですが、いわゆるブレーカーや電力メーターとして、実は身の回りで役立っているものばかり。そんな製作所を支えている生産システム推進部の大前幸平に、ご自身の業務について語ってもらいました。
FAシステム事業本部 福山製作所
生産システム推進部
大前 幸平-Kohei Omae-
- 2019年4月入社
- 2019年6月~
2022年3月福山製作所。小形遮断器の製造ライン設計、JIT(Just In Time)改善活動を担当。 - 2022年4月~
現在DX推進による業務革新ワーキンググループに参加。主にPSI(Production Sales Inventory)情報の活用による業務効率化・システム改善活動を担当。
生産システム推進部は、現場環境の改善や生産ライン全体の見直しを通して製作所を支援する部署。特に福山製作所では大きな役割を担っています。その理由とは――。
大前「多種類の製品を同時並行でつくっていることが福山製作所の大きな特徴の一つ。必要な機種も台数も月によって大きく変動するため、多すぎず少なすぎず、最適なリソースで生産することがこの製作所には必要不可欠なのです。その実現のために掲げているモットーは『JIT(ジット)』。『Just In Time』の略で、必要なときに、必要なものを、必要な量だけつくることを意味します。シンプルな目標ですが、達成はなかなか難しいもの。例えば製品を構成する部品一つとっても、すべてが所内で生産できるわけではありません。製作所全体の生産スケジュールを把握しつつ、所内の部品製作を各生産ラインに割り振りしたり、時には所外へ外注したり。最小限の資源で最大限の成果を生む生産設計をすることが、生産システム推進部に与えられた使命です」
大前は、入社当初からOJTを通してさまざまな生産ラインの改善に取組んできました。初めて主体となって任された部品庫の改善支援業務では、現場の意見をくみ取る大切さに気づかされたそうです。
大前「『部品庫の改善』と聞いて自分が思いついたのは、全体のレイアウト調整。倉庫には、Aをつくるために必要な部品はここ、Bをつくるための部品はあそこ、というように、各部品が製品の種類ごとにまとめられていました。その保管場所を製品の製作頻度に応じて取り出しやすい位置に配置すれば、作業が効率的になると考えたのです。しかし担当者へヒアリングした結果、改善すべき点はまったく別のところにあることが分かりました。担当の方々が本当に困っていたのは、保管形態の煩雑さや台車のサイズによる運搬の不都合など、実際に作業をしなければ分からないような細かい部分。全体を俯瞰した改善の提案も大切ですが、それ以前に作業者の目線で物事を考えることの重要性を学びました」
現場とのコミュニケーションを通じて知った生産システム改善の心得。その教訓を生かし、今は所内のDX推進ワーキンググループで新たな業務革新に挑戦中です。
大前「現在は現場から少し離れ、DX推進の一環として、各生産ラインの部品手配などを担当する『工程係』が最適な部品手配を行うためのツールを開発しています。所内の製品生産数(Production)、販売数(Sales)、在庫数(Inventory)に関する情報、『PSIデータ』をデジタル化して一元管理できれば、従来よりもさらに効率的な生産体制が実現できるはず。製作に関わるすべての人の想いをくみ取れるツール開発を目指します」
時には部署間で意見が食い違うこともありますが、そんなときは互いの情報を共有し、現状を俯瞰して見る姿勢が解決の鍵だと語る大前。製作所を一つにする生産システム推進部の活躍が、さらなる躍進に貢献しています。
わたしたちの三菱電機オノマトペ
現場から営業まで所内のあらゆる人の声と向き合い、誰もが納得する、製作所に「ぴったり」な生産システムを考えます!
※記事、所属・役職及び写真は取材当時のものです。
入社の決め手は就職活動の際に参加した工場見学。
学生時代からものづくりの生産プロセスを学んでいた自分にとって、徹底した体制で生産システムを管理する福山製作所がとても魅力的に映りました!