FAQ(よくある質問)

Insulated Gate Bipolar Transistor の略で、MOSゲートを持つ電圧駆動型のデバイスで、コレクタ領域からのホールの注入により低オン電圧化を実現したデバイスです。

Reverse Conducting-IGBTの略で、IGBTとDiodeそれぞれの機能を備えた一体型の素子となります。 IGBTとDiodeは逆並列接続で使用されるケースが大半であり、これを1つの素子に集約したRC-IGBT適用により、従来のIGBT/Diodeの逆並列接続に比べ、小型化や実装コストの低減などのメリットがあります。

Melcosimでは過変調の計算はできません。
Melcosimの変調率は三相変調を基本とし、空間ベクトルパルス幅変調(SVPWM)や二相変調でも同じ変調率であれば同じ出力電圧として比較検討できます。
(SVPWMや二相変調では三相変調に対して2/√3=1.1547倍高い出力電圧が得られますので、SVPWMや二相変調を選択した場合には変調率を1.1547まで指定できます。)

製品により異なりますので、個別にお問い合わせください。

チップ状態、ウエハ状態での販売はカスタム開発の製品のみ対応しています。

個別にお問い合わせください。

アプリケーションノートに記載していますのでご参照ください。

アプリケーションノートに詳しく記載していますので、対象製品を選んで参照ください。

最大定格は制限機能や電子デバイスの制限条件(最大値または最小値)のいずれかを確立する値です。これは、環境および操作の指定された値に対して決定されます。従って、この最大値または最小値の値を超えてIGBTモジュールを使用する事はできません。

安全動作領域(SOA: Safe Operating Area)で、下記に示すデバイスのいずれかの動作モードにおいて、越えてはならない絶対的な上限を示しています。各SOAについて十分な確認を行い、適用条件と設計において適切なマージンをとった上で、決してSOAの規格を越えないことを確認して下さい。このマージンは、3つのSOA全てにおいて応用上の公差及び過負荷状態など全ての可能性をカバーする必要があります。
製品によって以下の規定(の一部)のないものもあります。
 ・逆バイアス安全動作領域(RBSOA):IGBTのターンオフ能力の限界
 ・逆回復安全動作領域(RRSOA):逆回復時の環流ダイオード(FWDi)の制限
 ・短絡安全動作領域(SCSOA):短絡条件におけるIGBTのターンオフ能力の限界

IGBTモジュール及びIPMは防爆構造となっていませんのでパワーモジュール内部のチップが破壊してアーム短絡となった場合にはシステムのバックパワーが大きいとアルミワイヤーが溶断してアークが発生し、その際に放出されるエネルギーによりパワーモジュールの外形が変形・破壊し、場合によっては周囲に構成材料を飛散させる(爆発する)可能性があります。
IPMでは短絡保護回路が内蔵されており、正しく設定すればほとんどのケースで短絡時であってもチップ破壊を防止することが可能ですが、パワーモジュール外部で構成される保護機能(Desatなど)によっては保護範囲が限定されます。
パワーモジュールの破損が想定される場合には、バックパワーを遮断する回路を付与したり、モジュール破壊時の飛散範囲を制限する構造にするなど対策を取ることが求められます。

必ず、熱伝導性の良いグリース(またはシート)を使用してください。
モジュールをヒートシンクに取り付ける際に、グリースを使用しないと著しく密着性が悪くなり、熱抵抗値が増大します。
一部製品には出荷段階でサーマルグリース(PC-TIM)を塗布したものもあります。

「仮締め」と「本締め」で、時間をおく必要はありません。
「仮締め」と「本締め」は、モジュールのベース板を放熱フィンの面に対して(放熱グリースを介して)均一に接触させること、および基板割れの防止を目的としています。
パワーモジュールは通常複数本のネジでモジュールを放熱フィンに取り付けますが、この際、最初に締め付けるネジを始めから規定の締付トルクで締め付けてしまうと、まだネジを取り付けていない部分が浮き上がったりして、その状態で2番目以降のネジを締め付けてもモジュールのベース板が放熱フィン面に対して傾いた状態となり、冷却(放熱)の不均一が発生する事があります。
よって、規定トルクの20%以下で全てのネジを仮締めする事でモジュールのベース板と放熱フィン面がほぼ並行になるようにし、更に規定のトルクで本締めする事で理想的な接触状態を実現するように、「仮締め」と「本締め」の二段階による取り付け方法を推奨しています。

Long Term DC Stabilityの略で、宇宙線による偶発故障の耐性を意味します。
宇宙線とは、宇宙空間を飛び交う、あるいは大気との干渉により発生する二次宇宙線を含む宇宙から降り注ぐ放射線の総称であり、その放射線の中の中性子が故障を引き起こす要因と言われています。

パワーモジュールを保管する場所の温度および湿度は、5~35°C、45~75%の常温常湿範囲内が望ましく、この温度、湿度から極度にかけ離れた環境では性能や信頼性を低下させることがあります。

可能であれば実施されることが望ましいと考えます。
「増し締め」は、モジュールを取り付けた装置などを動作させることで熱や振動が発生し、これらが影響してネジの締付トルクの低下を招く可能性がある場合に、再び規定の締付トルクをかけて適正な接触状態を保つことを目的とします。
したがって、モジュールを取り付けた装置などを動作させ、モジュールに熱や振動が加わった後に増し締めを実施すると効果的です。

通常、IGBTにおいてのデッドタイムは以下の式で表されます。
t(dead) ≧ tdoff(max) + tf(max)
回路条件によってスイッチング時間は変わりますので、実際のデッドタイムの設定にあたっては実動作条件下での確認が不可欠です。
IPM/DIPIPMではパワーモジュール内にパワー素子駆動回路を内蔵しており、回路の遅延も考慮する必要があります。当社ではIPM/DIPIPMの推奨動作範囲で短絡が発生しないことを確認し、デッドタイム推奨値を設定しています。

規格の条件として記載しているパルス幅は、ゲートのオンパルス幅を示しています。
10μsの時間における短絡耐量は、データシートに定義されている電圧、電流、回路条件下で保証をしています。
つまり短絡耐量は、素子がエネルギー破壊を発生しない条件として規定・保証されており、10μsという時間幅だけではなく、短絡発生時の電力量(電流×電圧×時間)としてご考慮いただくことを、お願いします。
なお、製品によってtwは変わりますので、詳細は個別データシート、アプリケーションノートをご確認ください。

パワーデバイスの各ページ下部の"製品検索"をクリックすると製品カテゴリが表示されます。
パワーモジュール、大電力デバイス、HVICの3種から該当する製品群にチェックを入れ、 絞り込み条件の"供給状態"で "生産中止予定"や"生産中止品"にチェックを入れて、 その他、"形名"等の事項を入力後、"検索する"をクリックすることで表示できます。

通電の繰り返し/非繰り返しについては、以下の定義としています。
     繰り返し:接合温度が下がりきらないうちに再度通電が行われる。
     非繰返し:通電後、接合温度が通電前と同じ温度に下がるまでは再度通電されない。
この定義の下で、±ICPは非繰返し1ms以下の定格値を保証しています。
ただし、±ICP以下であっても、あるいは一回の通電であっても「Tjmax:動作接合温度」や「TC:動作モジュール温度」など他の最大定格項目が規定の定格値を超えた場合には保証外のご使用になります。
また、頻繁に大電流を流すことは温度リプルが大きくなることが想定されますので、寿命故障について十分ご検討ください。

±ICを超える期間が±ICPの定格値・条件内であればご使用いただけます。
三菱電機では製品において最大定格を定義し、この規定の中で設計し、品質・信頼性を確保しています。
市場の高い品質要求に応えられるように設計しているため、お客様の使用環境・条件によっては最大定格を越えても破壊や故障なく動作しているケースがあるかもしれませんが、三菱電機の保証外になります。
また、頻繁に大電流を流すことは温度リプルが大きくなることが想定されますので、寿命故障について十分ご検討ください。 なお、お客様の個別使用条件での保証範囲拡大要求を否定するものではなく、カスタム製品開発案件としてお話を伺い事業性を勘案して対応させていただくことが可能です。

±IC, ±ICPは直流通電の場合の定格を示しています。これに対してIOPは正弦波出力電流のピーク電流を示しています。
パワーデバイス構成要素のパワーチップのみならず総合的な制約から、当該製品については直流通電定格としての±IC, ±ICPを定義するとともに、交流電流(正弦波であればIO=IOP/√2 Arms)の定格を記載しているものです。
定格電流内でのご使用であっても、温度定格等他の最大定格を越えない範囲でご使用いただくとともに、寿命についてご検討した上でご使用ください。

VOTを使用しない場合にはNC(No Connection: 開放)としてください。
DIPIPM内オペアンプ出力がVOT端子に接続されていますので、制御GNDあるいは制御電源に直結するとDIPIPMの回路電流が増加します。

P端子と短絡してご使用いただくことは可能です。当該NC pinは内部でどこにも接続されていません。
(ただし、出荷時に全数検査で他端子間との耐圧・絶縁の検査は行っていません。)

DIPIPMのVOT(アナログ温度出力)につきましては、内蔵LVICの温度を検出していますので、DIPIPMの温度が徐々に上昇する場合は、接合温度TjとLVIC温度TICの温度相関を考慮して制御することで、温度保護が可能です。しかしながら、短絡や過電流により急激に接合温度Tjが上昇した場合については、TjとTIC間の温度差が瞬間的に大きくなり、VOTが上昇する前に接合温度Tjが最大定格を超えて破壊する可能性もあります。

DIPIPMの樹脂トラッキング性(CTI値)は PLC* グレード1 400≦CTI<600 となります。
    * Performance Level Category
なお、旧品種で上記と異なる製品がありますので、詳細が必要でしたら当社営業担当にご確認願います。

DIPIPM600V耐圧品のピン間2.5mmに関しては、J60335-1(動作電圧130V~250V)を参考にしており、最新規格(IEC60335-1:2010年版 と同じ)では1.5mm以上確保すれば規格を満足いたします。
ただし、ユーザー様によりましては社内規定として2.5mmを要求されることも多いため、600V耐圧のDIPIPMでは ピン間距離:2.5mm を設計する際の指標としています。

ランド形状の注意点としましては以下のとおりです。
①角ピンリードの対角線+0.2mm程度の丸穴を開け、パターン切れを起こさないようなランドとしてください。
②沿面距離を確実に確保し、必要に応じてパターン間にスリットを設置願います。
その他当社評価基板もありますので、参考として下さい。最終的にはお客様の基準にて設計をお願いします。

DIPIPMの外観基準においては、銅箔の酸化膜由来の変色は全て許容しています。
SLIMDIP、超小型、小型などのパッケージでは放熱面に銅箔が露出しています。銅製品を大気中に保存すると、表面に非常に薄い酸化膜が形成されます。この酸化膜は光の波長と干渉するほど薄いため、酸化時の条件によって様々な色になります。酸化膜厚はnmオーダーと薄いため、酸化による色合い、すなわち酸化膜厚を制御することは困難です。
この酸化膜は非常に薄いため、製品の熱抵抗に影響を与えることはありません。またこの酸化膜は極めて堅牢で安全性が高いため、どのような色合いであっても、DIPIPMの特性や長期ご使用などの信頼性に影響を及ぼすことはありません。

DIPIPMの製品形名は実装基板側面に記載しているため、基板に実装すると製品形名が見えなくなります。DIPIPM搭載基板の形名の一部が確認できるように穴を開けておく方法はあります。製品形名の具体的なマーキング位置はパッケージやシリーズで異なりますので、詳細はアプリケーションノートをご確認ください。
なお、SLIMDIPシリーズであれば、SLIMDIP-「L」など形名末尾で判別できますので、取り付けねじ用に基板に開けられた穴からも確認可能です。

VSC端子を使用せず外部回路で短絡検出される場合は、規定のセンス抵抗より大きな抵抗でプルダウンしてください。センス抵抗値は製品で異なりますので、詳細はアプリケーションノートをご参照ください。
CIN端子を使用してDIPIPMのSC保護回路を動作させる場合は、短絡検出時にCIN端子に信号を印加することで下アームのIGBTの遮断が可能となります。外部のシャント抵抗で電流を検出される場合は、コンパレータなどを使用してCIN端子に1V以上(5Vでも可)を印加してください。またシャント抵抗部の電圧が大きいとIGBTの通電能力が低下いたしますので、シャント抵抗部の電圧降下が0.5V程度になるよう抵抗値を設定願います。

コーティング材やポッティング材には様々な材質がありますので、お客様がご使用される樹脂材を用いて十分な評価とご確認のもと、お客様での使用の判断をお願いしています。
例.樹脂材がDIPIPMとヒートシンク間に侵入し、放熱性が低下しないか。
   熱による樹脂材の膨張・収縮により、DIPIPMに大きな応力が印加されないか。

熱抵抗は部材ばらつき、製造ばらつきを考慮した上で、データシートには最大値を記載しています。
当社製品を安全にご使用いただくため、お客様での熱設計につきましては、熱抵抗最大値を考慮し設計いただくことを推奨します。

2Dコードは当社内部用のため、お客様での製品トレースにはご使用できません。

各評価基板ごとのマニュアルを準備していますので、詳細はお問合せください。

電源短絡してDIPIPMが破壊するまでの時間は数μsです。ヒューズの溶断時間は一般的にmsオーダーですのでDIPIPMを保護することはできません。
ただし、半導体が破壊した後に後続電流で破壊の影響が及ぶ範囲を限定する目的でヒューズを入れることには有用性があります。一般的には安全規格に沿って、ACラインにヒューズを入れられますが、直流母線の平滑コンデンサ(電解コンデンサ)の充電電荷によるDIPIPM破壊を最小限に抑えるために電解コンデンサとDIPIPM間に直流用のヒューズを入れることはあります。

パワー素子の進化によってスイッチング時の波形(特にテイル電流)が変わってきています。
テイル電流が短くなったことから、ターンオフ時の切れが良くなっています。 これはtc(off)の規格最大値を小さく設定できていることからも理解いただけるかと思います。
テイル電流はスイッチングロスの大きな部分を占めていると同時に温度依存性(高温になると長くなる傾向がある)によって、デッドタイムを設定する際に注意すべき特性項目です。

推奨使用条件のPWIN(on)、PWIN(off)規格最小値より短いパルスを入力した場合は、出力が応答せずDIPIPMが反応しない可能性があります。また、品種によっては反応してもターンオンが遅れる場合があります。

175℃でJEITA規定の信頼性試験は実施し、すべて問題なく合格判定となっています。
しかしながら、物性的に樹脂のガラス転移温度は175℃よりも低い温度となっており、国際標準的に定められている信頼性試験をパスしているからといって無条件に「安心してご使用下さい。」と言うことではありません。
DIPIPMは、様々なお客様・用途・地域で数多くご使用いただいており、極めて低い市場不良率の実績がありますが、現時点で樹脂のガラス転移温度を超えた175℃での長期使用市場実績は持っておらず、最大接合温度定格については、あえて過負荷等を想定した「最大瞬時接合温度」と瞬時の表現を用いています。
上述の信頼性試験結果が必要でしたら、レポートは提出させていただきますので、150℃を超え 175℃以下の使用時間につきましては、信頼性確保の観点よりお客様にてご判断願います。

MSL(Moisture sensitivity Level)は吸湿性に関する指標であり、主にリフローはんだ付けを行う表面実装品で用いられ、リフローによる内部水分の膨張による外形破壊が起こらない保管条件を示します。 DIPIPMについてはリフローはんだ付けは不可のため、MSLは規定していません。SOPIPMは表面実装型のため JEDEC MSL3相当としています。

CIN端子は制御GNDに接続してください。VSC端子は当社推奨のセンス抵抗値以上でプルダウン接続してください。

並列接続した場合、DC特性のばらつき、SW特性のばらつき(IC、IGBT遅延時間、パターンの問題)により、電流の不平衡が生じ、一部のチップに大きな電流が流れるため、過電流破壊の可能性があります。また、SWばらつきをソフトで矯正するのも技術的な難易度が高く、推奨しません。

推奨・提案しているツェナーダイオードは、制御電源電圧を安定化させる目的では無く、定格電圧を超えるサージ(短時間外来過電圧ノイズパルス)に対する保護の目的です。目的がサージ吸収であること、ばらつきや温度特性を考慮し、実験結果で裏付けを取った上でVz=24Vのツェナーダイオードを推奨しています。また、ツェナーダイオードの許容損失が小さいとツェナーダイオードに電流が流れた場合、ツェナー電圧が上昇しやすくなりサージ吸収能力が低下しますので、1Wを推奨します。

電装基板の組み立て工程において、DIPIPMに放熱フィンを取り付けた後にはんだ付けする場合に端子幅が広いと、はんだ付け時の熱がヒートシンクに逃げてしまう問題があったため、あえて開発初期は細くしていました。
超小型DIPIPMが普及するにつれ、DIPIPMの性能範囲をしっかり使用しても信頼性に問題ないことが広くご理解いただけ、通電電流値を高くしてご使用になられる傾向があります。 はんだ付け性能が背反事項であることは認識した上で、超小型DIPIPM Ver.7では端子幅を広くする決断をしました。 従来の超小型DIPIPMから置き換えられる場合は、通電時のDIPIPM端子温度上昇が低くなる半面、はんだ付け性が悪化している可能性がありますので十分ご確認ください。

端子のめっき厚みは10µm(typ.)です。

DIPIPMのようにパワーチップと制御回路や保護回路を1パッケージに集積化したメリットは多数あります。
・内蔵ICで温度や状態をモニタすることで、早く・確実に保護することができ、短絡耐量を短く設定することができます。
・短絡耐量と損失はトレードオフの関係にあるため、DIPIPMはIGBTモジュールに比べて低損失となります。
・制御回路や保護回路の作り込みや、ゲート駆動能力の検証、dv/dt耐量の調査なども不要です。
「つなぐだけで使える」をコンセプトにしており、品質の改善が期待できます。

DESAT方式は保護範囲がかなり限定されますが、比較的簡易な方式としてIGBTモジュールの場合に使用されます。
大電流を扱うIGBTモジュールでは外部で保護をかける必要があり、保護をかけるのに時間がかかるため、短絡耐量を高く設計しています。そのため、電流センサもしくはDESAT方式を採用することが多くなっています。
また、シャント方式では、シャント抵抗部に損失が発生し発熱するため、IGBTモジュールなどの大電流用途では発熱が大きくなり適していません。

デッドタイム短縮の要求が強いことは承知していますが、推奨使用条件に従いデッドタイムを設定ください。
デッドタイムの短縮に向けて、ton/toffの調整やテイル電流の低減等進めておりますが、ばらつきを加味し、温度範囲内で、上下アーム短絡を起こさず、且つスイッチングロスを増加させることなく、ご安心してご使用いただける推奨値としてデッドタイムを設定しています。

アブソーバを設置し、平面のヒートシンクを使用して±4kVまで問題ないことを確認しています。
周辺回路やヒートシンク形状、絶縁シート有無により変わりますので、お客様のセットにてご確認をお願いします。

J1シリーズをラインアップしています。

自動車の走る曲がる止まるにかかわるモータを制御するインバータ用として開発されたモジュールとなります。当社は'97年の世界初のハイブリッド自動車に搭載され次第、車載用パワー半導体を量産しており、J1シリーズはその技術をもとに汎用用途向けとして開発したものとなります。 産業用 IGBT モジュールをベースに開発され、より信頼性を高めた IGBT モジュールとなっています。

IEC、JEITA、AQG324の信頼性ガイドラインに準拠した試験を行っています。

J1シリーズはCSTBT™ 構造を採用した第7世代IGBTの搭載により、コレクタ・エミッタ間飽和電圧を当社従来製品Jシリーズより低減し、低消費電力化に貢献します。また、冷却フィン一体の直接水冷構造により、当社従来製品Jシリーズより放熱特性を40%向上し、自動車用インバーターの小型化・高信頼化に寄与します。 6in1化により、従来の2in1製品を3台使用した場合に比べて実装床面積を縮小し、インバーターの小型化に貢献します。

トレンチゲートに電荷蓄積層を追加した構造(CSTBT™)により、ターンオフエネルギーEoff とコレクタ・エミッタ間飽和電圧 VCEsat のトレードオフ性能を向上しています。また、IGBT の中央にオンチップ温度センスダイオードを配置しており Tvj を直接測定することが可能です。オンチップ電流センスも搭載しています。

詳細は製品データシートを参照ください。

オンチップ温度センサの測定電圧により、Tvj を算出します。

電流センサ出力端子と制御端子エミッタ間に接続するセンス抵抗 にて、電流センサ出力を電圧に変換し過電流保護等に用います。

ゲート駆動信号および IGBT オンチップセンサ出力等のアナログ信号を入力する入力および制御系と 数10~数100mAの比較的大きな電流を入出力する出力系を分離することで、入力および制御系の 電源・GND電位の変動による誤動作を防止可能です。

インバータ回路などでは上下アーム短絡防止のため、駆動信号のシーケンスに上下アーム休止時間(デッドタイム)を設ける必要があります。

当社ゲートドライバIC M8160xJFPをご使用いただく事で、OC, SC, UV, OTのいずれかの保護機能が動作し Foが出力されます。

J1 シリーズのデータシートに過渡熱特性を掲載していますのでそちらをご参照ください。

データシートに測定回路や測定条件を記載していますのでご参照ください。

形名からモジュールタイプ、定格電流、結線、パッケージタイプ、定格電圧、シリーズが読み取れます。
一例を下記に示します。詳細は対象製品のアプリケーションノートを参照ください。

    (例) CM1800HC-66X
      CM:モジュールタイプ(IGBT)
      1800:定格電流(1800A)
      H:結線(1in1)
      C:パッケージタイプ(AlSiCベース版、6kV絶縁)
      66:定格電圧の1/50 (66x50=3300V)
      X:シリーズ名

データシートに記載の値は推奨する標準値であり、かつ最小値です。ゲート抵抗はデータシート記載値以上の範囲でご使用ください。
なお、ゲート抵抗を大きくするとスイッチング損失が増加しますので、ご注意ください。スイッチング損失のゲート抵抗依存性カーブは、データシートの特性カーブにてご確認いただけます。

HVIGBTでは、ゲート抵抗RGの値としてMOSFETなどの内部抵抗を含めても問題ありません。
ただし、半導体の内部抵抗は温度などにより変化しますのでご注意ください。

一般的にIGBTには電圧を自己クランプする特性がありますが、当社HVIGBTモジュールで推奨する駆動条件、回路条件下でご使用頂いている場合、静耐圧以下でクランプする事はありません。
ただし、過大な電流減少率(-di/dt)や電圧上昇率(dv/dt)で動作させた場合などにおいて、静耐圧以下での電圧クランプが発生する場合がありますので、その際には駆動条件や回路条件をご確認願います。
なお、仮に電圧クランプが発生しても、電圧クランプが非繰り返しかつ非常に短い時間であれば素子の破壊耐量には問題ありません。