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管制局CONTROL STATION
美笹深宇宙探査用地上局(GREAT)
美笹深宇宙探査用地上局54mアンテナは、1984年に当社が納入し、現在も臼田宇宙空間観測所にて運用中の深宇宙探査用64mアンテナの後継です。既存アンテナより口径は小さくなっておりますが、鏡面精度、指向精度、受信機の性能向上等により、64mアンテナと同等の受信性能を有しています。また、大容量のデータ通信が可能なKa帯受信にも本アンテナより対応しております。今後は、小惑星探査機”はやぶさ2”や水星磁気圏探査機”みお”といった深宇宙探査機のミッションを支えていきます。
- 納入先
- 宇宙航空研究開発機構
- 運用開始日
- 2021年4月1日
- 建設地
- 長野県佐久市
- アンテナ方式
- 鏡面修正リングフォーカスカセグレン方式
- 直径
- 54m
- マウント方式
- Az-El方式
- 給電方式
- 集束ビーム給電方式
- 対応周波数帯
- X帯送受信、Ka帯受信
- 当社担当
- アンテナサブシステム
日本最大級の地上局アンテナ開発
美笹深宇宙探査用地上局54mアンテナは地球から遠く離れた深宇宙探査機と通信を行うアンテナとしては臼田64mアンテナに次ぐ日本最大級、世界でも有数の大きさのアンテナです。
本アンテナは、天頂を向いた際の高さは約70mと20階建ての高層ビルの高さに匹敵し、さらに2,000tを超える総重量を持つ大規模な構造物です。
高精度で拡張性の高いシステム性能
本アンテナは非常に大きな構造物でありながらも、何億キロもかなたの深宇宙探査機との通信を行うべく微弱な電波を効率よく取り込むため、アンテナ鏡面の凹凸具合は0.6mm(クレジットカード1枚分程度)にまで抑えられるように精密に製造されています。また、自らの重みでの変形により常に変わる主鏡と副鏡の位置関係を最適に保つ制御技術、日射による熱変形の抑制、さらに、アンテナを探査機にピンポイントで指向させる精密駆動制御技術など、三菱電機が過去から培ってきた技術力を結集して非常に高精度なシステムを構築しております。また、将来に備え新たな受信系を増設するポートを用意するなど拡張性も有しており、今後の惑星探査をはじめとした宇宙科学の発展に寄与できるものとなっております。
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