だいち2号(ALOS-2)
だいち2号は、宇宙航空研究開発機構殿のご指導の下、2009年度より開発を行っております。災害時の状況把握、地図更新の国土管理、海洋、森林監視など多岐に亘りミッションを担っており、国のインフラとして重要な役割を果たす衛星です。
納入先 | 宇宙航空研究開発機構 |
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打ち上げ時期 | 2014年5月24日(土) |
打ち上げロケット | H-IIA |
打ち上げ場所 | 種子島宇宙センター |
軌道 | 太陽同期準回帰軌道 |
質量 | 2トン級 |
電力 | 約5kW |
設計寿命 | 5年(7年目標) |
当社担当 | プライムコントラクター |
大地の表情を見つめる
昨今増加している大規模災害や気候変動。我々の地球は日々刻々と姿を変えます。「だいち2号」は、ダイナミックに姿を変える地球を、「合成開口レーダ」という技術により、昼夜、雨天を問わず常時観測が可能な人工衛星です。 大地震などの災害が発生した場合、早期状況把握、発生後の被害状況、復旧・対策の状況把握を行います。また、国土の地図情報の更新や火山活動の監視、冬期のオホーツク海における海氷の監視などにも貢献します。「だいち2号」は我々の地球の表情を常に宇宙から見守り、国の重要なインフラとして我々の生活に貢献します。
世界最高クラスのLバンド合成開口レーダで見つめる
「だいち2号」では、最高1m~3mの高い分解能により、前号機である「だいち1号」(分解能10m)では識別できなかった地球の表情を捉えることが可能になります。また、最高490kmの広い範囲で観測が可能になり、海洋などの広域の監視にも抜群の効果を発揮します。さらに、「だいち2号」から左右観測が可能になったため、迅速に観測できる範囲を3倍程度(870km→2,320km)にまで広げ、観測する頻度を向上させます。
「だいち2号」は、日本が牽引してきたL帯合成開口レーダにおいて、世界トップクラスの技術の導入により、より細かく、より広く、より鮮明に、大地の表情を捉えます。
高度な観測を支える最先端技術
より鮮明な観測データを得て、それを一早く利用するためには、合成開口レーダのハイパワー化と大量の観測データを迅速に地上へ送る技術が必須となります。この技術を実現させるため、ガリウムナイトライトという最先端デバイスを組み込んだハイパワー送受信機の開発、観測データの大容量化に伴う高速処理技術(データ圧縮方式)の開発、従来の数倍以上のスピードで地上へデータ伝送可能な16QAM方式の高速データ送信機の開発をしました。これらの最先端の技術により、多様な観測を支えます。
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