このページの本文へ

ここから本文

宇宙システム総合サイトメニュー

人工衛星SATELLITE

準天頂衛星システム「みちびき」(QZSS)

準天頂衛星初号機

赤道に対して角度を持ちつつ、地球の自転と同じ周期で回る軌道を通る準天頂衛星。日本の天頂付近への滞在時間が長い軌道を通るため、GPS衛星との相互補完によって、これまで測位が困難だった場所でも測位精度が向上します。三菱電機は衛星バスシステムの設計・製造を担当しました。

納入先
宇宙航空研究開発機構
打ち上げ時期
2010年9月11日
打ち上げロケット
H-IIA
打ち上げ場所
種子島宇宙センター
軌道
準天頂軌道
質量
約4,000kg
電力
5,300W
設計寿命
10年
当社担当
プライムコントラクター(バス)

準天頂衛星2~7号機

初号機と2~4号機による4機体制が確立された現在、常に日本の天頂付近に準天頂衛星が滞在しています。2018年11月1日から、24時間途切れなく準天頂衛星によるGPS補完・補強のサービスを受ける事が可能となりました。
三菱電機は衛星システムの設計・製造を担当しました。

納入先
内閣府
打ち上げ時期
2号機:2017年6月1日
3号機:2017年8月19日
4号機:2017年10月10日
初号機後継機:2021年10月26日
5号機:2025年度(予定)
6号機:2024年度(予定)
7号機:2025年度(予定)
打ち上げロケット
H-IIA/H3
打ち上げ場所
種子島宇宙センター
軌道
準天頂軌道:2号機、4号機、初号機後継機、5号機
静止軌道:3号機、6号機、7号機
質量
2、4号機:約4,000kg
3号機:約4,700kg
電力
6,300W
設計寿命
15年以上
当社担当
プライムコントラクター

真上から日本を見守る

山間部や都心の高層ビル街では障害物にさえぎられて、測位衛星の信号が届きにくくなります。準天頂衛星は、その名のとおり“準天頂軌道”と呼ばれる、日本のほぼ真上を通過する軌道を飛ぶため、衛星からの信号が受信しやすくなります。

GPSの役割を補完

準天頂衛星の重要な働きの1つに、GPSの補完があります。正確な位置を知るためには、GPS衛星が頭上に4機以上見えていることが理想的です。GPS衛星が3機しか見えない時でも、準天頂衛星を4機目のGPS衛星として活用することで測位精度を改善できます。これにより効率や精度が重要となる緊急通報、災害対策などがより正確な情報に基づいて提供できるようになります。準天頂衛星には、私たちの生活に直結するさまざまなメリットが期待されています。

GPSを補強し精度アップ

準天頂衛星のもう1つの働きとして、GPSから配信される信号を補強し測位精度を向上させるという役割があります。
GPSによる位置の特定では、さまざまな条件によって誤差が生じており、その誤差を補正するため、日本全国にある電子基準点を利用します。電子基準点は正確な位置がわかっており、かつGPSの測位信号を受信していますので、GPS信号の誤差を特定できます。その誤差から補正情報を作り、その情報を準天頂衛星から送ることによって、さらに精度のよい位置の特定が可能になります。

準天頂衛星システム
センチメータ級高精度測位ソリューション

準天頂衛星システムは、2018年11月1日にサービス開始され、新たな測位社会の時代が幕を開けました。日本のほぼ真上から日本全国に測位信号を放送することで、ビルの多い都市部や山間部でも安定的に測位信号を受信することができます。

三菱電機は、さらに高精度な測位を可能にするセンチメータ級高精度測位ソリューションの実現に向けて取り組んでいます。センチメータ級の測位補強情報を準天頂衛星から放送し、高精度3次元地図と組み合わせることで安全運転支援・自動走行分野をはじめ、鉄道分野、IT農業分野、情報化施工分野など、社会のさまざまなシーンにイノベーションをもたらします。

※約1,300の電子基準点から構成される国土交通省国土地理院 GEONETの情報を基に生成。

3つのコアテクノロジー
準天頂衛星システム

日本のほぼ真上に位置し、高層ビル街や山間部の環境でも測位信号を広範囲に届けます。しかもその測位信号は、人や自動車の位置をセンチメータレベルで特定できる高精度なものです。

※三菱電機は、内閣府宇宙戦略室のもとで開発を進めています。

センチメータ級高精度測位端末

準天頂衛星システムからのセンチメータレベルの測位信号を受信し、高精度な位置情報を取得します。三菱電機の独自技術により小型化し、適用範囲をさまざまに広げていきます。

高精度3次元地図

MMSで取得した高精度な位置情報を入力することで、リアルタイムかつ自動的に地図が生成されます。

※MMS(Mobile Mapping System):走行しながら建物・道路の形状等の3次元位置情報を取得できる計測システムです。

ソリューション事例
安全運転支援・自動走行分野合流や車線キープをセンチメータ単位で見守る

センチメータ級測位システムによる高精度な位置情報で、合流時や走行時なども、自車がいまどの位置を通過しているか極めて正確に把握。スムーズで安全な自動走行を可能にします。

鉄道分野列車位置をセンチメータ精度でリアルタイムに把握

実際に運行されている列車の位置を、センチメータ級測位システムによりリアルタイムに把握できます。この測位情報を活用することで、乗務員の運転支援をはじめ、様々な運行サービスへの展開が期待できます。

IT 農業分野農業機器の走行を制御、無人・自走による高効率な作業を可能に

センチメータ級測位システムの利用により、トラクターなど農作業の機器の高精度な自動運転化が可能です。車庫から圃場までスムーズに移動、作付けや収穫など各種作業の無人化を支援。大規模農業の推進や効率化に寄与します。

情報化施行分野各種土木機器の作業や走行を制御、安全・確実な土木作業に貢献

高所、僻地、炎天下など、さまざまな悪条件がともなう各種土木作業の現場で、センチメータ級測位システムが各種機器の制御を支援。自動運転やモニタとの組み合わせによる高精度な遠隔操作などで、安全環境での作業を可能にします。

当ページで使用している画像の著作権は、三菱電機株式会社に帰属します。無断での使用や転載を禁止致します。