大型望遠鏡

TMT(Thirty Meter Telescope)

このプロジェクトは、日・米・加・中・印の5か国が分担して1台の望遠鏡を建設していく国際共同プロジェクトです。日本は望遠鏡本体構造、主鏡分割鏡の鏡材と一部研磨を担当し、そのうち三菱電機は本体構造を受注しています。本体構造は主鏡、副鏡、第三鏡、観測装置など、望遠鏡の中でも最も多くの構成要素と直接インタフェースする重要な部位であり、その製造には当社が過去に大型望遠鏡を製造する中で培ってきた総合力が十分に活かされています。

次代の天文学を担う圧倒的な性能

TMTの主鏡は、492枚の鏡を組み合わせることによって直径30m相当の鏡として機能します。この主鏡を含む光学系によりすばる望遠鏡の4倍程度の解像度、13倍の集光力を実現しました。TMTはもし月に蛍がいたとしたらその光が検出できるほどの感度を持っています。

巨大でありながらも精密な構造物

TMT構造部

本体構造のサイズは高さ、幅ともに50m以上、重量は2,000トン以上にもなります。主鏡を支える部分だけでも100トンになりますが、様々な方向に望遠鏡を向ける際の姿勢変化時も、その歪はわずか1mmに抑えられています。また、このような巨大な構造物を観測したい天体に精確に向けるための高度な制御技術にも当社のノウハウが活かされています。

免震装置を望遠鏡として初めて採用

TMTの設置されるハワイ島では火山性の地震が多く発生します。1000年に1度と言われる震度7クラスの大地震にも耐えられる免震構造を望遠鏡として初めて採用しました。