ディスカバリーキッズ科学実験館 ~コズミックカレッジ2014~ 東京会場レポート

コズミックカレッジとは

小学校3年生から6年生の親子を対象に、ディスカバリーチャンネルのハイクオリティな映像とJAXAが培ってきた本物の体験プログラムで「宇宙のふしぎ」を楽しく感じ、理解してもらおうという体験型サイエンス教室。2009年から開始され全国で約26000名の親子が参加しています。

三菱電機は日本の宇宙開発の初期から人工衛星を作ってきた会社です。今、地球のまわりでは約600機もの人工衛星が飛び、天気予報や通信、放送など私たちの生活に欠かせない、大事な仕事をしています。そんな人工衛星のことを知って宇宙を身近に感じてもらおうと取り組んでいます。

東京会場レポート 2014.09.14

見えないモノを見る→音やオーロラ実験に歓声

2014年9月14日、熱気にあふれる東京会場。

2014年のコズミックカレッジのテーマは『見えないと始まらない。見ようとしないと始まらない』。450年前に生まれた天文学の父、ガリレオ・ガリレイの言葉です。人間の目で見えるものは限られていますが、ガリレオが望遠鏡の観察から地動説を発見したように、最先端の技術を使って見ようとすれば、新しい世界が開かれてくるのです。

9月14日、東京会場の早稲田大学には約450名の親子が大集合。舞台は「火星」、子供達は「ミッションスペシャリストになるための訓練を受けている」という設定です。
見えないものを実感するために、様々な実験が行われました。たとえば「音」。音は空気を振動させ、波となって伝わります。昔は糸電話で音が伝わるときの振動を実感しましたが、コズミックカレッジでは糸の代わりにレーザーの光を利用。音の波を光が伝える様子を実感して、参加者から拍手が起こります。
また、宇宙には目に見えない「4つの力」があることも学びました。4つの力の一つ、電磁気力のはたらきで、地球上空にオーロラが発生します。通常は北極や南極でしか見られないオーロラを「電子レンジで作る」という実験を、全員が息をのんで見守ります。
まず真空ポンプで容器の中の空気を抜き、地球上空の大気を再現します。この容器を電子レンジの中に入れて、スイッチをおすと電子レンジから目に見えないマイクロ波(電磁波の一種)が出ます。太陽から吹く風「太陽風」のかわりです。見守ること数十秒。ついに電子レンジの中に紫色のオーロラが光りました!大人も子どもも大喜びです。

電子レンジでオーロラを作る実験に挑戦。まずは容器内の空気を抜きます。

電子レンジ内にオーロラが光った瞬間。会場の参加者もびっくり!

見えない電磁波を利用する人工衛星の活躍

気象衛星ひまわりは宇宙のどこを飛んでいるのかな?悩みながら記入中。

目には見えない電磁波を使って、人工衛星が地球の環境を見守ったり、生活に役立てたりしています。人工衛星について映像やクイズで楽しみながら学んでいきました。
ふだんの生活で一番身近な人工衛星は「気象衛星ひまわり」かもしれません。実はそれ以外にも様々な人工衛星があります。カーナビに使われる「測位衛星」、テレビ中継などの放送に使われる「通信衛星」や地球温暖化を監視する「地球観測衛星」など。日本だけでなく海外の人工衛星まで三菱電機が作っていることを学びます。

ではこれらの人工衛星はどのように作られ、宇宙のどこで働いているのでしょうか?
たくさんの部品を使い、厳しい試験の数々を合格して100点満点にしてから宇宙の飛び立つ人工衛星。参加者が一番頭を悩ませたクイズは、気象衛星ひまわりが飛ぶ場所です。
国際宇宙ステーション(ISS)は地球の高度約400kmを飛行していますが、いったい「ひまわり」は宇宙のどのあたりを飛んでいるのでしょうか?答えはISSの約100倍の高さ、約36,000km。自分の手でその場所を書いてみて、はじめて遠さや、そこにある理由を実感したようです。

お母さんといっしょに宇宙や人工衛星について学びます。

人工衛星には色々な種類があったんだ・・ふむふむ。

いつか宇宙に飛び立つために

火星飛行には往復約3年もの長い期間が必要です。狭い宇宙船内で、ずっと同じメンバーで過ごせばストレスもたまります。ストレスがかかると免疫力が低下する、つまり病気になりやすいことが知られています。そこで、ストレスを受けるとどうなるか、宇宙飛行士選抜試験で使われたことがあるホワイトジグソーパズルを行って実感してみました。

全員でホワイトジグソーパズルに挑戦中。

真っ白でわかりにくいし残り○秒!と言われると焦ります。

ストレスを感じると、唾液に含まれるアミラーゼの量が増えますが、参加者に協力してもらいパズルをする前後でアミラーゼの変化を調べたところ、パズル後に数値が上がっている方がいました。ストレスに負けない身体を作るには、免疫細胞の半数以上がある腸の環境を整えること、そのために食生活や早寝早起きなどが大切なことを学びました。

4人一組で声をかけあって共同作業。

そして、宇宙で仕事をするにはチームで力を合わせる協調性が必要です。授業の最後にはチームで共同作業を行いました。4人一組になり、ISSに貨物便「こうのとり」をドッキングさせます。4つの車輪一つ一つを4人で操作するため、息を合わせないと成功できません。初めて会ったお友達と声をかけあって、次々とドッキングを成功させていきました!

参加者の声

実験や映像、授業と盛り沢山の2時間。終了後は子供たちもお父さん、お母さんも笑顔がはじけていました。「人工衛星に興味があったが、工場の様子がわかっておもしろかった」という男の子、「オーロラを見ることができてびっくりした」という女の子、「去年、親子2人で参加して面白かったので、今年は家族4人で参加しちゃいました」というお母さん。授業が終わっても人工衛星の模型や展示を見たり熱心に質問したりして、参加者の皆さんの宇宙への関心はますます高まったようです。

ディスカバリーキッズ科学実験館
~コズミックカレッジ2014~

開催スケジュール

開催予定会場
  • 仙台会場 開催日時:2014年11月3日(月・祝) 開催場所:東北大学 片平キャンパス 詳細はこちら
  • 高松会場 開催日時:2014年11月30日(日) 開催場所:香川大学 幸町キャンパス北4号館 415講義室 詳細はこちら
  • 群馬会場 開催日時:2014年12月7日(日) 開催場所:東洋大学 板倉キャンパス 詳細はこちら
下記会場でのイベントは終了しました。沢山のご来場ありがとうございました。
  • 福岡会場 開催日時:2014年9月21日(日)
  • 東京会場 開催日時:2014年9月13日(土)、2014年9月14日(日)
  • 北海道会場 開催日時:2014年9月7日(日)
  • 京都会場 開催日時:2014年8月23日(土)、2014年8月24日(日)
  • 金沢会場 開催日時:2014年8月2日(土)