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北陸支社×立山黒部アルペンルート vol.1

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北陸支社 ✕ 立山黒部アルペンルート vol.1

INTRODUCTION

世界的な山岳観光ルートとして知られている、立山黒部アルペンルート。毎年4月の開通に向けて、雪原を掘り下げ、雪に埋もれた31.3kmに及ぶ道路の除雪作業が行われます。1月下旬の厳冬期からスタート、除雪機械19台で約3ヶ月の期間をかけて行われる作業では、高精度なGPS測位システムや「三菱モービルマッピングシステム(MMS)」と呼ばれる高精度3次元地図を利用した三菱電機のシステムが活躍、正確な道路の位置を割り出しています。

HIGHLIGHT AREA 北陸支社

1948(昭和23)年の開設以来、北陸3県において社会インフラ・製造業向け電機品から家庭向けの一般製品まで幅広い分野で地域の皆様に役立てるよう活動しています。

北陸支社 地域ビジネス活動

REPORTER わたしがご紹介します!

三箇 真理恵

日本でも有数の豪雪地帯にある、立山黒部アルペンルート。今年の開通時には、最大19mの雪の壁が出現!毎年、4月の全線開通に向けて行われる除雪作業では、一面の雪原から道路の正確な位置を見つけ出すために三菱電機の技術も活用されています。
富山県出身の私、三箇がリポートします!

北陸支社 三箇 真理恵 SANGA MARIE

富山と長野を結ぶ全長37.2kmに及ぶ立山黒部アルペンルートは、そのほぼ全区間が雄大な自然に恵まれた中部山岳国立公園の中にあり、数々の景勝地を満喫できる山岳観光ルートとして世界的に知られています。ルート内の交通は、自然環境への配慮から一般車両の通行が制限されており、高原バス、ロープウェイ、ケーブルカー、トロリーバスなど、6種類の乗り物を乗り継いで移動します。

雄大な自然を貫く、世界有数の山岳観光ルート

立山一帯の観光開発がスタートしたのは、1952(昭和27)年。黒部ダムの建設が本格化する中、資材運搬ルートの開設に併せて、立山黒部地域の一大縦貫ルートの完成を求める声が高まりました。
幾多の苦難を乗り越え、立山トンネルバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカーが完成、立山黒部アルペンルート全線が開通し、立山一帯は一大観光地へと生まれ変わりました。

立山信仰の歴史

立山は古来から地獄と極楽浄土が併存する山として山岳信仰の対象とされてきました。
『万葉集』にも「立山に 降り置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし」という大伴家持の歌(万葉集 巻17-4001)が詠まれており、当時から神々しい霊山として考えられていました。
平安時代になり、仏教が日本に広まると、古来の山岳信仰と仏教思想が結びつき、神仏渾然一体となった立山独特の信仰となって、修験者たちの修行の場として知られるようになります。
剱岳や室堂平にある「みくりが池」などの景観を針の山や地獄に見立て、立山には地獄と極楽浄土があるとして参拝を目的に登山する人が増えていきました。近世以降になると、地獄極楽図や開山の伝説などが描かれた「立山曼荼羅」を通じて布教されたことで立山信仰が全国的に浸透し、庶民の間でも立山に登拝する人が増えたといいます。

雪の大谷

見どころ満載の、一大観光ルート

立山黒部アルペンルートは、四季を通じて楽しめる見どころがいっぱいあります。立山の登山拠点として標高2,450mの最高地点にあり、眼前に3,000m級の山々が迫る「室堂」、タテヤマスギやブナの巨木が繁る広大な原生林に囲まれた「美女平」、南北2km、東西4kmにわたる大高原「弥陀ヶ原」、そして立山黒部アルペンルートの長野側の観光名所の「黒部ダム」は、日本一の高さを誇る日本最大のアーチ式ドーム越流型ダムです。
こうした多彩な観光スポットの中でも、毎年4月から11月の観光シーズンには、100万人もの観光客が訪れます。特に世界的に有名なのが「雪の大谷」。最高地点では、高さ20mにもおよぶ、雪の壁が約500mにわたって続く光景は圧巻です!

雪の大谷

高さ約20mの雪壁が続く、絶景の大谷ロード

立山室堂平は日本有数の豪雪地帯で、そのなかでも大谷周辺は、地形的に吹きだまりになることから積雪量が多く、その深さは15〜20mにも及ぶといいます。この降り積もった雪原を掘り下げてつくられた雪の壁の道が「雪の大谷」です。 室堂のターミナルから約500mにわたって歩行者専用の通路「大谷ロード」が開放される4月から6月には、台湾や香港などの海外からの訪日客も非常に多く、毎年、30万人近い観光客が訪れています。

雪の大谷は、どうやってできる?

「雪の大谷」は、雪で埋もれた道路をブルドーザーなどを使って少しずつ掘り下げながら、約1ヶ月間の除雪作業を経て整備されます。でも、あたり一面、真っ白になった雪原で、どうやって道路の位置を特定し、除雪作業を行っていくのでしょうか?

三菱電機の技術で、
雪に埋もれた道路を効率的に把握

除雪作業のポイントは、約20mもの雪に埋もれた道路の正確な位置を、どのように把握するか、です。
そこで活かされているのが、三菱電機の技術。
1つは、GPSによる位置情報に「電子基準点」から生成した測位補正値を付与することで、高精度な位置情報を取得する技術。もう1つは、「三菱モービルマッピングシステム(MMS)」というシステムを利用し、除雪作業の前に高精度3次元地図を作成する地図情報取得技術。
従来は雪が降り始める前に目印のポールを立てて準備をし、それを手がかりに行っていた除雪作業に、当社の技術も加わることで、より精度の高い除雪作業を実現しています。

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衛星からの距離を測り、
位置を特定するGPSの仕組み

GPSとは、「Global Position System」の略で、複数の衛星のデータから、地球上の自分の位置を知ることができるシステムです。
GPS衛星からは、発信時の正確な時刻・位置を含んだデータが常に発信されています。そのデータに含まれている時刻と受信した端末(車など)の時刻との差から、その衛星からどの程度離れた位置にいるのかを計算することができます。
こうして計算した複数の衛星からの位置を重ね合わせることで、自分の位置を知ることができます。

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より正確な位置を知るために

GPSのシステムによって位置を特定することはできますが、自然現象等により誤差が生じてしまいます。
立山黒部アルペンルートの除雪作業では、高精度な情報が必要なため、衛星だけではなく地上の「電子基準点」から生成した測位補正値も使用します。
測位補正値とGPS受信データを独自のアルゴリズムで組み合わせることで、緯度・経度・高さを含めた3次元位置情報を、わずか 数cm の高い精度で得ることができます。

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三菱電機の
高度な測位技術

衛星からの情報だけではなく、精度の高い地図を用意してあることも、高精度な位置情報測位を支えています。
地図作成には「三菱モービルマッピングシステム(MMS)」と呼ばれるシステムを活用しています。
このシステムは、GPSアンテナ、レーザースキャナー、カメラなどの機器を車両に設置し、走行しながら道路の形状などの3次元位置情報を高精度で取得することができます。
雪が積もっていない時期にこのシステムを搭載した車両で走行し、道路の計測データを蓄積します。そのデータをもとに作成した高精度な地図と、GPS情報、測位補正値を組み合わせ、より精度の高い除雪作業を実現しています。

熟練の技術に三菱電機のシステムを加えることで、効率的に除雪を行うことができています。2017年も予定通り除雪作業を終えて、4月15日に立山黒部アルペンルートが全線開通しました。
後半のvol.2では、除雪作業の行程のご紹介と、実際に私が現地へ行った様子をリポートします!お楽しみに!