革新的振動板素材のNCVをさらに進化させたNCV-Rと、新設計の最先端磁気回路やフレーム構造によって、かつてない音の深みと魂までも揺さぶるパワー感、リアリティあふれるサウンドを実現しています。
B4Cプレミアムボロンに匹敵するリアルなサウンドを追求するため、DIATONE独創のNCV振動板にさらなる性能向上を図りました。NCVには特性の優れたカップ積層型カーボンナノチューブを採用し、併せてその他の樹脂との配合条件を最適化して剛性をさらに向上したNCV-Rを開発。理想的なハイエンドウーファーに相応しい振動板特性を得ています。
軽量高剛性の「NCV」振動板の背面を、5本の細いリブで補強した「ソリッドライン構造」を採用。ソリッドライン構造は振動板と一体で射出成型されており、振動板の剛性を格段に向上させ、振動板の内周部と外周部の剛性の変化量を極少に抑えています。そのため、ボイスコイルの動きに対して振動板外周部もほとんどたわむことなく、正確かつ効率よく空気を振動させ、微細な音楽表現も可能にしたリニアな再生を実現しました。また大型ボイルコイル径に合わせて形状を最適化することで、理想的に振幅するピストンモーション領域を大幅に拡大。DS-SA1000のネットワークと組み合わせることで、ウーファーの能力をフルに発揮させることができるフルピストンモーション駆動を実現します。
磁気回路と振動系をバスケット構造のマグネットカバーとメインフレームで一体化した、DIATONEの独自技術DMM(Direct Magnet Mount)構造をさらに進化させた、G-DMM(Gravity-DMM)構造を採用しました。高剛性アルミダイキャストのメインフレームと重量亜鉛ダイキャストのマグネットカバーを組み合わせた構造、さらに磁気回路に超重量級のヨークを採用してメインフレームと一体固定※したことにより、スピーカーの反作用による影響と素材自体の共振を徹底的に抑制しています。クルマへの取付性も考慮した奥行とともに、最適なスリットを入れることで不要共振を効果的に抑制し、解像度が高く、スピード感、立体感のある低音域再生を実現します。
※ 特許出願中
振動板を動かすための駆動力を発生させる磁気回路には、中央部のポールを大口径36mmとしたダブルネオジウム磁気回路を採用しました。
磁気回路の磁束密度分布は、ボイスコイルが駆動する位置で非対称になると、磁気歪みとなって駆動力を変化させてしまい、音を濁らせる原因となります。そのため強力な磁束密度を持っているネオジウムマグネットでポールを挟み込み、最適に配置することで、高磁束密度を維持しながら磁気歪み特性の低減化を図っています。具体的には、ボイスコイルが配置された手前側と奥側の磁気ループの対称性を追求。交流磁気歪みをキャンセルし、低音域歪みのエネルギー成分を約1/10に低減する、DIATONE独創技術MLCT(Magnetic Loop Canceling Technology)を採用。銅リング等が不要になるため磁界のロスを大幅に抑制し、磁気歪みの低減を達成しました。さらに磁気回路に使用しているプレートには、トゥイーターと同じくスリットを設けたECCTも採用しています。
綿密な音場解析によって、音の放射を効果的に制御し音の浸透力を向上させる、アルミダイキャスト製のダイレクターを装備しました。試聴を繰り返しエネルギー密度の向上と、B4Cプレミアムボロンのトゥイーターとの調和の取れた音色を得られる不要共振を抑えた最適な形状を選定しています。
DS-SA1、DS-SA3で不要共振を効果的に抑制する、高音質亜鉛製スタビライザーをDS-SA1000に付属しました。アルミダイキャスト製ダイレクターと異種の金属を使用することで双方の共振を抑制し、S/N感を向上させます。
車載用スピーカーはクルマのドアに取り付けた状態で再生すると、通常は低音がブースト気味になり、制動が鈍く音がだぶつきやすくなります。DS-SA1000はこの低音のだぶつきを避けるため、最低共振周波数(f0)付近の制動領域を大幅に拡大。オーディオソースユニットのイコライザー等で低音域を補正することを前提に、スピーカー単体での低音域の量感をあえて抑えた「ハイダンピング設計」を採用しました。制動の良い低音域特性を与えたことで、f0以下の周波数帯域の制御性が大幅に向上。ドアなどの背面エンクロージャーの影響も低減されることも相まって、低歪でハイレスポンスの余裕ある低音域再生が可能です。またイコライザーなどによる低音域補正でも、だぶつくことのない深みと迫力のある量感と、スピードに富んだキレのいい低音域再生を実現します。