コラム
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2004年 1月分 vol. 4
締め切り迫る! 彗星「突入」の旅。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi


「ディープ・インパクト」ミッションのイメージ。左側の実験体に名前が搭載され、彗星に衝突する(NASA/JPL)  彗星の旅に行きませんか? ただ彗星を見るだけじゃありませんよ。彗星の核にどーんと衝突して、クレーターを作ってしまいましょうという特別な旅です。打ち上げは2004年12月30日。めざす彗星は、テンペル第一彗星。衝突予定日(!)は2005年7月4日、アメリカの独立記念日です。予想では直径100メートル、深さ25メートルほどのクレーターができるはずです。彗星には結構大きな衝撃になることでしょう。だからこの旅の名前は「ディープ・インパクト」。あれっ? 何年か前にそんな名前の映画がありましたよね。あれは地球に彗星がぶつかる話でした。でも今度は彗星にぶつかろうっていう話ですよ・・・。ぶつかるのは、あなたのお名前だけですから安心してくださいね。

 NASAの彗星探査機「ディープ・インパクト」が1月31日(米時間)まで探査機に搭載する名前を募集しています。私もさっそく応募してみました。すると「DEEP IMPACT MISSION First Look Inside a Comet Participation Certificate(ディープインパクトミッション 彗星の中への初めての旅 参加証)」が私の名前入りで画面に。やりますねぇ。(ちなみに私のナンバーは55万3千件目くらいでした)。

 そう言えば、今小惑星イトカワを目指している「はやぶさ」にも名前を積んでいるし、土星に向かっている探査機カッシーニにも確か私の名前が乗っているはず。宇宙の彼方を見知らぬ何十万人かの方達と隣り合ってぐんぐん旅を続けているわけです。

 さて、この「ディープ・インパクト」は、探査機から約370kgの銅製の実験体を時速約3万7千キロメートルで衝突させようという、野心的なミッションです。めざすテンペル彗星第一は1867年にドイツのテンペルさんによって発見された、周期約5年半の短周期彗星。

 私達の名前を乗せた実験体がぶつかったとき、どんなクレーターができるのか、「汚れた雪だるま」といわれる彗星の内部からどんな物質が飛び出してくるのか、もしかしたらとても明るくなって、肉眼で見えるかもしれないそうですよ。そのドラマに自分の名前も一役買っていると想像すると、楽しいじゃないですか!?


汚れた雪球・彗星の正体を探る。ディープ・インパクト打ち上げ(2005年 1月コラム)

NASAディープ・インパクト(アニメーションも見られます)
http://deepimpact.jpl.nasa.gov/index.html