三菱電機株式会社は、パワー半導体素子をすべてSiC※1(炭化ケイ素)で構成した強制空冷式フルSiCインバーターを開発し、検証用インバーターにてパワー密度50kVA/ℓ※2での動作を実証※3しました。本開発により、自動車や産業用途などのパワーエレクトロニクス機器の小型・軽量化に貢献します。
- ※1:Silicon Carbide:炭素とケイ素が1:1の化合物
- ※2:kVA/ℓ:体積1ℓ単位あたりのインバーター出力
- ※3:出力:156kVA、インバーター体積:3.1 ℓ
開発の概要
- 高パワー密度(50kVA/ℓ)のフルSiCインバーターを開発
- ・強制空冷式の400V出力3相フルSiCインバーターを開発
- ・SiC-MOSFET※4・SiC-SBD※5採用、定格1200V/300AのフルSiCパワーモジュール搭載
- ・自動車や産業用途などの適用機器の小型・軽量化に貢献
- ※4:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスター
- ※5:Schottky Barrier Diode:半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード
開発の特長
- フルSiCパワーモジュールの高電流密度化技術を開発
- ・DLB※6による低抵抗配線の適用により、電流密度を低損失デバイスの最大限まで増加
- ・電流センス機能内蔵SiC-MOSFETを用いた高速短絡保護回路の採用により、低損失性を確保
- ※6:Direct Lead Bonding:パワー半導体チップに主端子を直接はんだで接合する内部配線構造
今後の展開
実用化に向け、インバーターのさらなる小型化開発を推進していきます。