三菱電機株式会社は、加工液に油を用いることで、より安定した高精度微細加工が可能になるワイヤ放電加工機を開発しました。本製品は、「第26回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2012)」(11月1日〜6日、於:東京ビッグサイト)に参考出展します。
開発の背景
電子機器製品や自動車部品市場においては、製品の高精度化がますます進み、これに伴い量産の母体となる金型も一層の高い精度を要求されています。
この度、安定的に高精度微細加工を行うため、従来の水加工液仕様機に加えて絶縁抵抗値の高い油を加工液として使用したワイヤ放電加工機を開発しました。
開発の特長
- 安定的に高精度微細加工を実現する油加工液用専用電源の開発
- ・当社従来電源※1より細かなサイクルでの放電を行い、安定的に滑らかな仕上げ面を実現
- ・加工中の放電状態の変化を、より素早く制御することにより、精度を得にくいコーナー部での加工精度を向上
- ※1:当社水加工液仕様V350電源との比較
- 高精度な加工を実現する機械構造の開発
- ・微細な加工を自動的に行うため、電極を自動で挿入・結線する「自動結線装置Intelligent AT」の最小使用ワイヤ径をφ0.1mmからφ0.05mmへ小径化
- ・熱源となる電源盤・制御盤・加工液ポンプを機械本体から遮断することで、精密加工の妨げとなる本体への熱影響を防止
- ・駆動部に高い推力を持つシャフトリニアモーターを採用し、電力消費量を削減するとともに、指令値に対し誤差の少ない加工を実現
- 省スペース・加工液タンク小容量化を実現
- ・ユニット部品の小型化により省スペース化
- ・油加工液を効率的に使用することにより、加工液タンク容量の小容量化(300L)を実現
開発品の概要
加工液 | X・Y・Z軸ストローク | 設置面積 | 精度保証値 |
油 | 300×200×180mm | 8.2 ㎡(2,570mm×3,220mm) | ±2㎛ |
今後の予定
実用化に向け、さらなる開発・評価を進め、2013年4月に発売・量産化を予定します。
お問い合わせ先
三菱電機株式会社 産業メカトロニクス事業部 メカトロ事業推進部
TEL: (03)3218-6560 FAX: (03)3218-6822