三菱電機株式会社は、フルSiC※1パワー半導体モジュールと高放熱構造の採用により、世界最小※2の体積5L(リットル)を実現した「HEV※3用超小型SiCインバーター」を開発しました。HEVの車内空間の拡大やインバーター配置の自由度向上に加え、燃費向上にも貢献します。本開発技術は、EVなどにも適用可能です。
- ※1Silicon Carbide:炭化ケイ素
- ※22017年3月9日現在(当社調べ)、2モーター方式HEVに対応した2つのインバーターユニットと1つのコンバーターユニット構成のインバーターにおいて
- ※3Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド電気自動車
開発の特長
- 世界最小体積のHEV用インバーターを開発
- ・フルSiCパワー半導体モジュールの採用により電力損失を低減し、インバーターの小型化の実現とHEVの燃費向上に寄与
- ・パワー半導体モジュールと冷却器をはんだで接続する高放熱構造によりインバーターを小型化しつつ、長期信頼性を確保
- ・世界最小の体積5Lと世界最高レベルの電力密度86kVA/Lを達成
- ・ストロングハイブリッド車で用いられる2モーター方式HEVに対応
今後の展開
今後、量産化に向けた開発を行い、2021年度以降の事業化を目指します。
開発の背景
近年、自動車市場は燃費規制強化が進んでおり、EV・HEVの需要が拡大しています。一方、EV・HEVでは電動化のための機器設置空間が必要となり、車内空間を確保するためにインバーターの小型化が求められています。
当社は今回、HEV向けに世界最小の体積5Lを実現した超小型SiCインバーターを開発しました。
なお、今回のSiCインバーター開発の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究として実施したものです。
また、今回の開発成果については、平成29年電気学会全国大会(3月15日〜17日、於:富山大学 五福キャンパス)にて発表予定です。
特許
国内51件、海外17件