三菱電機株式会社は、第5世代移動通信システム(以下、5G)基地局向けに、広信号帯域幅・広角ビームフォーミングを実現する小型の28GHz帯超多素子アンテナ・RFモジュール※1を開発しました。今後、本モジュールを用いた高速大容量通信の検証を進め、早期実用化を目指します。
なお、本モジュールの開発成果の詳細は、4月19日(水)〜4月21日(金)にアメリカ・ニューヨークで開催される「Brooklyn 5G Summit※2」で発表します。
- ※1:多素子アンテナと高周波回路を一体化した製品
- ※2:ノキアとニューヨーク大学科学技術専門校のNYU WIRELESS研究センターが共催する5G無線技術を議論するイベント
開発品の特長
- 広信号帯域幅を実現することで、高速大容量通信を可能に
- ・高周波回路を広帯域化し、800MHzの広信号帯域幅を実現
- 広角ビームフォーミングを実現することで、エリアカバレッジの拡大に寄与
- ・独自開発の多素子アンテナとRFデバイスを組み合わせたビーム制御技術を採用
- ・ビームフォーミングの広角化(水平±45度)により、カバーするエリアの拡大に寄与
- RFデバイスの高集積化によりアンテナ・RFモジュールの小型化を実現し容易に設置
開発の背景
急増する移動通信のトラフィック対策、多種多様なサービス、アプリケーションの実現に向け2020年以降の実用化が期待される5Gの研究開発が世界で行われています。
5Gでは、第4世代移動通信システム(4G)の規格上の最大伝送速度3Gbpsを大きく超える20Gbpsの超高速伝送が要求されています。これらを実現するためには、広帯域幅を確保できる高周波数帯の利用と、高周波数帯で大きくなる伝搬損失を多素子アンテナで補償しながら同一周波数、同一時間に複数の信号を空間多重する技術であるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を組合せたMassive MIMOが有効です。
今回、Massive MIMOを実現する5G基地局向けの28GHz帯超多素子アンテナ・RFモジュールを開発しました。
なお、本開発には、総務省の委託研究「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発〜高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発」の成果の一部が含まれています。
第5世代基地局事業推進プロジェクトグループ
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